[12月13日12:00.天候:曇 栃木県日光市某所 東京中央学園栃木合宿所B1F倉庫→B2F ?]
斉藤社長から許可を得た私達は再び地下倉庫へ下りた。
愛原:「これだよ、これ。まだ燃料があるといいが……」
試しにリサが第1形態に変化してコンクリート壁を叩いてみたが、ビクともしない。
リサ:「第2形態か第3形態まで変化すれば、もしかしたら壊せるかも……」
とのことだが、その後で戻れなかったり、それを機に暴走したりしたら大変なので、それは止めておいた。
愛原:「よし、行くぞ」
私はチェーンソーを手に取ると、エンジンを掛けた。
幸い燃料は入っているようだ。
地下倉庫内に響くエンジン音。
壁に当てると、ガガガという音が響いて壁が壊れて行く。
高橋:「先生、その調子です!」
粗方壁を壊し、私がエンジンを切ると壁の奥が顔を覗かせた。
ただでさえ倉庫内は薄暗いので、壁の向こうはもっと見えない。
私はチェーンソーを床に置いて、手持ちのマグライトを点けた。
リサ:「ドアがある!」
果たしてその奥にはドアがあった。
しかし、ただのドアではない。
高橋:「先生、これ、エレベーターっスか!?」
私は扉だと聞いていて、まあ、確かに扉っちゃあ扉だ。
高橋が言ったように、それはフェンス型のドアだった。
要は片側に引いて、フェンスを畳んで開けるタイプ。
しかも横には、ボタンもある。
そのボタンには▽のマークが刻まれていた。
愛原:「エレベーター……だな」
恐らく戦時中に防空壕として掘られた当初は、ただの扉が付いていただけだったのだろう。
それを旧アンブレラが買い取った後、その防空壕を更に掘り下げてエレベーターにしたのではないだろうか。
何の為に?
そりゃもう地下秘密研究所を造る為ではないか。
何とかして、このエレベーターを動かさなくては……。
仙台の時は、どうやって起動させたんだっけ……?
高橋:「先生、このボックスの中にスイッチがあるかもですよ?」
愛原:「そうだな」
私はボックスを開けようとした。
開かなかったが、もらっていた小さな鍵で開けることができた。
その中に入っていたのは電源ボックス。
ヒューズが何本か入っている。
その中に、1本だけヒューズの抜かれている場所があった。
よく見ると、『EV』と書かれている。
ひょっとして、エレベーターのことではなかろうか。
愛原:「予備のヒューズを探せ!」
高橋:「ええーっ!?」
仕方なく、私達は再び管理人室に戻らざるを得なかった。
管理人からは、「行ったり来たり、大変ですね」と言われたが。
しかし汎用のヒューズということもあり、予備のヒューズは管理人室にもあった。
私はそれを手に再び倉庫に戻り、例のEVの所に嵌めた。
すると……。
リサ:「あっ、点いたよ!」
エレベーターの籠の中の照明が点灯した。
愛原:「よし、行くぞ」
私はボタンを押した。
しかし、扉は空かない。
愛原:「手動か!」
蛇腹扉は手動で開けるのだ。
開けて乗り込み、再び手動で扉を閉める。
ボタンはB1FとB2Fしか無かった。
私がB2Fのボタンを押した。
すると!
〔声紋認証します。所属と名前をお話しください〕
ボタンの横にあるスピーカーのランプが光った。
ええっ?声紋認証なんてあんの!?
愛原:「え、えー……。私の名前は愛原学。都内で小さな探偵事務所を経営している」
〔登録されておりません〕
なので、エレベーターは動かない。
愛原:「高橋、オマエやれ!」
高橋:「ええっ!?俺っすか!?……た、高橋正義っス。新潟県生まれ。サツの留置場、少年鑑別所、少年院、拘置所、少年刑務所、だいたいコンプしたっス」
〔登録されておりません。IDが確認できない場合、不審者と見做します〕
すると天井からマシンガンの銃口が現れた。
おいおいおい!ここでもう蜂の巣にする気か?!
リサ:「リサ・トレヴァー『2番』!愛原リサでーす!」
ダメ元でリサが喋ると、機関銃が天井に戻った。
〔声紋認証完了。下に参ります〕
ガクンと揺れて、エレベーターが降下した。
愛原:「リサ?!」
リサ:「えへっw 認証できちゃった」
高橋:「オメー、まさかここの施設のこと、知ってんじゃねーだろうなぁ?」
リサ:「ここからは入ったこと無いよ?でも、私がいた研究所は霧生市だけじゃないから。もしかしたら私、ここにいたことがあるのかもしれないよ?」
愛原:「下に行けば分かるということだな」
そしてエレベーターがB2Fに到着する。
一瞬、ドアが開くのを待った私達だったが、手動で開け閉めしないといけないのだった。
愛原:「荷物用エレベーターでも、なかなかこういうの無いぞ」
高橋:「ですよねー」
扉を開けて閉めておく。
そうしないと、外で呼んでもエレベーターが動かないのだ。
エレベーターを降りた先は、まるで荷捌場のようだった。
しかし、その外はシャッターが下りていて、外の様子は分からない。
高橋:「車でここに到着して、何か積み降ろしをする場所なんでしょうね?」
愛原:「だろうな」
ということは、どこかに入口があるはずだ。
地下駐車場のフリをして、ここまで来れる道が。
それでいて、部外者は入ってこれないように……。
愛原:「待てよ、あの駐車場……!」
高橋:「何スか?」
愛原:「管理人さん、車で来たみたいだ。その時、この合宿所の駐車場に止めたみたいだけど……」
高橋:「ええ」
愛原:「あの駐車場、もうちょっと奥に行ける感じしなかったか?」
高橋:「えーっと……。そう言われれば、そんな気も……」
愛原:「奥へ行くと、この荷捌場の入口なんじゃないかな?」
高橋:「なるほど。そうかもしれませんね」
愛原:「いざという時の脱出路にしておきたいところだけど、シャッターボックスの鍵が無いな……」
スイッチボックスの中にシャッターを上げ下げするスイッチがあるはずだが、その鍵が無かった。
愛原:「まあいい。後で探そう」
この荷捌場、変わった構造をしていた。
低いホームがあり、ここにトラックをバックさせて着けるのだろう。
そして降ろした荷物は、すぐ後ろにまた大型のエレベーターがあり、それに乗せるようである。
だが残念なことに、どのエレベーターも電源が切れていた。
そして、電源ボックスらしき物は見当たらない。
愛原:「エレベーターは無理か。どうにかして、この先に行けないかな……」
高橋:「先生、奥にドアがありますよ?」
愛原:「なにっ?」
エレベーターが並んでいる向こう側に、鉄扉があった。
鍵が付いているが、開いているだろうか。
しかも、ただの鍵ではない。
電子ロックであった。
愛原:「カードキーはどこだ!?」
高橋:「マジっすか!?」
リサ:「カードキー……」
リサはバッグの中からカードケースを出すと、そこから金色に光るカードを出した。
そこには旧アンブレラのロゴマークが書かれている。
リサ:「これかな?」
ピッ♪ピー♪
カチッ。
リサ:「開いたよ?」
愛原:「マジかよ!?」
そのゴールドカード、どこかで見た気がしたが、アレだ。
リサが私に送ってくれた、旧アンブレラのカードキーだ。
これで豪華客船“顕正号”や“正信号”の隠し金庫やドアを開けたものだ。
そのカードが、ここでも有効とは……。
愛原:「ていうかリサ、何でオマエ、そんなもん持ってんの?」
リサ:「霧生市の研究所からパクッた」
愛原:「オマエなぁ!ありがとう!」
私はリサの頭をクシャクシャに撫でた。
リサ:「えへへ……」(∀`*ゞ)
リサは照れ笑いを浮かべた。
愛原:「よし、先に行くぞ」
私達はドアの奥に向かった。
そこはまるで、普通の高層ビルの地下のような佇まいであり、まだ研究施設という要素は見られなかった。
斉藤社長から許可を得た私達は再び地下倉庫へ下りた。
愛原:「これだよ、これ。まだ燃料があるといいが……」
試しにリサが第1形態に変化してコンクリート壁を叩いてみたが、ビクともしない。
リサ:「第2形態か第3形態まで変化すれば、もしかしたら壊せるかも……」
とのことだが、その後で戻れなかったり、それを機に暴走したりしたら大変なので、それは止めておいた。
愛原:「よし、行くぞ」
私はチェーンソーを手に取ると、エンジンを掛けた。
幸い燃料は入っているようだ。
地下倉庫内に響くエンジン音。
壁に当てると、ガガガという音が響いて壁が壊れて行く。
高橋:「先生、その調子です!」
粗方壁を壊し、私がエンジンを切ると壁の奥が顔を覗かせた。
ただでさえ倉庫内は薄暗いので、壁の向こうはもっと見えない。
私はチェーンソーを床に置いて、手持ちのマグライトを点けた。
リサ:「ドアがある!」
果たしてその奥にはドアがあった。
しかし、ただのドアではない。
高橋:「先生、これ、エレベーターっスか!?」
私は扉だと聞いていて、まあ、確かに扉っちゃあ扉だ。
高橋が言ったように、それはフェンス型のドアだった。
要は片側に引いて、フェンスを畳んで開けるタイプ。
しかも横には、ボタンもある。
そのボタンには▽のマークが刻まれていた。
愛原:「エレベーター……だな」
恐らく戦時中に防空壕として掘られた当初は、ただの扉が付いていただけだったのだろう。
それを旧アンブレラが買い取った後、その防空壕を更に掘り下げてエレベーターにしたのではないだろうか。
何の為に?
そりゃもう地下秘密研究所を造る為ではないか。
何とかして、このエレベーターを動かさなくては……。
仙台の時は、どうやって起動させたんだっけ……?
高橋:「先生、このボックスの中にスイッチがあるかもですよ?」
愛原:「そうだな」
私はボックスを開けようとした。
開かなかったが、もらっていた小さな鍵で開けることができた。
その中に入っていたのは電源ボックス。
ヒューズが何本か入っている。
その中に、1本だけヒューズの抜かれている場所があった。
よく見ると、『EV』と書かれている。
ひょっとして、エレベーターのことではなかろうか。
愛原:「予備のヒューズを探せ!」
高橋:「ええーっ!?」
仕方なく、私達は再び管理人室に戻らざるを得なかった。
管理人からは、「行ったり来たり、大変ですね」と言われたが。
しかし汎用のヒューズということもあり、予備のヒューズは管理人室にもあった。
私はそれを手に再び倉庫に戻り、例のEVの所に嵌めた。
すると……。
リサ:「あっ、点いたよ!」
エレベーターの籠の中の照明が点灯した。
愛原:「よし、行くぞ」
私はボタンを押した。
しかし、扉は空かない。
愛原:「手動か!」
蛇腹扉は手動で開けるのだ。
開けて乗り込み、再び手動で扉を閉める。
ボタンはB1FとB2Fしか無かった。
私がB2Fのボタンを押した。
すると!
〔声紋認証します。所属と名前をお話しください〕
ボタンの横にあるスピーカーのランプが光った。
ええっ?声紋認証なんてあんの!?
愛原:「え、えー……。私の名前は愛原学。都内で小さな探偵事務所を経営している」
〔登録されておりません〕
なので、エレベーターは動かない。
愛原:「高橋、オマエやれ!」
高橋:「ええっ!?俺っすか!?……た、高橋正義っス。新潟県生まれ。サツの留置場、少年鑑別所、少年院、拘置所、少年刑務所、だいたいコンプしたっス」
〔登録されておりません。IDが確認できない場合、不審者と見做します〕
すると天井からマシンガンの銃口が現れた。
おいおいおい!ここでもう蜂の巣にする気か?!
リサ:「リサ・トレヴァー『2番』!愛原リサでーす!」
ダメ元でリサが喋ると、機関銃が天井に戻った。
〔声紋認証完了。下に参ります〕
ガクンと揺れて、エレベーターが降下した。
愛原:「リサ?!」
リサ:「えへっw 認証できちゃった」
高橋:「オメー、まさかここの施設のこと、知ってんじゃねーだろうなぁ?」
リサ:「ここからは入ったこと無いよ?でも、私がいた研究所は霧生市だけじゃないから。もしかしたら私、ここにいたことがあるのかもしれないよ?」
愛原:「下に行けば分かるということだな」
そしてエレベーターがB2Fに到着する。
一瞬、ドアが開くのを待った私達だったが、手動で開け閉めしないといけないのだった。
愛原:「荷物用エレベーターでも、なかなかこういうの無いぞ」
高橋:「ですよねー」
扉を開けて閉めておく。
そうしないと、外で呼んでもエレベーターが動かないのだ。
エレベーターを降りた先は、まるで荷捌場のようだった。
しかし、その外はシャッターが下りていて、外の様子は分からない。
高橋:「車でここに到着して、何か積み降ろしをする場所なんでしょうね?」
愛原:「だろうな」
ということは、どこかに入口があるはずだ。
地下駐車場のフリをして、ここまで来れる道が。
それでいて、部外者は入ってこれないように……。
愛原:「待てよ、あの駐車場……!」
高橋:「何スか?」
愛原:「管理人さん、車で来たみたいだ。その時、この合宿所の駐車場に止めたみたいだけど……」
高橋:「ええ」
愛原:「あの駐車場、もうちょっと奥に行ける感じしなかったか?」
高橋:「えーっと……。そう言われれば、そんな気も……」
愛原:「奥へ行くと、この荷捌場の入口なんじゃないかな?」
高橋:「なるほど。そうかもしれませんね」
愛原:「いざという時の脱出路にしておきたいところだけど、シャッターボックスの鍵が無いな……」
スイッチボックスの中にシャッターを上げ下げするスイッチがあるはずだが、その鍵が無かった。
愛原:「まあいい。後で探そう」
この荷捌場、変わった構造をしていた。
低いホームがあり、ここにトラックをバックさせて着けるのだろう。
そして降ろした荷物は、すぐ後ろにまた大型のエレベーターがあり、それに乗せるようである。
だが残念なことに、どのエレベーターも電源が切れていた。
そして、電源ボックスらしき物は見当たらない。
愛原:「エレベーターは無理か。どうにかして、この先に行けないかな……」
高橋:「先生、奥にドアがありますよ?」
愛原:「なにっ?」
エレベーターが並んでいる向こう側に、鉄扉があった。
鍵が付いているが、開いているだろうか。
しかも、ただの鍵ではない。
電子ロックであった。
愛原:「カードキーはどこだ!?」
高橋:「マジっすか!?」
リサ:「カードキー……」
リサはバッグの中からカードケースを出すと、そこから金色に光るカードを出した。
そこには旧アンブレラのロゴマークが書かれている。
リサ:「これかな?」
ピッ♪ピー♪
カチッ。
リサ:「開いたよ?」
愛原:「マジかよ!?」
そのゴールドカード、どこかで見た気がしたが、アレだ。
リサが私に送ってくれた、旧アンブレラのカードキーだ。
これで豪華客船“顕正号”や“正信号”の隠し金庫やドアを開けたものだ。
そのカードが、ここでも有効とは……。
愛原:「ていうかリサ、何でオマエ、そんなもん持ってんの?」
リサ:「霧生市の研究所からパクッた」
愛原:「オマエなぁ!ありがとう!」
私はリサの頭をクシャクシャに撫でた。
リサ:「えへへ……」(∀`*ゞ)
リサは照れ笑いを浮かべた。
愛原:「よし、先に行くぞ」
私達はドアの奥に向かった。
そこはまるで、普通の高層ビルの地下のような佇まいであり、まだ研究施設という要素は見られなかった。