報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「寄り道の温泉」

2023-02-20 21:14:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月16日15時03分 天候:晴 東京都八王子市高尾町 京王電鉄高尾山口駅→京王高尾山温泉]

〔「ご乗車ありがとうございました。高尾山口、高尾山口、終点です。車内にお忘れ物の無いよう、お降りください。……」〕

 

 私達はJR高尾駅で電車を降りると、今度は京王電車に乗り換えた。
 しかし、新宿方面ではなく、高尾山口方面。
 因みに、『たかおさんぐち』と呼ぶ。
 『たかおやまぐち』ではない。

 高橋「何スか、先生?今から山登りっスか?」
 愛原「違う違う。温泉だよ」
 高橋「温泉?そりゃまあ、こんな山奥なら、温泉の1つでもありそうですけどね……」
 愛原「まあ、黙ってついてこい」

 電車を降りてから、階段を下り、改札口を出る。

 愛原「ほら、ここだよ」
 高橋「近っ!」

 駅に隣接するような形で、温泉施設がある。
 名前を『京王高尾山温泉』という。
 実は日帰り温泉チェーンの極楽湯なのだが、ここは京王がフランチャイズでやっている所なのである。

 

 愛原「ここで疲れを癒してから帰ろうよ」
 高橋「さすがは先生です」
 愛原「実は電車の中から見えたんだぞ」
 高橋「え?そうなんスか?」
 愛原「まあ、反対側のドアが開いたから分かんなかったかもしれないな。ほら、券は俺が買ってやる」
 高橋「ありがとうございます」
 愛原「リサもゆっくり入ってこいよ」
 リサ「……うん、分かった」

 リサは、『温泉になど入らなくても、BOWはすぐに回復する』とでも言いたかったのだろうが、私の厚意を素直に受けるつもりになったようだ。

 リサ「混浴?」
 愛原「ンなわけない」
 高橋「先生の御背中は、俺が流して差し上げるから、オメーは安心しろ」
 リサ「ぶー……」

 館内に入ると、まずは靴を脱いで靴箱に入れる。
 もちろん、鍵が掛かる。
 あとは券売機で、必要な券を買えば良い。
 尚、京王の運営らしく、館内には高尾山口駅の発車標なんかもある。

 愛原「17時15分発の“Mt.TAKAO”6号で帰るからな」
 高橋「結構、ゆっくりですね」
 愛原「まあな」
 高橋「あれも予約制ですか?」
 愛原「もち」

 私はスマホを見せた。
 今はスマホで、座席予約なんかもできてしまう。

 高橋「さすがは先生です」
 愛原「鉄道ミステリーなら、解けてしまえそうだよ」
 高橋「頼もしいです!」
 愛原「というわけで、ゆっくり入ろうや」
 リサ「お兄ちゃんは、LGBTのGなんだよね?」
 高橋「Bだよ」
 愛原「嘘つけ、Gだろうが!……それがどうかしたのか?」
 リサ「私もTのつもりで、今は男……」
 愛原「無理だ!」
 高橋「体がどうなのかの問題だ!中身は関係無ェ!」

 ……のはずなのだが、数ヶ月後の未来が……。

 リサ「それじゃ、また」
 愛原「ああ」

 私と高橋はタオルなどもレンタルすると、男湯に向かった。

 高橋「あんな化け物と混浴なんて、フザけてますよね?」
 愛原「そんなこと言ったら、今の女湯の人達が大変だよ。それに、プールくらいなら一緒に入ったことがあるだろう?」
 高橋「まあ、プールは水着っスから……」

 私と高橋は観光客で賑わう大浴場に入った。

 愛原「まずは体を洗ってからだが……」
 高橋「お任せあれ!この不肖の弟子、高橋正義が!あ、愛原大先生のォ~!あ!お背中をォ~お!お流し奉り候~也~ィ~ッ!」
 愛原「何でそこだけ歌舞伎っぽくなるんだよ?」
 高橋「そんなこと言いっこ無し!さ、先生!こちらへどうぞ!」

 高橋は空いている洗い場に、私を座らせた。

 高橋「先生の御背中を、この手で洗うことは何と恐れ多い!」
 愛原「じゃ、何で洗うんだよ?」
 高橋「俺のナニで洗って差し上げます!」

 高橋、自分のチ○○にボディソープを塗りたくる。

 愛原「やめろや!気持ち悪い!てか、何で少し起ってんだよ!?」
 高橋「先生の御背中を流せるこの喜びを、下半身で感じているのッス!」
 愛原「全身じゃねーのかよ。とにかく、俺の背中はタオルで洗うこと!それ以外は禁止!」
 高橋「分かりました!」

 高橋、自分のタオルをチ○○に巻き付ける。

 高橋「では、失礼致します!」
 愛原「待てや、コラ!」
 高橋「は?ちゃんとタオルを使いますよ?」
 愛原「そこじゃねぇ!俺はLGBTでも何でもねぇんだから、オマエのチ○○には興味無ェんだ!普通に手で洗え!」
 高橋「分かりました。ノーマルの先生には、どノーマルの洗い方でってことですね……」
 愛原「そういうことだ」

 高橋、ようやくタオルを手に持って、それで私の背中を洗い始めた。

 愛原「ったく。こんなんだったら、まだリサのオッパイで洗ってもらった方がいいよ……」
 高橋「は?!」
 愛原「え?……あっ!」
 高橋「何言ってんてすか、先生!?あんな人食い化け物のオッパイがいいだなんて!?リサに何をされました!?」

 しまったーっ!
 つい、本音と感想がポロッと口から出てしまったーっ!

 愛原「い、いや、俺はノーマルな男だ。男のチ○○で洗ってもらうくらいなら、まだリサのオッパイの方がマシだという意味だ。あれでも、見た目は人間の女の子なんだからな?」
 高橋「先生、人を見た目で判断してはいけません!」
 愛原「いや、イケメンとして見た目で人生得してるお前が何を言う?」
 高橋「俺だってね、先生!好きでイケメンに生まれたわけじゃないんですよ!?」
 愛原「だからそのセリフ、全国のブサメンを敵に回すからやめろって」

 悪意が無いだけに、余計タチが悪い。

 愛原「とにかく、性的にはノーマルの俺は、同じ男のオマエよりは性別女のリサの方を選ぶってだけの話だ」
 高橋「そんなぁ……!」
 愛原「いや、それが普通だって。……泣くなよ」
 高橋「先生のそのお言葉、LGBT法案が可決されたら、ヘイトスピーチになるので気をつけてください」
 愛原「なにシレッと脅し掛けてんだよ!……ほら、体洗ったら、さっさと露天風呂に行くぞ」
 高橋「いきなりの露天風呂っスか?」
 愛原「こういう所は、露天風呂に入ってナンボだろ?」
 高橋「お供します!」
 愛原「ああ、付いてこい」

 こいつらといると退屈しないのだが、度を超すと疲れるな……。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする