報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「リサを救出せよ」

2021-01-11 23:13:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月13日19:30.天候:不明 栃木県日光市某所 旧・日本アンブレラ地下実験場]

 リサを捜すタイラント。
 しかし私達とは手を組みたくないようだ。

 ウーズA:「アァア……!」
 ウーズB:「ウゥウ……!」

 タイラントの後ろを付いて行きながらも、実験場内に放たれたウーズという水性クリーチャーが私達を襲う。
 投与されたウィルスが違うからなのか、ウーズ達はタイラントをも敵と見做して襲おうとする。
 が、ウーズは所詮ザコ。
 それに対してタイラントは如何に旧型BOWとはいえ、20世紀最大のラスボスBOW。
 ウーズが勝てるわけが無かった。
 なので私達は前から来るウーズに対しては、何の苦労も無かった。
 タイラントはウーズの頭を引きちぎったり、手足をもぎ取ったりした。
 頭を引きちぎられたウーズはそれで死んだが、手足をもがれたくらいでは死なず、それでも私達に向かってこようとしたので、これだけは私達が銃で止めを刺しておいた。
 タイラントは教室や特別教室を1つ1つ覗き込んではリサを捜したが、リサはどこにもいなかった。

 愛原:「リサぁ!どこにいるんだー!?」

 私達も声を張り上げてリサを捜す。
 まさかリサのことだから、あんなザコクリーチャーにやられたとは思えない。
 手の化け物には危うく捕まってしまったが、ウーズは化け物でも、人型クリーチャー。
 特に変化などはしないらしく、それならやはりリサの敵ではないはずだ。

 愛原:「ショットガンの弾発見……。この実験施設、何で所々に弾薬が落ちてるんだ?」
 高橋:「先生、C-4までありますよ」
 愛原:「何だこれ?」
 高橋:「プラスチック爆弾の一種っス」
 愛原:「あれか?USSかUBCSの訓練場か何かだったのか?」

 USSとはアンブレラ直営の警備会社のこと。
 アメリカでは警備会社であっても許可を取れば銃を装備できるし、警察みたいな捜査権を得ることもできる。
 UBCSとはアンブレラ直営の軍事組織。
 尚、日本にはUSSしか存在しなかったが、厳しい警備業法に管理された為、日本では殆ど普通の警備会社として存在していたという。
 もっとも、元々日本アンブレラはアンブレラグループの中では闇ではなく、光の部分を司る役割を担っていた。
 つまり、ただの製薬会社の1つという仮面役であった……はずなのだが、蓋を開けてみれば、やっぱり闇の製薬会社だったのである。

 高橋:「あー、なるほど」

 タイラントは階段を下りて、最下層まで行った。
 階段はそこで終わっていて、その先はコンクリートの壁に覆われている。

 タイラント:「ガァッ!ウガッ!!」

 タイラントはその壁に向かって拳や蹴りを入れている。
 リサが見つからなくて苛立っているのだろう。
 力自慢のタイラントでさえ、分厚いコンクリート壁に対しては破壊できないでいる。
 早くリサを見つけないと、タイラントに八つ当たりされてしまう。

 タイラント:「リサ様……」
 愛原:「!?」

 タイラントはリサの名前を呟いて、コンクリート壁を叩いている。

 愛原:「! タイラント!もしかして、この奥にリサがいるというのか!?」
 タイラント:「ウガァーッ!」

 私に話し掛けられたことで苛立ちが更に募ったか、私に向かって手を横に振った。

 愛原:「おっと!」

 しかし私はそれを何とか避けた。

 高橋:「先生!こいつを!」

 その時、高橋がC-4プラスチック爆弾を取り出した。
 これだ!
 これであの壁をぶっ壊せばいい!
 しかし……。

 タイラント:「ウガッ!ウガァーッ!!」

 まずはそれを設置する為に、タイラントに退いてもらわないといけない。

 愛原:「タイラント、俺達がそこの壁を壊すから、ちょっと退いてくれない?」
 タイラント:「!!!」

 タイラントはついにキレたのか、私を睨み付けるとスッと立ちあがり、私に向かって右手の拳を振り上げた。

 高橋:「先生!目と耳を塞いで!!」

 高橋がそう言うと、私は咄嗟にそうした。
 直後に眩い閃光とキーンとした音が響く。
 高橋がタイラントに向かって閃光手榴弾を放ったのだ。

 タイラント:「ガァァァァッ!!」

 閃光手榴弾をまともに食らったタイラントは頭を抱えてしゃがみ込んだ。

 愛原:「今だ!」

 私は高橋から受け取ったプラスチック爆弾を壁に仕掛けると、信管のスイッチを押した。
 それは時限式で、スイッチを入れると10秒でカウントダウンが始まった。

 高橋:「先生、こっちに!」
 愛原:「おう!」

 私達は廊下の柱の陰に隠れた。
 タイラントはまだ朦朧としていて避難できていないが、しょうがない。
 果たして、プラスチック爆弾は10秒で爆発した。

 タイラント:「グワァァッ!!」

 爆発に巻き込まれたタイラントは数メートル吹き飛ばされて、床に叩き付けられた。
 多分それで死んだとは思えない。
 だが、床に突っ伏したまま動かなかった。

 愛原:「すまんな!後でリサにキスの1つでもさせるから堪忍してくれ!」
 高橋:「先生!やっぱり壁の奥、階段がありますよ!」
 愛原:「やっぱりか!さっさと行くぞ!タイラントが目を覚ます前に!」
 高橋:「はい!」

 私達は階段を駆け下りた。
 その先には鉄扉があり、それを開けると更に下に続いていた。

 

 愛原:「どこまで行くんだ!?」

 因みにドアを閉めると、私は内鍵を閉めた。
 一応、タイラントが入って来れないようにした。
 リサが命令すれば大人しくしてくれるだろうが、本当にこの先にリサがいるかどうかわからないので。

 

 愛原:「ん?あれか?」

 階段を下りると、もう1つドアがあった。
 こちらには鍵は付いていない。
 それを開けると、広い実験施設に辿り着いた。

 愛原:「リサ!」

 いくつか空のポッドがあったが、そのうちの1つにリサが入れられていた。
 リサは意識が無く、ポッド内の壁にもたれるようにして座り込んでいた。

 愛原:「待ってろ、リサ!今助けてやるからな!」

 私がリサの入ったポッドに向かおうとした。
 すると、どこからともなく手を叩く音が聞こえて来た。
 リサではない。
 それでは誰だ!?

 高橋:「先生!あれを!」

 高橋が指さした所を見ると、そこにいたのは……。
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