asahi.comにこんな記事が出ていた。
この見出しを見て最初に思ったことは「阿呆なことを言うて・・・」であった。そういう目で見たものだから、この記事全体が気に入らない。何故このような調査を始めたのか、見当がつかないものだから、医者のろくでもない暇つぶしか、とつい思ってしまう。これが「夜おしっこに起きる高齢者」、「回数が多くても気にしなくてよろしい」とでも言ってくれるのならともかく、「回数多いほど高い死亡率」なんて、年のせいかおしっこの近いのが気になりだした高齢者を怖がらせるだけではないか。余計なストレスを与えて、高齢者を少しでも早く死なせたいのか、と言いたくなる。
排尿行為には習性的な個人差があり、それが高齢者ほど癖のように定着しているのが普通であろう。人のことは分からないから自分のことで言うと、私は尿意を我慢するのは性に合わない。以前にも書いたことがあるが、尿意を抑えきれない緊急事態に恐怖感があるものだから、外出先でトイレが目につくと気軽に立ち寄ることにしている。もし同行者がおれば「このおじいちゃん、おしっこが近くて可哀相」と同情してくれるのかも知れないが、いわゆる頻尿とは異なり、ただ用心のために寄っているだけなのである。「帝王たるものトイレを見つけたら躊躇せずに立ち寄るべし。次の機会を当てにすべからず」とばかり帝王学を実践しているだけなのである。トイレが近くにあることがはっきりしている時には、何時間でも平気である。このように排尿行為は身体の問題だけではなく心の問題でもある。夜、何かで目が覚めると少々の尿意でも几帳面にトイレに通う人がいても不思議ではない。この医者にはそこまでは分かっていないような気がする。分かっておればこんな調査をするはずがないと思うからである。
妻が長年つきあっている友達とはじめて温泉旅館に一泊の旅に出かけたのはよいが、帰ってきてからこぼしていたことがある。同室の彼女が夜通し中、1時間おきぐらいにトイレに通うので、それが気になりだしたら眠れなかったというのである。そういう人でもすでにもう高齢者の域に達するまで生き抜いてきているのだからもう十分ではないか、いまさら怖がらせてどうなると言うものだ。
新聞記事だけでその研究なるものを云々するのは無意味と思いながらも、突っ込みを入れたくなる。70歳以上の高齢者とはあるが、これくらいになると男も女も一緒くたで、性別は関係なしとでもこの先生は思っているのだろうか。少なくとも新聞記事では男女を分けていない。もしこれが事実だとすると、それだけでも「研究」の名に値しない。女性が男性に比べて長命なのも、夜中にトイレに通う回数が男性よりも少ないからである、との新発見をすでに見落としている恐れが高いからである。仙台市内のある地域に住む70歳以上の高齢者と、地域を限定しているのも気になる。暖かい土地、たとえば沖縄ならどうなんだろうと、すぐ考えてしまうからである。
オチが「夜間の排尿回数が多い人はかかりつけ医に相談してほしい」というのが笑わせる。こんな記事を出すからまた心配性の人が増えて、ただでさい忙しい?とこぼしている医者をさらに忙しくするだけではないか。こんな調査をする医者も医者だが、取り上げる新聞も新聞である。天下の高齢者の皆様、立ちションベン以外、好きなときに好きなだけ、心置きなくおしっこをいたしましょう!
夜おしっこに起きる高齢者、回数多いほど高い死亡率
夜、おしっこに起きる回数が多い高齢者ほど死亡率が高い。そんな調査結果を東北大の研究チームがまとめた。2回以上の人の死亡率は1回以下の人の約2倍で、回数が増えると死亡率も高くなる。チームは死因を詳しく調べていないが、持病が悪化したケースのほか、トイレに起きて転んで骨折し、寝たきりになって死につながった場合が含まれているとみている。
東北大の中川晴夫講師(泌尿器科)らが2003年から5年間、仙台市内のある地域に住む70歳以上の高齢者784人を追跡調査した。
まず、1カ月間の平均的な夜間の排尿回数を聞いたところ、1回以下の人は425人だった。そのうち18人が調査期間中に死亡、2回以上の359人のうち35人が亡くなった。年齢や持病などの影響を考慮して分析したところ、2回以上の人の死亡率は1回以下の人の1.93倍だった。回数別では2回の人は1.59倍、3回2.34倍、4回以上3.60倍だった。
中川さんによると、夜間の排尿回数が増える原因としては心不全や糖尿病、高血圧などが考えられ、そうした病気が死亡につながった可能性がある。夜間の排尿が2回以上の人の中には、死亡の直前に骨折で入院した人が数人いたことから、骨折が原因で寝たきりになり、全身状態が悪化して死亡に至ったケースもあったとみている。
夜間の排尿回数が多いと骨折の危険が高まることは一部の専門家の間で知られている。夜間の排尿回数が多いと死亡率が上がることはスウェーデンの研究でも示されているという。
中川さんは「夜間の排尿回数が多い人はかかりつけ医に相談してほしい」と話す。(野瀬輝彦)
夜、おしっこに起きる回数が多い高齢者ほど死亡率が高い。そんな調査結果を東北大の研究チームがまとめた。2回以上の人の死亡率は1回以下の人の約2倍で、回数が増えると死亡率も高くなる。チームは死因を詳しく調べていないが、持病が悪化したケースのほか、トイレに起きて転んで骨折し、寝たきりになって死につながった場合が含まれているとみている。
東北大の中川晴夫講師(泌尿器科)らが2003年から5年間、仙台市内のある地域に住む70歳以上の高齢者784人を追跡調査した。
まず、1カ月間の平均的な夜間の排尿回数を聞いたところ、1回以下の人は425人だった。そのうち18人が調査期間中に死亡、2回以上の359人のうち35人が亡くなった。年齢や持病などの影響を考慮して分析したところ、2回以上の人の死亡率は1回以下の人の1.93倍だった。回数別では2回の人は1.59倍、3回2.34倍、4回以上3.60倍だった。
中川さんによると、夜間の排尿回数が増える原因としては心不全や糖尿病、高血圧などが考えられ、そうした病気が死亡につながった可能性がある。夜間の排尿が2回以上の人の中には、死亡の直前に骨折で入院した人が数人いたことから、骨折が原因で寝たきりになり、全身状態が悪化して死亡に至ったケースもあったとみている。
夜間の排尿回数が多いと骨折の危険が高まることは一部の専門家の間で知られている。夜間の排尿回数が多いと死亡率が上がることはスウェーデンの研究でも示されているという。
中川さんは「夜間の排尿回数が多い人はかかりつけ医に相談してほしい」と話す。(野瀬輝彦)
この見出しを見て最初に思ったことは「阿呆なことを言うて・・・」であった。そういう目で見たものだから、この記事全体が気に入らない。何故このような調査を始めたのか、見当がつかないものだから、医者のろくでもない暇つぶしか、とつい思ってしまう。これが「夜おしっこに起きる高齢者」、「回数が多くても気にしなくてよろしい」とでも言ってくれるのならともかく、「回数多いほど高い死亡率」なんて、年のせいかおしっこの近いのが気になりだした高齢者を怖がらせるだけではないか。余計なストレスを与えて、高齢者を少しでも早く死なせたいのか、と言いたくなる。
排尿行為には習性的な個人差があり、それが高齢者ほど癖のように定着しているのが普通であろう。人のことは分からないから自分のことで言うと、私は尿意を我慢するのは性に合わない。以前にも書いたことがあるが、尿意を抑えきれない緊急事態に恐怖感があるものだから、外出先でトイレが目につくと気軽に立ち寄ることにしている。もし同行者がおれば「このおじいちゃん、おしっこが近くて可哀相」と同情してくれるのかも知れないが、いわゆる頻尿とは異なり、ただ用心のために寄っているだけなのである。「帝王たるものトイレを見つけたら躊躇せずに立ち寄るべし。次の機会を当てにすべからず」とばかり帝王学を実践しているだけなのである。トイレが近くにあることがはっきりしている時には、何時間でも平気である。このように排尿行為は身体の問題だけではなく心の問題でもある。夜、何かで目が覚めると少々の尿意でも几帳面にトイレに通う人がいても不思議ではない。この医者にはそこまでは分かっていないような気がする。分かっておればこんな調査をするはずがないと思うからである。
妻が長年つきあっている友達とはじめて温泉旅館に一泊の旅に出かけたのはよいが、帰ってきてからこぼしていたことがある。同室の彼女が夜通し中、1時間おきぐらいにトイレに通うので、それが気になりだしたら眠れなかったというのである。そういう人でもすでにもう高齢者の域に達するまで生き抜いてきているのだからもう十分ではないか、いまさら怖がらせてどうなると言うものだ。
新聞記事だけでその研究なるものを云々するのは無意味と思いながらも、突っ込みを入れたくなる。70歳以上の高齢者とはあるが、これくらいになると男も女も一緒くたで、性別は関係なしとでもこの先生は思っているのだろうか。少なくとも新聞記事では男女を分けていない。もしこれが事実だとすると、それだけでも「研究」の名に値しない。女性が男性に比べて長命なのも、夜中にトイレに通う回数が男性よりも少ないからである、との新発見をすでに見落としている恐れが高いからである。仙台市内のある地域に住む70歳以上の高齢者と、地域を限定しているのも気になる。暖かい土地、たとえば沖縄ならどうなんだろうと、すぐ考えてしまうからである。
オチが「夜間の排尿回数が多い人はかかりつけ医に相談してほしい」というのが笑わせる。こんな記事を出すからまた心配性の人が増えて、ただでさい忙しい?とこぼしている医者をさらに忙しくするだけではないか。こんな調査をする医者も医者だが、取り上げる新聞も新聞である。天下の高齢者の皆様、立ちションベン以外、好きなときに好きなだけ、心置きなくおしっこをいたしましょう!