「クレイジー・ハート」をDVDで観ました。
2009年製作のアメリカ映画。
ご存じ、ジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞のオスカーを獲得。
俳優人生の集大成、とか言われたけど彼はもっと出続けるよね。
おもなあらすじは・・・
かつては一世を風靡したカントリーシンガーのバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は今ではすっかり落ちぶれてボーリング場や場末のステージで歌を披露するだけの日々。
結婚生活も失敗し、酒におぼれ身体もやっとの状態だが、ステージの上だけは彼の存在感は際立つ。
そんな彼がシングルマザーの記者ジーン(マギー・ギレンホール)と出会い、彼の人生にも明るい希望が生まれたのだが・・・というような人生の再起を描いたドラマです。
まず、私はジェフ・ブリッジスは好きではない。
たくさんの作品を今まで観たけれど、怪しい殺人鬼や裏切り者のイメージが強く残っているんだな・・・
今回彼が演じるバッドも見た目が怠惰で汚らしく(失礼)、身体もボヨッとしているし、咳込んだりアル中なのには嫌悪感をたくさん感じました。
そりゃ、奥さんも子どもも疎遠になるよ、と。
しかし彼の歌を聴いたら、イメージがガラリと変わったのです。
哀愁のある声であんな風に歌ったら、思わず聴き入ってしまう。
彼は俳優だけでなく歌手の肩書もあるのでは、と思っちゃう。
カントリー・ミュージックの良さはあまりわからないけど、人生を歌うのにはぴったりですね。
それからもう一人の苦手な俳優がコリン・ファレル。
彼はこの作品でバッドに育てられ、今は超売れっ子のカントリー歌手トニーを演じます。
バッドは彼の活躍を面白く思っていない場面が多く、そこにどんな確執があったかわからないけれど、
このトニーも良い役だったな~!
師匠であるバッドを尊敬し、自分の前座を務めてくれるバッドとセッションする所が良い!
そしてまた歌を書いてほしいと願い、ラストでトニーが披露するバッドの作った曲の演奏も素晴らしい~!
二人とも歌が上手過ぎ~
思わぬ所で私の苦手な男優二人が輝いていて、素直に感動しました。
それから大好きな俳優、ロバート・デュバルが良かったですね。
親友としてバッドをずっと支えて来たんだろうな~
バッドがブリーフ一枚(!)でトイレで倒れているのを見ても慌てずに「釣りに行く約束だろ」って・・・。
釣り船の上でのセリフも良かったしエンディングで流れるロバートの歌も素晴らしい~
彼は製作にも携わっていたのも納得です。
マギー・ギレンホール演じるジーンは・・・母としては一生懸命さが伝わってきました。
でもあっさりバッドと関係を持つし、一番納得がいかなかったのはラストのシーン。
1年4カ月後に再会した時にはジーンは誰かと再婚していたのだが、バッドの渡した小切手を一度だけ断ってその後すぐに受け取っちゃうかな~??? それはないでしょ?
ここだけが何だか残念なシーンだった。
それからバッドのあそこまでひどいアルコール中毒が矯正施設で簡単に治るとは思えないんだけど・・・
それでも彼の生きて来た人生を歌うにはカントリーが一番似合っていてGOODでした。
ジェフ・ブリッジスとコリン・ファレルの歌に乾杯!
今回の評価は・・・ 星3つ半 ☆☆☆★