[期日不明 時刻不明 天候:不明 場所不明(どこかの日本屋敷内?)]
こ、ここはどこだ?
そして、私はどうしてここにいる?
???「やっと戻って来たか。ヤドロクめ」
だ、誰だ?
私の前に現れ、赤い瞳を光らせ、牙を剥き出しにして睨みつける着物姿の女。
それに私は見覚えがあった。
やけに大人の体型をしているが、それは……。
愛原「り、リサなのか!?」
すらりとした体型に、胸も大きく、顔立ちも大人びている。
それに対して、私の手は随分と老けてしまっている。
これはもしかして……未来の世界!?
リサ(36歳):「頭(こうべ)を垂れてつくばえ。平伏せよ」
私は反射的に、そうした。
そうしないといけない威圧感が、リサから放たれている。
と、その時私は、自分の左手の薬指に指輪がされていることに気が付いた。
ふと顔を上げると、リサの左手の薬指にも指輪がはめられている。
これは、もしかして……?
リサ(36歳):「また長い物を佐川急便が配達してきたが、最近回数が減ったゴルフクラブか、棚に並び切れなくなってきている釣り竿か、それとも1年間家事を頑張って来た妻への御褒美か、答えろ」
やはり、リサは私の妻!?
てか、リサのヤツ、人間に戻れなかったのか!?
まずは人間に戻ってから、という前提だったはずだが……。
未来の私、どうなってる!?
リサ(36歳):「毎週末、当たり前のように釣りに行きやがって!オマエの本業は漁師か?答えろ!」
愛原(アラカン):「でも、『新鮮な魚が食べられて嬉しい』って……。『ゴルフはお土産が無いから、釣りの方が……』って……」
リサ(36歳):「まず、聞かれたことに答えろ。オマエの本業は漁師か?私は探偵じゃなくて、漁師の妻なのか?答えろ!」
愛原(アラカン):「ち、違います!違います!本業は……本業はもちろん探偵です!」
リサ(36歳):「黙れ!何も違わない。私は何も間違えない。それに……新鮮な魚が食べられる?私は魚じゃなくて、肉が好きだということを忘れたのか?では、聞くが……そのマダイ1匹に費やした費用はいくらだ?言っておくが、乗船料だけで逃げるなよ?竿、リール、餌は元より、交通費、防寒着、果てにはオマエの部屋の保管用冷凍庫までだ。重たいカツオを釣り上げ過ぎては肘を痛め、仕事で痛めたと嘘をついて家計から出費したバンテリンと湿布、肘用サポーターまで入れて計算しろ!」
リサの背中から赤黒い触手が何本も伸びて、着物の隙間から飛び出し、私に絡みついてこようとする。
ダメだ!逃げられない!
[10月15日06時00分 天候:曇 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子駅北口・7F客室]
愛原「うーん……うーん……!リサ様……リサ様……ごめんなさい……ごめんなさい……」
高橋「先生!?先生!?しっかりしてください!」
愛原「……はっ!?」
高橋「大丈夫ですか、先生!?どんな怖い夢を!?」
愛原「う、うん……俺が悪いんだ。未来の俺が、嫁さんをほったからしにして、釣りに行ったりしたから……」
高橋「“釣りバカ日誌”のハマちゃんですか!?」
愛原「……何でオマエ、そんな古いマンガ知ってるんだよ?……と、とにかく、夢で良かった……」
高橋「は、はい!あ、安心してください。現実ですよ」
私はバスルームの洗面所に行って、顔を洗うことにした。
[同日06時30分 天候:晴 同ホテル1Fロビー]
30分後、私はリサや高橋を伴って、朝食会場に向かった。
東横インでは1Fのロビーが朝食会場となる。
スタッフ「おはようございます!」
高橋「うっス!」
愛原「おはようございます……」
リサ「おはようございます……」
高橋「な、何か2人とも、テンション低くないっスか!?」
愛原「うーん……」
リサ「うーん……」
取りあえず、バイキング形式の朝食を取る。
愛原「リサ、今日は少ないな……」
高橋「いや、それでも俺達より一番多いっスよ!?」
リサ「ちょ、ちょっと食欲が……」
愛原「ぐ、偶然だな。俺もなんだ……」
高橋「ま、まさか先生!?昨夜のステーキが当たったとか?!」
愛原「いや、そういうことじゃない。別に、腹具合は何とも無い」
リサ「そうなの。ただ、ちょっとメンタルが……」
高橋「メンタルぅ!?」
私達は空いているテーブルに座った。
愛原「ちょ、ちょっと鬼嫁のリサに厳しい尋問を受けて……」
リサ「わ、私も旦那様になってくれた愛原先生から、浮気を疑われて……えっ!?」
愛原「ん!?」
どうやら、リサもリサで、似たような夢を見たらしいぞ?
聞くと、やっぱり20年後くらいの未来の夢で、リサの夢でも、私はリサと結婚しているらしい。
しかし、リサの夢の中の私は、人間を辞めたBOWと化し、パワハラ&モラハラ夫と化していたという。
夜遅くに帰って来たリサを私は拷問に掛け……。
リサ「わたしに【ぴー】したり、【ぴー】したり、【ぴー】してきたりしたの」
愛原「こ、こら!こういう公共の場ではそういうことを言っちゃダメ!」
高橋「こんな化け物に拷問を掛けるとは、さすが先生です!BSAAや善場のねーちゃんも真っ青ですね!」
愛原「俺は逆に、人間に戻れなかったリサと結婚した世界線の未来を見させられたがな……」
リサ「で、でも、結局はわたしと先生、結婚するってことだね。……べ、別に先生になら鞭でお尻を叩かれてもいいんだけど、お手柔らかにね?」
愛原「お、俺も1人で釣りに行ったりはしない!」
高橋「サイアクの未来っスね!」
唯一ハブかれた高橋が、吐き捨てるように言った。
愛原「と、とにかくあれだ。8時台の電車で行くから、7時半にはホテルをチェックアウトするぞ?」
高橋「分かりました」
リサ「り、了解……!」
高橋「8時台の電車って、高尾乗り換えですか?」
愛原「違う。その高尾から先へ直通する電車があるんだ。あれなら、乗り換え無しで行ける。多分、前にも乗ったことあるぞ?」
高橋「ああ、確かにそうっスね」
私にしろ、リサにしろ、とんでもない夢を見たものだ。
枕が変わったからだろうか?
こ、ここはどこだ?
そして、私はどうしてここにいる?
???「やっと戻って来たか。ヤドロクめ」
だ、誰だ?
私の前に現れ、赤い瞳を光らせ、牙を剥き出しにして睨みつける着物姿の女。
それに私は見覚えがあった。
やけに大人の体型をしているが、それは……。
愛原「り、リサなのか!?」
すらりとした体型に、胸も大きく、顔立ちも大人びている。
それに対して、私の手は随分と老けてしまっている。
これはもしかして……未来の世界!?
リサ(36歳):「頭(こうべ)を垂れてつくばえ。平伏せよ」
私は反射的に、そうした。
そうしないといけない威圧感が、リサから放たれている。
と、その時私は、自分の左手の薬指に指輪がされていることに気が付いた。
ふと顔を上げると、リサの左手の薬指にも指輪がはめられている。
これは、もしかして……?
リサ(36歳):「また長い物を佐川急便が配達してきたが、最近回数が減ったゴルフクラブか、棚に並び切れなくなってきている釣り竿か、それとも1年間家事を頑張って来た妻への御褒美か、答えろ」
やはり、リサは私の妻!?
てか、リサのヤツ、人間に戻れなかったのか!?
まずは人間に戻ってから、という前提だったはずだが……。
未来の私、どうなってる!?
リサ(36歳):「毎週末、当たり前のように釣りに行きやがって!オマエの本業は漁師か?答えろ!」
愛原(アラカン):「でも、『新鮮な魚が食べられて嬉しい』って……。『ゴルフはお土産が無いから、釣りの方が……』って……」
リサ(36歳):「まず、聞かれたことに答えろ。オマエの本業は漁師か?私は探偵じゃなくて、漁師の妻なのか?答えろ!」
愛原(アラカン):「ち、違います!違います!本業は……本業はもちろん探偵です!」
リサ(36歳):「黙れ!何も違わない。私は何も間違えない。それに……新鮮な魚が食べられる?私は魚じゃなくて、肉が好きだということを忘れたのか?では、聞くが……そのマダイ1匹に費やした費用はいくらだ?言っておくが、乗船料だけで逃げるなよ?竿、リール、餌は元より、交通費、防寒着、果てにはオマエの部屋の保管用冷凍庫までだ。重たいカツオを釣り上げ過ぎては肘を痛め、仕事で痛めたと嘘をついて家計から出費したバンテリンと湿布、肘用サポーターまで入れて計算しろ!」
リサの背中から赤黒い触手が何本も伸びて、着物の隙間から飛び出し、私に絡みついてこようとする。
ダメだ!逃げられない!
[10月15日06時00分 天候:曇 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子駅北口・7F客室]
愛原「うーん……うーん……!リサ様……リサ様……ごめんなさい……ごめんなさい……」
高橋「先生!?先生!?しっかりしてください!」
愛原「……はっ!?」
高橋「大丈夫ですか、先生!?どんな怖い夢を!?」
愛原「う、うん……俺が悪いんだ。未来の俺が、嫁さんをほったからしにして、釣りに行ったりしたから……」
高橋「“釣りバカ日誌”のハマちゃんですか!?」
愛原「……何でオマエ、そんな古いマンガ知ってるんだよ?……と、とにかく、夢で良かった……」
高橋「は、はい!あ、安心してください。現実ですよ」
私はバスルームの洗面所に行って、顔を洗うことにした。
[同日06時30分 天候:晴 同ホテル1Fロビー]
30分後、私はリサや高橋を伴って、朝食会場に向かった。
東横インでは1Fのロビーが朝食会場となる。
スタッフ「おはようございます!」
高橋「うっス!」
愛原「おはようございます……」
リサ「おはようございます……」
高橋「な、何か2人とも、テンション低くないっスか!?」
愛原「うーん……」
リサ「うーん……」
取りあえず、バイキング形式の朝食を取る。
愛原「リサ、今日は少ないな……」
高橋「いや、それでも俺達より一番多いっスよ!?」
リサ「ちょ、ちょっと食欲が……」
愛原「ぐ、偶然だな。俺もなんだ……」
高橋「ま、まさか先生!?昨夜のステーキが当たったとか?!」
愛原「いや、そういうことじゃない。別に、腹具合は何とも無い」
リサ「そうなの。ただ、ちょっとメンタルが……」
高橋「メンタルぅ!?」
私達は空いているテーブルに座った。
愛原「ちょ、ちょっと鬼嫁のリサに厳しい尋問を受けて……」
リサ「わ、私も旦那様になってくれた愛原先生から、浮気を疑われて……えっ!?」
愛原「ん!?」
どうやら、リサもリサで、似たような夢を見たらしいぞ?
聞くと、やっぱり20年後くらいの未来の夢で、リサの夢でも、私はリサと結婚しているらしい。
しかし、リサの夢の中の私は、人間を辞めたBOWと化し、パワハラ&モラハラ夫と化していたという。
夜遅くに帰って来たリサを私は拷問に掛け……。
リサ「わたしに【ぴー】したり、【ぴー】したり、【ぴー】してきたりしたの」
愛原「こ、こら!こういう公共の場ではそういうことを言っちゃダメ!」
高橋「こんな化け物に拷問を掛けるとは、さすが先生です!BSAAや善場のねーちゃんも真っ青ですね!」
愛原「俺は逆に、人間に戻れなかったリサと結婚した世界線の未来を見させられたがな……」
リサ「で、でも、結局はわたしと先生、結婚するってことだね。……べ、別に先生になら鞭でお尻を叩かれてもいいんだけど、お手柔らかにね?」
愛原「お、俺も1人で釣りに行ったりはしない!」
高橋「サイアクの未来っスね!」
唯一ハブかれた高橋が、吐き捨てるように言った。
愛原「と、とにかくあれだ。8時台の電車で行くから、7時半にはホテルをチェックアウトするぞ?」
高橋「分かりました」
リサ「り、了解……!」
高橋「8時台の電車って、高尾乗り換えですか?」
愛原「違う。その高尾から先へ直通する電車があるんだ。あれなら、乗り換え無しで行ける。多分、前にも乗ったことあるぞ?」
高橋「ああ、確かにそうっスね」
私にしろ、リサにしろ、とんでもない夢を見たものだ。
枕が変わったからだろうか?