日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「約束の旅路」

2009-07-26 22:22:54 | 映画・DVD・音楽・TV・本など
家庭訪問の疲れが何とかとれた週末。
今度は連日の暑さでまいっています
今日は36度くらいあったのかな。
呼吸する度に大気が熱すぎて火を噴きそう
一言叫びたい、「夏よ!終われ!」


            



さて、またまた心に響く素晴らしい映画を観ました。
BSって秀作を放送してくれるので好き!
映画は本当に出会いですね。





作品の名は「約束の旅路」
2005年製作のフランス映画です。



1984年のスーダン難民キャンプで、エチオピア系のユダヤ人だけがイスラエルに脱出できるという「モーゼ作戦」があり、その機会を利用して自分の子をユダヤ人と偽らせて、母親が9歳の子を脱出させます。
「行きなさい。そして生きて何かになりなさい。」と子どもを追い立てる実母。
本当の気持ちを抑えながら、子どものために決断をしたのでしょう。

スーダンを脱出する時に、母親のふりをしてくれた女性も、自分の息子を亡くしたばかりでつらいはずなのに、愛情を持ってかばってくれました。
たった9歳の子が生きるために必要なのは、偽った身分がばれない様に「父の名前は・・・母の名前は・・・祖父の名前は・・・」と。


そして、ユダヤ人の身分を得た男の子は「シュロモ」という名を得ます。
シュロモを迎えてくれた養父母の家庭は温かかったのですが、なかなか差別の社会に馴染むことができませんでした。
月を見ては遠くの母を、エチオピアを想うシュロモ。

それでもだんだんと養父母、特に養母の深い愛の元、シュロモは成長していきます。
「自分は何者か?自分のルーツは?」と問いながら、ユダヤ人と偽り続ける苦しみを感じながら。

彼が「医師」になることを目指してパリに旅立つ時に空港に送りに来てくれた養母に聞いた話・・・
「シュロモを養子として迎える事に大反対だったのは私(養母)だった。
それを何度も何度も説得をして、あなたを家に迎えたがったのがパパ(養父)だったのよ。」と。
このあたりはとても心を打たれたシーンです。
あれだけ自分の本当の存在に苦しんだのはシュロモだったとしても養父母もいつも心から心配をしてくれていたという事実。
深い愛ですね~

シュロモは白人の女性と結婚をし、医師として難民キャンプを訪れます。
そして、信じられないような出来事が・・・
最後のシーン、何度も心に深く響きました。




「母の愛」と言ったら簡単ですが、これだけ複雑な背景で小さい時からつらい思いをして生きてきたシュロモ。
幸せになっても良いのです・・・
(実際は多くの数え切れないくらいの人が命を失ったのでしょう)


150分をけっして長く感じない、深い感動をあたえてくれる作品でした。





評価は・・・ 星4つ半  ☆☆☆☆★






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