報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「1日目の検査終了」

2023-02-16 20:19:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月15日16時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家機密地下研究施設]

 医療技師A「愛原学さん。ちょっと脂肪肝の疑いがあります。病院での受診が必要かもしれません」
 愛原「ええーっ!?」

 リサ達が検査を受けている間、ヒマなので、私や高橋もついでに健康診断程度の検査を受けてみた。

 医療技師B「高橋正義さん、タバコの吸い過ぎです。禁煙を心がけてください」
 高橋「できるかーっ!」

 100%健康な人間はいないということでw

 リサ「先生、シボーカンだって?シボーカンって何?」
 愛原「脂肪肝っていうのは、肝臓に中性脂肪が蓄積された状態のことをいう」
 リサ「? それって、どういうことなの?」
 愛原「メタボの入口、フォアグラ状態ということだ」
 リサ「フォアグラ……?」
 愛原「ハッ!?」

 しまった!
 私は失言をしたことに気が付いた。

 リサ「先生の肝臓、フォアグラなんだ!?……美味しそう……!」

 リサは牙を剥き出しに、涎を垂らした。

 善場「ダメよ、リサ。人間の肝臓は食べちゃダメ」
 リサ「で、でも、美味しそうだよ?」
 善場「人間に戻りたかったら、我慢なさい」
 リサ「ぶー……」

 私の夢の中では、ついにリサは人間に戻れないまま、私と結婚しているようだがな。
 しかし、子供の姿は見られなかった。
 リサは……今のリサは、子供が生めないのだろうか?

 主任研究員「お疲れ様でした。以上で本日の検査は終了です」
 リサ「やっと終わった……」
 善場「了解です。着替えて来てもよろしいですか?」
 主任研究員「結構です」
 善場「リサ、行きましょう」
 リサ「うん」

 更衣室には鍵が掛かっている。
 しかし、ドアの鍵はカードキー式になっており、そのカードは善場主任が持っている。
 ロッカーは4桁のナンバーロック式になっている。

 愛原「明日は何をするんです?何か、検査は一通り全て終わった感じがするのですが……」
 主任研究員「明日は身体能力検査が行われます。会場はこちらではなく、B棟体育館です」
 愛原「ああ、あそこ」

 この施設は大きく分けて、3つの建物に分かれている。
 まず、管理棟を兼ねた本館のA棟、体育館や研修室のあるB棟、そして私達が今夜宿泊する新館のC棟である。
 守衛所や倉庫などもあるが、大きな建物ではないので、ここでは紹介しない。
 守衛所は、交番くらいの大きさしかない。

 主任研究員「身体能力の検査を行いますので、明日9時に動きやすい恰好で来てください」
 愛原「分かりました。伝えておきます」

[同日16時30分 天候:雨 国家公務員特別研修センターC棟]

 エレベーターに乗って、地上に向かう。
 尚、地上階を行き来する際はバリアフリーとしてアナウンスがあるが、地下階に行く場合、アナウンスは無かった上、ドアも勢い良くバンと閉まる感じだった。

 善場「本日はお疲れさまでした」
 愛原「善場主任もお疲れ様です」
 善場「主任研究員から明日のことについて聞いたと思います。明日は9時に体育館に集合してください」
 愛原「分かりました」
 善場「動きやすい服装ですが、リサは持って来てますか?」
 リサ「うん。学校の体操服持って来た」

 まさか、ブルマではないだろうな?

 善場「結構です」

 ガコンとドアが開く。
 新しいエレベーターのはずなのに、秘密施設からの出入りの場合は、随分無機質だ。

 善場「私はここで失礼します。夕食はA棟、本館1階の食堂で、18時からとなっております」
 愛原「承知しました」
 高橋「ていうか姉ちゃんは、泊まんねーのか?」
 善場「私はA棟に宿泊しています」
 愛原「お1人で!?」
 善場「はい。それが何か?」
 愛原「いえ……。つい、リサと一緒に泊まるのかと思いまして……」
 善場「今回、リサは愛原所長方と泊まって頂きます。リサもその方がいいでしょう?」
 リサ「うん、確かに」

 リサは大きく頷いた。

 善場「食事は御一緒させて頂きますので、また後ほど……」
 愛原「あ、はい。失礼します」

 私達は再びエレベーターで3階に向かった。

〔ドアが開きます〕

 ピンポーン♪

〔3階です。下に参ります〕

 地上階においては、ソフトな対応になるエレベーター。

 高橋「先生、雨が降ってきましたよ?」
 愛原「随分、どんより曇ってたもんなぁ。A棟に行くには、傘が必要か。凄く頼めば、貸してもらえないかなぁ……?」
 高橋「大丈夫だと思いますけどね」

 部屋に戻り、一息つくことにする。
 尚、室内は禁煙なので、タバコは喫煙所で吸うことになる。

 高橋「お茶をお入れしましょう」
 愛原「ありがとう」

 部屋備え付けの設備として、小型の電気ポットとお茶セットがある。

 高橋「リサも飲むか?」
 リサ「うん」

 高橋は洗面所から電気ポットに水を入れて、お湯を沸かし始めた。
 リサは窓の外を見ながら……。

 リサ「結構降ってるねぇ」
 愛原「今夜一杯は雨らしいな。まあ、明日には晴れるみたいだから」

 部屋の窓からは相模湖が見える。
 リサはバッグの中から、勉強道具を取り出した。

 リサ「夕食まで宿題やってる」

 そして、ベッド横のライティングデスクに向かった。

 愛原「元気だな。でも、いいことだよ」
 リサ「えっ?これって元気なの?」
 愛原「俺は疲れたよ。リサの方がもっと疲れているはずなのに、勉強する余力があるなんて、若いっていいねぇ」
 高橋「化け物なだけっスよ」
 リサ「がぁーっ!」

 化け物呼ばわりした高橋に、リサは牙を剥いて威嚇。

 高橋「怖ェ!怖ェ!つーわけで先生、人食い鬼に食われる前に、ちょっと一服してきます」
 愛原「ああ、行ってこい。カードキー、忘れるなよ?」
 高橋「もちっス」
 愛原「お湯が沸いたら、お茶くらい自分で入れるから、気にしないでゆっくり吸ってこい」
 愛原「サーセン」

 高橋は喫煙道具と、自分用のカードキーを持って部屋から出て行った。
 かくいう私も、荷物の中から自分のノートPCを取り出して、座卓の上に置いた。
 幸いこの施設はWi-Fiも飛んでいるから、インターネットをするには困らない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“私立探偵 愛原学” 「検査の開始」

2023-02-16 15:32:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月15日10時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家秘密地下研究施設]

 リサ達の検査が始まった。
 『達』というのは、善場主任も含まれているからである。

 善場「私も一緒に受けますからね、寂しくないですよ」
 リサ「それは良かった……」

 とはいっても、検査内容は若干違うらしい。
 2人とも紺色のワンピースの検査着に着替えていた。

 善場「愛原所長、あまり見ないでくださいね?」

 この検査着、なかなか裾が短く、太ももが丸見えとなる。
 いつもはスーツ姿の善場主任だが、こういうエロ……もとい、薄着になると、なかなかセクシー……。

 リサ「先生……!?」
 愛原「い、いや、そんな見てないっスよ、はい!」
 リサ「善場さんはダメでも、わたしは見ていいからね?」
 善場「リサ、はしたないですよ?」
 リサ「『欲しい男がいたら、遠慮せず狙え』って、高野お姉ちゃんに言われたよ?」
 善場「あんなクソ女の言う事、真に受けてはなりません」
 高橋「く、クソ女……!?」

 善場主任、高野君のことは大嫌いのようで、彼女のこととなると、途端に口と態度が悪くなるのだ。

 主任研究員「あ、あの……そろそろ次の検査に入っても宜しいでしょうか?」
 リサ「あ、はい」
 善場「はい、結構です」
 主任研究員「それでは愛原さんは検尿、善場さんは身体測定をお願いします」
 善場「承知しました」
 リサ「え……検尿?」
 愛原「健康診断ではベタな法則だな」
 リサ「皆の見ている前で放尿しろって?」
 主任研究員「は?」
 愛原「リサ!アンブレラの実験じゃない!」

 日本アンブレラの実験は、それはもう非人道的なものだった。

 主任研究員「ちゃんと、トイレでしてもらいますよ?」
 リサ「ガラス張りの?」
 主任研究員「普通のトイレですよ?」
 リサ「…………」

 それでもリサは不信そうだった。
 検尿の紙コップを渡され、トイレへ案内される。
 しばらくして……。

 愛原「どうだった?」
 リサ「普通のトイレだった。誰も見てなかった」
 愛原「だろう?これが普通さ」
 リサ「わたしのオシッコ見られるんだ。先生にも見せたことないのに。……あ、まだ『1番』のマーキングの上書きをしてなかったね?今度、オシッコしたくなったら、上書きするね?」
 愛原「しなくていい!」

[同日13時00分 天候:不明 同施設・食堂]

 12時から13時の間はここの職員が使用するので、私達はその後の食堂利用となった。
 地下深くにあるからか、研究施設内にも食堂はある。
 但し、火災予防の為か、厨房は無い。
 実は真上には本館の食堂があって、そこの厨房で作られた料理が、専用のエレベーターで運ばれるという仕組みである。

 愛原「お昼は唐揚げ定食か」
 高橋「腹減りましたねぇ……」

 御ひつにご飯と、みそ汁の入った鍋も一緒であり、自分でよそおう所は研修センターの合宿所っぽい。

 リサ「いただきまーす」

 午後も検査がある為、彼女達はまだ検査着のままである。

 高橋「こら!おひつごと食うなっ!」
 リサ「えー?これ、1食分じゃないの?」
 愛原「1食分じゃねーよ!」
 善場「リサ、はしたないですよ?」
 高橋「先生、俺がよそおいますね!」
 愛原「まずは善場主任のをよそって差し上げろ!」
 善場「あ、結構です。自分でやりますので」
 愛原「そ、そうですか?」

 こうして、昼食が始まる。

 愛原「それにしても、検査前とか検査中は絶食というイメージがあるのに、実際は違うんですね?」
 善場「人間の健康診断、人間ドックとは違うのですよ。メインは……体内のウィルスの状態、並びにその影響を調べることですね」
 愛原「なるほど……。何か、やってることが普通の健康診断っぽいから、誤解しちゃいますね」
 善場「アンブレラの研究施設なら、こんなまだるっこしいことしないで、直に検査するのでしょうがね」
 愛原「直に検査?」
 善場「これ以上は、食事が不味くなる話ですので……。まあ、要するに、リサ達が受けてきた内容のようなものですよ」
 愛原「なるほど……」

 人間ドックはあくまでも、オブラートに包む為のものか。
 善場主任は大人だから、多少キツくても我慢できるだろうが、リサはな……。

[同日14時00分 天候:不明 同施設]

 食事をタップリ食べたリサ。
 今度は大きい方をしたくなったそうだが……。

 主任研究員「それはちょうど良かった。それでは愛原さんは、検便をお願いします。善場さんは、採血です」
 善場「分かりました」
 リサ「け、検便……」
 愛原「大丈夫だろ。便のごく一部を採取するだけだ」
 善場「愛原所長、人間の健康診断とは違いますよ?」
 愛原「え……?」
 主任研究員「お手洗いはこちらです」
 リサ「さっきの場所じゃないの?」
 主任研究員「ええ。今度は、違う場所です」

 心配なので、私達もついていく。

 主任研究員「こちらです」
 リサ「和式じゃん!ヤダ!」
 愛原「でもまあ、確かに和式の方が採取はしやすいよな。採取するキットはどこに?」
 主任研究員「いえ、その心配には及びません。この検査では、便の中に含まれているウィルスと寄生虫、その他何か含まれてないかをチェックするのが目的です。従いまして、便全てを採取します。この便器に出された便は、検査場に落ちる仕組みになっております」
 リサ「アンブレラの研究所と同じじゃん!」
 主任研究員「別に、用を足す所の観察とかまではしませんよ?」

 ここの研究員達は一応、アンブレラがどんな研究をしていたのかを把握しているようだ。

 愛原「確かにガラス張りになっていたり、カメラが仕掛けられているわけではない。普通の和式トイレだ。リサ、ここは我慢して頑張って」
 リサ「うう……」
 高橋「おう、リサ!先生の御命令だぞ!?」
 リサ「わ、分かったよ……」
 高橋「オメー、先生にションベン引っ掛けてやるってことは、ションベンする所、先生に見られるってことだぞ?」
 リサ「そうだよ!」
 高橋「ウ○○はダメってか?」
 リサ「ヤダよ!そんなの、どのリサ・トレヴァーもやってないよ!」
 高橋「先生の御命令なら?『俺の見ている前で、ウ○○しろ』って」
 リサ「そ、それは……。せ、先生の命令なら……。恥ずかしいけど……」
 主任研究員「あのー、そろそろ宜しいでしょうか?」
 愛原「そんな命令しないから、さっさと行けっ!」

 全くもう!
 読者に誤解されるだろうが!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする