木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

変化の中にあっての主題

2009-11-03 14:32:23 | インポート
 政権が交代したことが徐々に国民の実感となりつつあ
る日々が続いているが、衆議院予算委員会は特にその実
感を視覚的にも皮膚感覚的にも体感する光景だった。
 新政権が発足してまだ一カ月と少々、しかし実に様々
な社会的課題や水面下に埋もれていた問題が顕在化して
いて、自民党政権時代にお蔵入りしていた問題が次々に
明るみになる日々に、国民は機能する政治を実感し、政
治を感じているように思える。

 日本は2000年を超える有史を持つ国であるが議会
の歴史というものは明治中期以降とまだ100年少々の
時空しかない。しかも直接国税15円以上を納めていた
人に限る選挙という限られた人々にとっての選挙も含め
ての時間であるから、普通選挙が定着して後の議会の歴
史という視野に立てば、時空はもっと浅い。
 議会の歴史という時間軸で見れば、例えばローマでは
紀元前の時代から議会なるものが生じている。
 この比較に立てば、議会制民主主義の成熟度は紀元前
から存在していた文明圏の社会と、まだ明治時代以降に
しかも海外から議会という概念を輸入して歴史が浅い我
が国とでは根ざす深淵が全く違うと私は思う。
 我が国が我が国の文化や風土に適した、私達のための
開かれた民主主義を成熟させるには、まだまだ気の遠く
なるような未来の先に時間を見据えて歩みを進めていか
なければならないのかもしれない。
 文化の成熟、文明の発達というものは一朝一夕では成
るものではない。

 それでも、我が国は国内の問題のみに終始するだけで
生きていくことはできない。諸々の文明時間を有した諸
外国と同じ時代の同じ土俵に乗って対峙し、同じ時計の
針の進行の中で呼吸していかなければならない現実に包
まれている。
 外交は親善や友好、交流だとつい日本人は考えがちだ
が、外交は武器を使わないだけの戦争であるという認識
や外交は対外戦略であるという認識で向き合ってくる諸
外国が存在することも現実である。
 で、あればこそ外交問題というものは相手があって初
めて存在する主題であって、原理原則や理論では判断が
つかず、相手と相まみえる現実の中でいかにして日本を
守るかいかにして日本が被害を受けないようにするかと
いう対応を取るべきものであると私は思う。

 いずれにしても今、政治が変わった。
 日本の民主主義を成熟へと進めていこう。

コメント
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