去る3月26日の午後10時前、韓国海軍哨戒艦「天安」(1200トン)が黄海の軍事境界線近くで爆発を起こし沈没した事件に関して、今日のasahi.comは次のように報じている。
哨戒艦が魚雷により撃沈されたということのようであるが、これが公式発表なのだろうか。韓国側の対応が慎重なのはよいとしても歯切れがよくないものだから、韓国では大騒ぎになっているのかも知れないが、隣国にいる私にはその緊張感が伝わってこない。いずれにせよどこからかやって来た魚雷により「天安」が撃沈されたのが事実であるなら、なんとも不様な話である。哨戒艦がどのような軍艦なのか私は知らないが、1200トンという大きさから小型の駆逐艦のようなものだろうか。哨戒とは「新明解」によると『敵襲を警戒すること』である。北朝鮮との境界線近くで哨戒訓練をしていたのであれば、当然最大の警戒態勢に入っていたはずだと思うのに、いかなる探査システムも異常を察知しえなかったのだろうか。撃沈に先立ってどのような兆候があり、艦がどのように対処したのか、その調査結果を待たなければならないが、撃沈されたという事実は哨戒艦がその役目を果たしえなかったことを冷酷に示している。
軍艦としては比較的小さな「天安」がもしかして30ノットを超える速度で航行していたとすれば、それを撃沈した攻撃側のお手並みは鮮やかであるといえよう。いさぎよく負けを認めて負け犬の遠吠えを断念するに如かずである。そう思ってみるとわが国の自衛艦も似たようなものかも知れない。いくら訓練しても所詮は道場剣法で、いざとなると実戦に鍛えられた人斬り剣法の前には手も足も出ないことであろう。どうせ役立たずであるのなら、最初から持たないというのも一つの選択である。
日米安全保障条約というのも哨戒艦と同じようなもので、あるからといってその役割を果たせると決まったものではない。いっそのこと無くしてしまうというのも一つの手である。無くそうとすると、それに一番抵抗する国がその本性を現し、今まで直視することを避けていた現実-占領下にある日本-をわれわれに覚らせることになりそうである。
【ソウル=牧野愛博】韓国哨戒艦の沈没で、金泰栄(キム・テヨン)国防相は10日、国際合同調査団が哨戒艦から採取した火薬が軍事用の高性能爆薬「RDX」(ヘキソーゲン)であることを明らかにした。韓国記者団に語った。金国防相によると、RDXは魚雷製造にも使われる火薬成分だという。金国防相は「魚雷の可能性が高いということだけだ」とも述べ、慎重に原因究明を進める考えを示した。
また、合同調査団が哨戒艦の切断部分から数個のアルミニウム片を採取し、魚雷の破片かどうか精密に分析していることも明らかにした。
また、合同調査団が哨戒艦の切断部分から数個のアルミニウム片を採取し、魚雷の破片かどうか精密に分析していることも明らかにした。
(2010年5月10日16時59分)
哨戒艦が魚雷により撃沈されたということのようであるが、これが公式発表なのだろうか。韓国側の対応が慎重なのはよいとしても歯切れがよくないものだから、韓国では大騒ぎになっているのかも知れないが、隣国にいる私にはその緊張感が伝わってこない。いずれにせよどこからかやって来た魚雷により「天安」が撃沈されたのが事実であるなら、なんとも不様な話である。哨戒艦がどのような軍艦なのか私は知らないが、1200トンという大きさから小型の駆逐艦のようなものだろうか。哨戒とは「新明解」によると『敵襲を警戒すること』である。北朝鮮との境界線近くで哨戒訓練をしていたのであれば、当然最大の警戒態勢に入っていたはずだと思うのに、いかなる探査システムも異常を察知しえなかったのだろうか。撃沈に先立ってどのような兆候があり、艦がどのように対処したのか、その調査結果を待たなければならないが、撃沈されたという事実は哨戒艦がその役目を果たしえなかったことを冷酷に示している。
軍艦としては比較的小さな「天安」がもしかして30ノットを超える速度で航行していたとすれば、それを撃沈した攻撃側のお手並みは鮮やかであるといえよう。いさぎよく負けを認めて負け犬の遠吠えを断念するに如かずである。そう思ってみるとわが国の自衛艦も似たようなものかも知れない。いくら訓練しても所詮は道場剣法で、いざとなると実戦に鍛えられた人斬り剣法の前には手も足も出ないことであろう。どうせ役立たずであるのなら、最初から持たないというのも一つの選択である。
日米安全保障条約というのも哨戒艦と同じようなもので、あるからといってその役割を果たせると決まったものではない。いっそのこと無くしてしまうというのも一つの手である。無くそうとすると、それに一番抵抗する国がその本性を現し、今まで直視することを避けていた現実-占領下にある日本-をわれわれに覚らせることになりそうである。