masumiノート

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「愚策でした」と言う理由

2017年12月22日 | ガソリンスタンド3

12月21日燃料油脂新聞より(※青系文字がmasumi)


JXTG全油種1円値上げ

※卸価格です。
恐らく市況(売価)に変化はないと思います。





JXTG系列SS数 11月末1万3457ヵ所
前月比25か所の減少 セルフ割合は32.2%





地場業者は困惑 仕切りより安い現金看板が乱立
新設セルフがオープンしたことで市況が陥没
(新設店がオープンする時は特価で安売りする⇒周辺他店は静観すれば良いものをそれに対抗して安売り⇒商圏へ伝染)

地元の3者店は「3者の仕切りは税込みで132円程度。それを考えれば120円台の売価は論外だし、132円程度の現金価格もあり得ない。当店では100%系列を買っているが、これでは勝負にならない。真面目な業者ほど苦しい状況に置かれるのは納得がいかない」と強い口調で話す。

新設セルフと同じマークの地場店も「もはや何があっても驚かないが、現金客が激減していることは不安。新設セルフやそれに追随したSSの価格は結局130円台に乗らないまま又下がってしまったが、いずれにしても3者の仕切り以下で繰り広げられている戦い。つい最近まで136円の(現金)看板を出していた店も、132円まで価格を下げている。このままでは地場業者の疲弊は募るばかり」と窮状を訴えている。


※火種は異業種コストコではありません。
元売マークを掲げた新設店です。
今時新設オープンできるのは販社か大手特約店だけです。
コストコを悪者扱いするのは止めましょう。


当市ではセルフ解禁前からコレ(新設店のオープン)が始まりました。
セルフ解禁当初、その安値にピッタリ追随した地場フル店もありました。
その後、ある業者はセルフ化、ある業者は今もフルのままで安売りを継続、ある業者は数年前から価格追随は止めておられます。

新設オープンは次々と続き、今では既存の地場店より新設された大手セルフ店の方が多いです。


20年前は業転や卸格差は公にはされていませんでした。


・・・というか。

これいつの話ですか?
JXTG誕生でこういうことは無くなるんじゃなかったのですか?
これじゃあ今までと何も変わっていないってことです。







価格差販売が定着 多様化進み最大30円の差
格差は“自由化の落とし子”
20日現在、九州地区のガソリン最安値は125円、高値は158円(どちらも税込)


隣の店と5円の差では動かなかったお客さんも、価格差が拡大するごとに減っていく。
販売数量減少の穴埋めには高利=高値⇒自由化の下では格差は拡大するしかない。


業転購入は最低限の防衛策 同系列店安値掲出に疑問

ガソリン現金価格の最安値128円に対し、高値は140円台後半と大きな価格差が生じている。
新設セルフのオープンをきっかけに市況が混乱する。

3者販売店主からは「業転手当は最低限の自己防衛だ」という声が出ている。

系列仕入れが税込換算で133円なのに対して、業転は届けで税込み125円程度。
業転価格が上昇したことで系列玉との差は縮小してきたが、それでも8円の違いがある。

同業の3者と話をしていると、割合はともかく大半の業者が業転を買っている。
業転は一切買わないという同業者も知っているが、むしろ例外的な存在だーとしたうえで、

無印ならともかく、元売マークをつけたSSが安売りをして市況を乱している。
当店と同じ系列のSSが当店の仕入れ値以下の現金価格を掲げる状況では、元売も“業転を買うな”とは言えないはず。

系列玉だけで商売をしていたら、仕入れ代金の決済まで怪しくなる。
業転で生んだ利益で系列玉の仕入れ代金を払っているようなもの

ただ先行きへの不安として
上流の再編や高度化法によって業転の流通量が減少すれば、安い玉の供給が滞る可能性を指摘する声がある。

当店に限らず地場の3者は、業転を仕入れても安売りするのではなく何とか利益につなげようとしているのが実情。
業転を絞るのなら元売が市況改善の先鞭をつけてほしい。


・・・・・(溜息)

でも気持ちは分るし、もう他社買い行為を責めることはしません。


当店へ燃料商が業転玉の営業に来ることは今はもう殆どありませんが、当市にセルフが出来る20年前はしょっちゅう来られていました。
既に市況低迷(粗利圧縮)は始まっていましたし、営業の方が提示される業転玉の単価は、それはそれは魅力的(最大で18円安)でした。

「この辺は9割の販売店さんが業転を買っていますよ」と言われました。
9割と言うのは流石にセールストークかなと思いましたが、灯油軽油を含めるとあながち嘘でもなかったのではないかと思っています。


一部例外的に好市況地域もあるでしょうが、地場3者店の苦境は全国的なものです。

業転価格が上昇したことで系列玉との差は縮小してきたが、それでも8円の違いがある。

そうなんです。
業界紙等では業転との格差2~3円と載りますが、それは特約店レベルでの話です。
3者店の仕入れ値は、そこに特約店によって違う中間マージンが乗りますので、このような差になる3者販売店もあるのです。

「ガソリンスタンドは災害時の最後の砦」「これ以上の減少は社会インフラの崩壊」と謳うのであれば、
現特約店制度(中間マージン)にメスを入れるべきです。






「使命感ある中小零細支える施策を」

市町村にSSが3カ所しかなく消費者が不便を強いられるというのが「SS過疎地」問題。
SS経営を成立させるだけの需要が望めないことがSS過疎地を生む大きな要因になるが、十分な収益が得られないのなら石油販売業者は撤退すれば良い。
SS過疎地が生まれることで不利益を被るのは石油販売業者ではなく、あくまでも消費者だからだ。

しかし地域への安定供給を自らの使命と自負する地場業者はなんとか燃料供給の拠点を維持しようと努める。

その状況について宇都宮市の販売業者は
「中小零細業者が元売の量販政策のつけを払っているようなもの」と指摘する。

「安定供給は元売こそが果たさなければならない使命。しかし実際には数量の望めない地域に元売が自らSSを出店することはない。結局、元売がすべきことを地場業者が肩代わりし、身を削って地域への安定供給を支えることになる」としたうえで

「今年4月以降、ガソリン小売市場が大きく改善された。元売もリットル15円以上のクラックマージンがとれているはず。
面倒なことを中小零細に押し付けるだけではなく、安定供給に努める中小零細を経済的に支えるような施策を打ち出すべきではないか」と話している。


平成25年、地下タンク改正消防法対応工事を投資回収不能と知ったうえで「やる」と決めたこうちゃんに対して、地域への意識が薄いmasumiさんは「アホちゃうか」と言いました。

(業転を仕入れているであろう)同業者からの「愚痴や文句ばかり」というような批判的なコメントに対しては、「業転玉を取れば、店を畳めば、或は全石連が意見広告を出してくれるなら、私がこんなブログを書く必要はない」と書いてきました。



でも、考えてみれば全石連が意見広告を出せる訳がない。
何を隠そう卸格差で地場3者店をスケープゴートにし、又、卸格差や中間マージンで利を得ている大手業者が全石連の執行部役員なのだから。




愚策でした。と言う理由は、2万店の中から3者販売店を除外したからです。
地域への安定供給を自らの使命と自負する地場業者を、恣意的な卸格差で疲弊させ、撤退・廃業へと追い込んだからです。

安値集客し、「利益は油外で」と詐欺まがいの押し売りを横行させ、
集客の為に“地場3者店の仕入れ値同然の”安値で売って、自ら利益を捨てておきながら、補助金(国民の税金)で洗車機や配達用ローリーを買い替える大手。

小口配達を担ってきた地場中小零細を淘汰し、残ったのはそれらの大手・・・
これでは、
愚策と言う他ないでしょう。


*****


安定した年収が保証されているのに脱サラして、金融機関からの借り入れで地下タンクの工事を行い、跡を継いだ若い男性がいます。
跡を継いでみると、自分が消費者として買っていた単価よりも自店の仕入れ値の方が高かったことに愕然としたそうです。

その彼は、昨シーズンは独り暮らしのお婆さんの家に配達した灯油をストーブに入れ替えるために週に2回通ったそうです。
「儲けはないけど火事になるよりは、」

私は、こういう地場店にこそ残ってほしい。
セルフではなく、こういう店こそ残るべきだと思います。

SS過疎地ではなくても、全国にはそうした地場店があるのです。