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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

柿の木が消えた 追記有り

2010-05-12 21:57:50 | Weblog
一軒おいた隣に震災後の更地がかなり長い間残されていたが、市道に面した前半部分に3年ほど前に家が建ち、私道に遮られた後半部分だけが残っていた。ところがこの3月から新築工事が始まって、ここにもようやく家が出来上がろうとしている。隣近所で子どもの声が聞こえるのは3年前に建った家からだけなので、子どものいる家族が入ればまた賑やかになっていいなと思ったが、残念ながら期待はずれに終わった。洩れてきた話では建て主は大手会社勤務の独身男性で、お嫁さんはこれからなんだそうである。そしてさらに残念なことがあった。

私の部屋の出窓に面してiPhoneのコンパスを開くと北西317度と出てくるから、ちょうど北西を向いていることになる。そして真北を見ると裏庭の外に3本の柿の木が重なって見える。正確に言えば見えていた。震災で大きな柿の木が倒れて、その後に新しく育ってきた木だということである。私が目にした頃はかなり大きくなっていて、春先になると幹と枝だけであった木に葉が姿を現し始めて夏には青々と繁り、秋にはたわわに稔った実が色づいてきて、いい熟しかげんになるとその実を突っつきにに来る烏をはじめとするいろんな鳥で賑わい、熟し柿が地面にひしゃげて片付けに手を取られる時が過ぎたかと思うと、木枯らしでいつの間にか木が丸坊主になる。季節の移り変わりのバロメーターのようなもので、窓の外を眺めるのが日課となっている私を楽しませてきてくれた。ところが諸般の事情でこの柿の木を撤去するというのである。庭にゆとりがあれば以前にクロガネモチを移植したように移し替えをお願いすることも出来たのであるが、もはやそのゆとりもなく、ついに昨日その姿を消してしまった。在りし日の柿の木を横から撮ったのが下の写真で、後ろは建築中の家である。


それがこのようにきれいになくなってしまった。淋しい限りである。



追記(5月13日) クロガネモチのその後。 金網を残したままクロガネモチはしっかりと地面に足をおろし、赤い実も結ぶようになった。やはり生命力は旺盛であった。