[1月13日17:40.天候:晴 静岡県富士宮市ひばりが丘 スーパーホテル富士宮]
敷島達を乗せたタクシーがホテルのエントランスの前に止まる。
運転手:「こちらでよろしいですか?」
敷島:「はい。ここは俺が払っておくよ」
アリス:「経費で落とさないのね」
敷島:「これは俺の『もう1つの仕事』だから別。……あ、でも領収書は下さい」
運転手:「はい」
アリス:「何故に?」
タクシーを降りて、ホテルの中に入る。
フロント係:「いらしゃいませ。ご予約の方ですか?」
妙齢の女性フロント係が出迎えた。
敷島:「キミの心の宿に泊まりたいんだが?」
アリス:「シンディ!」
シンディ:「かしこまりました」
シンディは左手で敷島の体を掴むと、
敷島:「あぎゃあぅっ!」
電流を流した。
アリス:「今日から大人3名で一泊の予約をしている敷島と申します」
フロント係:「お、お待ちしておりました。それではこちらの……」
アリスが代わりにチェックインの手続きをしている間、シンディが感電して倒れた敷島を抱え起こす。
シンディ:「社長、いい加減に学習してくださいよ。奥様の前ですよ?」
敷島:「やっちまった……」
アリス:「タカオ、お会計よろしく」
敷島:「はい……。すいません、カードで」
フロント係:「はい、ありがとうございます」
シンディ:「博士。とある映画に出てくる魔道師さん達は皆、プラチナカードやゴールドカードでしたが……」
アリス:「こっちはしがない一般カードか……。ショボいねぇ」
敷島:「悪かったな」
アリス:「アタシの稼ぎでも、アメックスのグリーンカードがいい所だもんね」
敷島:「オマ、そっちの方がグレード高いんだぞ!俺のJCBより!」
アメリカンエキスプレスの一般カードとされるグリーンカードなのだが、実は年会費の額や受けられるサービスがVISAやJCBのゴールドカード並みだとされる。
敷島:「そっちのカードで決済してくれよ」
アリス:「嫁のカードに頼る甲斐性無しがここに約1名w」
シンディ:「いけませんねぇ……w」
敷島:「くそ……!エミリーなら、俺の味方なのに」
シンディにとってオーナーはアリス、敷島はユーザーだからである。
どちらもロイドにとっては立場が上だが、やはりオーナーの方がもっと上と認識する。
オーナーの命令は絶対だが、ユーザーの命令は相対である。
オーナーの命令とユーザーの命令が同時に出され、しかもそれが相反する場合はオーナーの命令を優先するよう設定されている。
ロイドを稼働させるには、オーナーとユーザーの2人の人間を用意しなければならない。
この登録が完了しないと、いくら電源を入れた所でロイドは稼働しない。
これは前期型のシンディの前例を受け、敷島や平賀が学会に提唱して確立させたシステム。
シンディを独占して使用していたウィリーの言う事すら聞かずに、手持ちの大型ナイフで惨殺したシーンは未だに敷島の目に焼き付いている。
その為、1体のロイドにつき、扱う人間は最低2人いると提唱した。
アリス:「ん!?」
敷島:「どうしたアリス?」
チェックインの手続きを済ませ、エレベーターで宿泊先の3階に向かった。
そのエレベーターを降りて部屋に入ろうとすると、アリスが何か反応したのだ。
アリス:「オーナーとユーザーの2人の人間の登録を必要とするOU制度。これが適用されるのは、今のところマルチタイプだけ」
敷島:「それがどうした?」
シンディがドアノブの上にあるテンキーを押して、部屋のドアロックを解除する。
オートロック式だが、解錠はテンキーによる暗証番号式となる。
もちろん、これは敷島達が宿泊している時だけの番号であり、また後日、別の宿泊客が入る場合には他の番号に変更されている。
シンディ:「コンパクトな部屋ですね。でも、ここからライトアップされている富士山が見えますよ」
敷島:「ほおほお。それで、アリスは何を思いついたんだ?」
アリス:「9号機のデイジーのことよ。右手をマシンガンやライフル換装に改造されていたから、それなりの技術者の所に引き取られたようね。でも、OU制度は絶対に変えることはできないから、デイジーに命令している人間が最低2人いるということね」
敷島:「……か、もしくは命令している人間は1人。もう1人はただ単に稼働させる為だけの名義貸しってことも考えられるぞ」
アリス:「そうなの?」
敷島:「今のエミリーがそうなんだよ。南里所長の遺言もあって、エミリーのオーナー登録は平賀先生からは変えられない。だけどもユーザー登録は俺になってる。だけどエミリーの中では、逆転しちゃってるんだよ」
シンディ:「オーナーとユーザーは私達ロイド側の方で勝手に変更できませんが、どちらを『マスター』とするかは実は明確にプログラミングされていないんです。だから、姉さんはユーザーである社長を『マスター』の認定したのですね。……あ、私はアリス博士ですよ」
敷島:「或いは両方か……。因みにシンディ、デイジーの居場所は追えないか?」
シンディ:「追えますよ。でも、今はやめた方がよろしいかと思います。何故なら、私がデイジーを追おうとすると、ここの居場所をデイジーに知らせることになるからです」
敷島:「それもそうだな。あー、くそ。売れたらハイ終わりじゃなくて、追跡調査とかもして欲しかったよ」
アリス:「DCJも商売欲があるからね。保管費用がかさむから、早いとこ売れて欲しかったんだよ。それより、お腹空いた」
敷島:「分かった分かった。飯食いに行こう」
アリス:「ここ、温泉あるの?さっき、フロントで言ってたよ」
敷島:「あるってさ。ま、先に飯食ってからだな。さっき来る時、ガストとかあっただろ。そこに行こう」
アリス:「シンディはどうする?一緒に連れてく?それともここで留守番させる?」
敷島:「そうだな……」
1:一緒に連れて行く。
2:部屋で留守番させる。
敷島達を乗せたタクシーがホテルのエントランスの前に止まる。
運転手:「こちらでよろしいですか?」
敷島:「はい。ここは俺が払っておくよ」
アリス:「経費で落とさないのね」
敷島:「これは俺の『もう1つの仕事』だから別。……あ、でも領収書は下さい」
運転手:「はい」
アリス:「何故に?」
タクシーを降りて、ホテルの中に入る。
フロント係:「いらしゃいませ。ご予約の方ですか?」
妙齢の女性フロント係が出迎えた。
敷島:「キミの心の宿に泊まりたいんだが?」
アリス:「シンディ!」
シンディ:「かしこまりました」
シンディは左手で敷島の体を掴むと、
敷島:「あぎゃあぅっ!」
電流を流した。
アリス:「今日から大人3名で一泊の予約をしている敷島と申します」
フロント係:「お、お待ちしておりました。それではこちらの……」
アリスが代わりにチェックインの手続きをしている間、シンディが感電して倒れた敷島を抱え起こす。
シンディ:「社長、いい加減に学習してくださいよ。奥様の前ですよ?」
敷島:「やっちまった……」
アリス:「タカオ、お会計よろしく」
敷島:「はい……。すいません、カードで」
フロント係:「はい、ありがとうございます」
シンディ:「博士。とある映画に出てくる魔道師さん達は皆、プラチナカードやゴールドカードでしたが……」
アリス:「こっちはしがない一般カードか……。ショボいねぇ」
敷島:「悪かったな」
アリス:「アタシの稼ぎでも、アメックスのグリーンカードがいい所だもんね」
敷島:「オマ、そっちの方がグレード高いんだぞ!俺のJCBより!」
アメリカンエキスプレスの一般カードとされるグリーンカードなのだが、実は年会費の額や受けられるサービスがVISAやJCBのゴールドカード並みだとされる。
敷島:「そっちのカードで決済してくれよ」
アリス:「嫁のカードに頼る甲斐性無しがここに約1名w」
シンディ:「いけませんねぇ……w」
敷島:「くそ……!エミリーなら、俺の味方なのに」
シンディにとってオーナーはアリス、敷島はユーザーだからである。
どちらもロイドにとっては立場が上だが、やはりオーナーの方がもっと上と認識する。
オーナーの命令は絶対だが、ユーザーの命令は相対である。
オーナーの命令とユーザーの命令が同時に出され、しかもそれが相反する場合はオーナーの命令を優先するよう設定されている。
ロイドを稼働させるには、オーナーとユーザーの2人の人間を用意しなければならない。
この登録が完了しないと、いくら電源を入れた所でロイドは稼働しない。
これは前期型のシンディの前例を受け、敷島や平賀が学会に提唱して確立させたシステム。
シンディを独占して使用していたウィリーの言う事すら聞かずに、手持ちの大型ナイフで惨殺したシーンは未だに敷島の目に焼き付いている。
その為、1体のロイドにつき、扱う人間は最低2人いると提唱した。
アリス:「ん!?」
敷島:「どうしたアリス?」
チェックインの手続きを済ませ、エレベーターで宿泊先の3階に向かった。
そのエレベーターを降りて部屋に入ろうとすると、アリスが何か反応したのだ。
アリス:「オーナーとユーザーの2人の人間の登録を必要とするOU制度。これが適用されるのは、今のところマルチタイプだけ」
敷島:「それがどうした?」
シンディがドアノブの上にあるテンキーを押して、部屋のドアロックを解除する。
オートロック式だが、解錠はテンキーによる暗証番号式となる。
もちろん、これは敷島達が宿泊している時だけの番号であり、また後日、別の宿泊客が入る場合には他の番号に変更されている。
シンディ:「コンパクトな部屋ですね。でも、ここからライトアップされている富士山が見えますよ」
敷島:「ほおほお。それで、アリスは何を思いついたんだ?」
アリス:「9号機のデイジーのことよ。右手をマシンガンやライフル換装に改造されていたから、それなりの技術者の所に引き取られたようね。でも、OU制度は絶対に変えることはできないから、デイジーに命令している人間が最低2人いるということね」
敷島:「……か、もしくは命令している人間は1人。もう1人はただ単に稼働させる為だけの名義貸しってことも考えられるぞ」
アリス:「そうなの?」
敷島:「今のエミリーがそうなんだよ。南里所長の遺言もあって、エミリーのオーナー登録は平賀先生からは変えられない。だけどもユーザー登録は俺になってる。だけどエミリーの中では、逆転しちゃってるんだよ」
シンディ:「オーナーとユーザーは私達ロイド側の方で勝手に変更できませんが、どちらを『マスター』とするかは実は明確にプログラミングされていないんです。だから、姉さんはユーザーである社長を『マスター』の認定したのですね。……あ、私はアリス博士ですよ」
敷島:「或いは両方か……。因みにシンディ、デイジーの居場所は追えないか?」
シンディ:「追えますよ。でも、今はやめた方がよろしいかと思います。何故なら、私がデイジーを追おうとすると、ここの居場所をデイジーに知らせることになるからです」
敷島:「それもそうだな。あー、くそ。売れたらハイ終わりじゃなくて、追跡調査とかもして欲しかったよ」
アリス:「DCJも商売欲があるからね。保管費用がかさむから、早いとこ売れて欲しかったんだよ。それより、お腹空いた」
敷島:「分かった分かった。飯食いに行こう」
アリス:「ここ、温泉あるの?さっき、フロントで言ってたよ」
敷島:「あるってさ。ま、先に飯食ってからだな。さっき来る時、ガストとかあっただろ。そこに行こう」
アリス:「シンディはどうする?一緒に連れてく?それともここで留守番させる?」
敷島:「そうだな……」
1:一緒に連れて行く。
2:部屋で留守番させる。
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