Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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豊かな食生活

2006-06-06 11:00:23 | 報道写真考・たわ言
先日のブログを書いたあと、少しまた考えてみた。

たしかに食べ物の選択肢があることは恵まれているとは思うが、だからといって別に他国の食べ物を知らないからといって、それが不幸というわけでもない。

マクドナルドやバーガーキングなどのファストフードや、ストアにあふれているジャンクフードなんて、身体に悪いだけで、そういうものが手に入る環境にいることのほうが逆に不幸だも思う。

よく考えてみれば、リベリアのムスの家族のように、冷蔵庫も持っていない人々にとっては肉や魚の保存ができない。だから生ものは食べる日に食べる分だけ市場から買ってくることになる。訳のわからない保存料などがはいっているわけでもないし、冷凍されたものより新鮮なのは確かだ。

これはちょっと極端な理論かもしれないけれど、そういう添加物のはいっていない新鮮な食材に舌の慣れているムスやファトゥが、こちらの料理の味に拒絶反応を示した、ともいえるのではないだろうか。

そういう点では、ファストフードや冷凍ディナーで生活しているアメリカ人たちよりも、選択は少ないにしても、ムスたちのほうが実はずっと豊かな食生活をおくっているといえるのかもしれない。。。





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6 コメント

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化学調味料 (gidanaisha)
2006-06-07 21:11:32
ナイジェリア人も自分達の食生活には、がんこものが多いです。

西アフリカ、英語圏にも仏語圏にも化学調味料のマギー(ネスレ社の製品)が出回っています。マギーブイヨンとかマギーコンソメの素とか。いろんな料理に入れ、結構、現地料理に欠かせないものです。村の小さな屋台のお店でも売っているほどです。40代の同僚に聞いたところ子供のときからあるそうです。「味の素」も出回っていますがマギーには負けてます。もともと自然の食品から調味料に相当するものがあったそうなのですが、いつのまにかマギーに取って代わられたそうです。食材は新鮮だけど、化学調味料は不安。無添加なのかもしれませんが。。アフリカの村レベルまで、がんこものの味覚を変えた多国籍企業ってすごい(こわい!?)。

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そういういみで、、、 (ゆうこさん)
2006-06-08 15:00:59
ちょっと話がもどりますが、文明国の食べ物が必ず良いものであるとは限らないように、必ずしもムスがUSAに住んだとして、幸せであるとは限らないのでは?高橋さんが 感じられたように自国でご両親といられる幸せは 他のどんなことでもかわりはできないことだと思います。自分の可能性について考えるのは、ムスの意思を尊重するのが周囲の人間にできる精一杯ではないかと。そのためには、彼女が安全に自由な意思を培うことのできる環境を守る努力がなにより大事かなと思いました。直接的にであれ、、間接的にであれ。。
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エンプティーカロリー (じょじょ)
2006-06-09 08:31:16
リベリアで活動していたころ、助産婦学生と一緒に「現地で安く調達できる食材を食べましょう」と、小さい子どものいる家を回っていました。



みんな、「アメリカ人は、コーヒーとパンを食べているから体が強いんだ」なんて信じていましたから。

「高いお金を出してパン(ガーニアンブレッド)を買うのではなくて、豊富に取れるピーナッツやトウモロコシを食べましょう」と。

高いばかりで、栄養の低い食材のことを「エンプティカロリー」と呼んで、注意するように促していました。



でも、多くの人はコーヒーとパンが好きで、無駄にお金を使っていたようです。

海外からの商売にしっかり乗せられていたのかもしれないですね。



「豊かって何かな?」私も最近よく考えています。
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パン (Kuni Takahashi)
2006-06-09 10:26:43
面白いものですね。僕の接してきたリベリアの人達はほぼすべて米食で、パンを好んで食べる人には出会いませんでした。時代の変化でしょうか。
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Unknown (星河)
2006-06-10 12:22:17
同感です。

私の話で大変申し訳ないのですが、私は田舎育ちだったからでしょうか、私にとっての「本当の美味さ」って「畑で取れた野菜を何もつけずにすぐさま畑で頂く」事だと思っちゃってます。生い立ちって重要なんですね。。
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むかし、むかし・・・・ (jojo)
2006-06-10 23:10:33
>時代の変化でしょうか。



あはは・・・そういえば私がリベリアにいたのはもう18年もむかしのことですね。

なんといっても政治も治安も経済も変化していることだし。



当時子どものいる家へ出かけて「こんな食物を食べましょう」と保健指導するときに使ったポスターがあります。

同じものが、「戦争が終わっても」の38ページ(掃き掃除をしている部屋の壁に貼られている)に載っているので、はじめてみたときから懐かしいなと思っています。
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