[12月13日10:00.天候:曇 栃木県日光市某所 東京中央学園栃木合宿所]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は仕事で木造校舎の中を歩いている。
中を歩いてみて、早速変だと思ったことがある。
この建物は当初、学校として建てられたと聞いた。
なので、内部が学校のようになっているのは当然のことだ。
しかしそれが廃校となり、その後は日本アンブレラが買い取ったのだという。
それがどのような用途で買い取ったのかは不明だが、少なくとも内部はかなり改装されているものと見て間違い無いだろう。
確かに教室だった場所は、その面影を残して改装されている。
昔ながらの木製の引き戸は、アルミ製の引き戸に換えられているし、窓もそうである。
所々改装されている辺りは想定内だ。
私が想定外だと思ったのは、かつての学校の面影すら残さず、それこそ建て直す勢いで大改築・大改装したものだと思っていた。
しかし実際来てみればどうだ?
殆ど初期の面影を残したままではないか。
研究所として使うには学校としての施設そのままでは、何かと不都合だろう。
買い取った後は都合の良いように改装するだろうに、それを申し訳程度にしかやっていないのだ。
現に廊下など、未だに木の板のままである。
資料では、『東京中央学園が買い取った後、更に改築・改装した』とある。
だが、合宿所としての用途に造られているのは東京中央学園の手によってであって、日本アンブレラが手を加えた所がどこかも分からないのだ。
高橋:「先生、ここの便所って使えるんスかね?」
高橋は途中にあった男子トイレを覗いてみた。
東京中央学園墨田中学校も歴史ある校舎なので、トイレの設備などに老朽化が見られるものの、ここまで古くは無い。
何というか……。
昭和時代の木造校舎って、水洗トイレだったのかな?
私は木造校舎の学校に通ったことなど無いので、さっぱり分からない。
それを一応、水洗トイレに改装したという程度なのだ。
天井を見れば、電球式の照明が4つしか付いていない。
教室だった宿泊施設は蛍光灯だが。
愛原:「分からん」
リサ:「さっきの管理人さんに聞けば分かるかもよ?」
愛原:「それもそうだが、俺達は別にトイレの探索に来たんじゃない」
因みに一応女子トイレも覗いて見るが、基本的な古さと改築具合は変わらなかった。
リサ:「私がこの仮面を着けて、奥から2番目の個室に潜んでたら、みんな驚くかな?」
リサは白い仮面をバッグから取り出して言った。
愛原:「新たな学校の怪談の誕生だな」
リサは霧生市の研究所では、『トイレの花子さん』に扮していたのだ。
愛原:「それにしても、どうして『トイレの花子さん』だったんだ?」
リサ:「あの時はまだ先生達がどんな人達なのか知らなかったし、リサ・トレヴァーとしていきなり現れるのもどうかと思ったから。タイラント君がよく働いてくれたから、私は脅かすだけでいいだろうって思った」
愛原:「そうだったのか。で、どうして『トイレの花子さん』?」
リサ:「たまたま読んでた本が、学校の怪談のヤツだったから」
愛原:「それかよ」
リサ:「『花子さんは女子トイレの奥から2番目の個室にいるが、時たま別の個室に潜んでいることもある。セーラー服におかっぱ頭、白い仮面を着けている』ってね」
愛原:「まんまリサのことだな」
高橋:「でも何だか、本物の『花子さん』が潜んでそうな勢いですね」
愛原:「その時は、こっちの『花子さん』に対応してもらうよ」
『トイレの花子さん』の正体はトイレ関係の妖怪であるとされることもあるが、多くは幽霊であるという。
ホラーゲーム“学校であった怖い話”では、イジメ被害を苦に自殺した女子生徒の幽霊であるとされる。
愛原:「……リサ、幽霊相手に戦えるか?」
リサ:「幽霊ってなに?」
愛原:「実体の無い、こう……何て言うんだ?」
リサ:「私の爪や牙が効かないと無理だよ?」
愛原:「だよなぁ……」
そんなことを話しているうちに、校舎反対側に到着する。
そこにはもう1つ階段があって、しかも地下に下りる階段もあった。
しかし今はバリケードがされていて、行けないようになっている。
高橋:「この程度じゃ、クソガキはバリケードを退かして入っちゃいますよ」
愛原:「だろうな」
私達もそうする。
もちろん、私達の場合はちゃんと許可を得ている。
一応、階段の照明スイッチを点けると、下の方も照明が点いた。
よし、まだ懐中電灯は要らないな。
私達は階段を下りた。
愛原:「あれ?」
高橋:「どうしました、先生?」
愛原:‘「この階段だけコンクリート製だぞ?」
高橋:「本当ですね」
因みに上に行く方は、相変わらずの木の板である。
高橋:「先生。確か仙台の時も、こんな感じじゃなかったでしたか?」
愛原:「! そうだ!そうだよ!」
仙台市郊外にも廃校になった木造校舎があった。
しかしその地下は日本アンブレラの秘密研究所になっていて、そこに『2番』であるリサと、暴走して完全に巨大な化け物と化し、最終的にはBSAAに倒された『4番』がいたのだ。
愛原:「するとやっぱり、ここの地下にも日本アンブレラの秘密研究所があるのかもしれないな」
私達は慎重に階段を下りた。
愛原:「そういえば、どうしてリサは仙台の地下秘密研究所にいたんだ?霧生市で別れてから、政府機関に保護されてただろ?」
リサ:「もう嫌だったの。私のこと、研究所に閉じ込めて研究されるの。だから逃げた。逃げたんだけど捕まって、あの研究所に閉じ込められたの」
愛原:「それが五十嵐元社長か!」
これでようやく繋がったな。
すっきりしたところで、地下1階に到着する。
仙台の時と同じ、鉄扉があった。
鉄扉には『倉庫』と書いてある。
だが、そんなものはカムフラージュだ。
私は管理人から預かった鍵を使ってドアを開けた。
そこにあったのは……?
1:やっぱり倉庫で、物が雑多に置かれていた。
2:既に研究施設になっており、大きなカプセルや水槽などが放置されていた。
3:死体置き場になっていて、白骨死体が何体も放置されていた。
4:何やら強い薬品の臭いが襲って来た。
5:何も無かった。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は仕事で木造校舎の中を歩いている。
中を歩いてみて、早速変だと思ったことがある。
この建物は当初、学校として建てられたと聞いた。
なので、内部が学校のようになっているのは当然のことだ。
しかしそれが廃校となり、その後は日本アンブレラが買い取ったのだという。
それがどのような用途で買い取ったのかは不明だが、少なくとも内部はかなり改装されているものと見て間違い無いだろう。
確かに教室だった場所は、その面影を残して改装されている。
昔ながらの木製の引き戸は、アルミ製の引き戸に換えられているし、窓もそうである。
所々改装されている辺りは想定内だ。
私が想定外だと思ったのは、かつての学校の面影すら残さず、それこそ建て直す勢いで大改築・大改装したものだと思っていた。
しかし実際来てみればどうだ?
殆ど初期の面影を残したままではないか。
研究所として使うには学校としての施設そのままでは、何かと不都合だろう。
買い取った後は都合の良いように改装するだろうに、それを申し訳程度にしかやっていないのだ。
現に廊下など、未だに木の板のままである。
資料では、『東京中央学園が買い取った後、更に改築・改装した』とある。
だが、合宿所としての用途に造られているのは東京中央学園の手によってであって、日本アンブレラが手を加えた所がどこかも分からないのだ。
高橋:「先生、ここの便所って使えるんスかね?」
高橋は途中にあった男子トイレを覗いてみた。
東京中央学園墨田中学校も歴史ある校舎なので、トイレの設備などに老朽化が見られるものの、ここまで古くは無い。
何というか……。
昭和時代の木造校舎って、水洗トイレだったのかな?
私は木造校舎の学校に通ったことなど無いので、さっぱり分からない。
それを一応、水洗トイレに改装したという程度なのだ。
天井を見れば、電球式の照明が4つしか付いていない。
教室だった宿泊施設は蛍光灯だが。
愛原:「分からん」
リサ:「さっきの管理人さんに聞けば分かるかもよ?」
愛原:「それもそうだが、俺達は別にトイレの探索に来たんじゃない」
因みに一応女子トイレも覗いて見るが、基本的な古さと改築具合は変わらなかった。
リサ:「私がこの仮面を着けて、奥から2番目の個室に潜んでたら、みんな驚くかな?」
リサは白い仮面をバッグから取り出して言った。
愛原:「新たな学校の怪談の誕生だな」
リサは霧生市の研究所では、『トイレの花子さん』に扮していたのだ。
愛原:「それにしても、どうして『トイレの花子さん』だったんだ?」
リサ:「あの時はまだ先生達がどんな人達なのか知らなかったし、リサ・トレヴァーとしていきなり現れるのもどうかと思ったから。タイラント君がよく働いてくれたから、私は脅かすだけでいいだろうって思った」
愛原:「そうだったのか。で、どうして『トイレの花子さん』?」
リサ:「たまたま読んでた本が、学校の怪談のヤツだったから」
愛原:「それかよ」
リサ:「『花子さんは女子トイレの奥から2番目の個室にいるが、時たま別の個室に潜んでいることもある。セーラー服におかっぱ頭、白い仮面を着けている』ってね」
愛原:「まんまリサのことだな」
高橋:「でも何だか、本物の『花子さん』が潜んでそうな勢いですね」
愛原:「その時は、こっちの『花子さん』に対応してもらうよ」
『トイレの花子さん』の正体はトイレ関係の妖怪であるとされることもあるが、多くは幽霊であるという。
ホラーゲーム“学校であった怖い話”では、イジメ被害を苦に自殺した女子生徒の幽霊であるとされる。
愛原:「……リサ、幽霊相手に戦えるか?」
リサ:「幽霊ってなに?」
愛原:「実体の無い、こう……何て言うんだ?」
リサ:「私の爪や牙が効かないと無理だよ?」
愛原:「だよなぁ……」
そんなことを話しているうちに、校舎反対側に到着する。
そこにはもう1つ階段があって、しかも地下に下りる階段もあった。
しかし今はバリケードがされていて、行けないようになっている。
高橋:「この程度じゃ、クソガキはバリケードを退かして入っちゃいますよ」
愛原:「だろうな」
私達もそうする。
もちろん、私達の場合はちゃんと許可を得ている。
一応、階段の照明スイッチを点けると、下の方も照明が点いた。
よし、まだ懐中電灯は要らないな。
私達は階段を下りた。
愛原:「あれ?」
高橋:「どうしました、先生?」
愛原:‘「この階段だけコンクリート製だぞ?」
高橋:「本当ですね」
因みに上に行く方は、相変わらずの木の板である。
高橋:「先生。確か仙台の時も、こんな感じじゃなかったでしたか?」
愛原:「! そうだ!そうだよ!」
仙台市郊外にも廃校になった木造校舎があった。
しかしその地下は日本アンブレラの秘密研究所になっていて、そこに『2番』であるリサと、暴走して完全に巨大な化け物と化し、最終的にはBSAAに倒された『4番』がいたのだ。
愛原:「するとやっぱり、ここの地下にも日本アンブレラの秘密研究所があるのかもしれないな」
私達は慎重に階段を下りた。
愛原:「そういえば、どうしてリサは仙台の地下秘密研究所にいたんだ?霧生市で別れてから、政府機関に保護されてただろ?」
リサ:「もう嫌だったの。私のこと、研究所に閉じ込めて研究されるの。だから逃げた。逃げたんだけど捕まって、あの研究所に閉じ込められたの」
愛原:「それが五十嵐元社長か!」
これでようやく繋がったな。
すっきりしたところで、地下1階に到着する。
仙台の時と同じ、鉄扉があった。
鉄扉には『倉庫』と書いてある。
だが、そんなものはカムフラージュだ。
私は管理人から預かった鍵を使ってドアを開けた。
そこにあったのは……?
1:やっぱり倉庫で、物が雑多に置かれていた。
2:既に研究施設になっており、大きなカプセルや水槽などが放置されていた。
3:死体置き場になっていて、白骨死体が何体も放置されていた。
4:何やら強い薬品の臭いが襲って来た。
5:何も無かった。