日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「ルワンダの涙」

2007-10-18 15:19:24 | 映画・DVD・音楽・TV・本など




劇場では見逃してしまった映画「ルワンダの涙」を観ました。
かなり重い悲惨な映画・・・でも秀作でした。

ルワンダの民族紛争は報道で少しは知っていたものの実態を知れば知るほど
解決の困難さを感じました。

ベルギーの植民地であったルワンダ。
少数民族のツチ族と多数民族のフツ族の紛争は3ヶ月で100万人にも及ぶ大量虐殺・ジェノサイドという悲惨な出来事となりました。

最初は少数のツチが多数のフツを支配していたという事実。
クーデターが起きて・・・これも様々なデマや扇動によることが多かったと聞きます。
この映画では生きていく力となったキリスト教ですが、その宗教さえも利用して対立が大きくなったとのこと。


映画は全てルワンダでのロケだったそうです。
始まりはアフリカ独特の原色の美しい映像が多かったものの、事態が変わればそれは悲惨な死体の数々。
 
公立技術学校に避難してきた大勢のツチ族の人達を、ジョン・ハート演じる「クリストファー神父」が中心となって支えていきます。
学校の敷地のすぐ外側はナタを持ったフツ族の大群衆。
何が同じ民族をそう変えてしまったのかは、まさに「集団の心理」なのでしょう。
それは恐ろしい狂気となって人間を変えていくのですね。

国連の監視軍が撤退していく時に
「せめて子ども達を銃殺していってください」と懇願するマリーの父親。
子どもを持った親の考える気持ちがこんなにつらい言葉となって出るのです。

神父の車で脱出して、わずかに助かったツチ族の子ども達。
でも学校の中では2500人もの大量虐殺がありました。
そして遺体をむさぼる野犬たちの映像。
原題の「Shooting Dogs」はこの事だったのです。


幸いにも助かった数人がこの映画のロケにも参加して重みを加えています。
遺体の下にいて助かった人、汚物溜めの中に隠れて助かった人など。
私は「シンドラーのリスト」を思い出しました。
でもルワンダのこの歴史は、まだ最近の事なんです。
そして内戦が続く国はまだまだ多いという現実。

悲しい重い作品でしたが、このあと「ホテル・ルワンダ」も観ようと思います。
遠い地域で起きている様々な事をまず知る事が大切なんだと思いました。








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