Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

団塊ひとりぼっち  山口文憲(文春新書)

2011年07月25日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 既にリタイヤを迎え、悠々自適なセカンドライフを満喫している団塊の世代(1947~49生まれ)の諸兄諸姉。
 平均余命が伸びた現在、ますます意気軒昂で日々健やかにお過ごしのことと推察される…
 文憲さんの書に触れるたび、元気の素を改めて確認する次第…

○団塊の世代はずっと社会問題といっしょに生きてきた(ベビーブーム、スシづめ教室、受験戦争、学園紛争、ベトナム反戦、2007年問題)
○決して見通しは明るくないけれど、それでもそこには決然とした「集合的意欲」のようなものがうかがえる。そして、人々は生き続けるための燃料としての記憶を切実に必要としている
○全共闘というのは、最大限見積もっても世代全体の二割に満たない数
○ワセダの杜は、ハタでみるより深くて暗い
○そのユニークな宮崎学からみても「傑出してユニーク」なやつがいた:新崎智(呉智英)
○全共闘というのは、組織と言うより運動体で、考え方としては、その世界をどうするかということより、まず私は何をすべきかというところに力点があった
○つまり、きわめて文学的で実存主義的であったといったらいいのだろうか
○方法論による世代の研究、いわゆる「コーホート分析」はマーケティングの世界をはじめさまざまな分野でよく行われている
○寺山修司の「書を捨てよ、街に出よう」(1967)だが、捨てるべき書などはじめから持たない者までもが浮かれて街にも出れば海外にも出たのがこの時代
○小田和正:大学卒業以来、毎年同窓会で酒をくみかわしてきたという同級生たちのことを語り、いよいよ彼らに定年が近づいてきたと書く
○わが身の行く末も思いやりながら、「これからは思い出と友だちが勝負」

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