昨日、シカゴ・トリビューンのエディター(日本では主幹というのだろうか、編集部のトップ)アン・マリーが辞任を発表した。
これは僕らにとっては大事件だ。
もちろん、これは新オーナーであるサム・ゼルの拝金主義のえげつない経営方針に対する彼女なりの回答であることは容易に察しがつく。
不動産業で成り上がってきたゼルは、これまで新聞業やジャーナリズムとは全く縁のなかった人間だ。こういう人だから、新聞社とはいえまるで不動産の一部としか考えていないし、報道の質など二の次でとにかく利益をあげることしか頭にはない。先月は本社の建物であるトリビューン・タワーまで売りに出すといいだした。
彼はウェブサイトのクリック数ばかりに記事の価値を置き、国際ニュースも激減させた。公の場で「読者はイラクの情勢よりも、地元の子犬のニュースの方に興味があるんだ」とまでのたまったのだ。
こんな経営方針に嫌気がさして、今年に入ってからもかなりの数のベテランの記者達が早期退職していった。彼らにとっては、いまが辞め時、といった感もあったのだろう。
しかし、「利益をあげる」ためにはこれでもまだ足りず、先週会社は8月末までに60人の首切りをすることを発表。これはニュース・ルームの14パーセントにあたる頭数で、実施されれば報道の質にも大きく影響がでるのは必至だ。
アン・マリーの辞任のニュースを聞いて、僕はなんだかトリビューン・タワーががらがらと音を立てて崩れていくような場面を想像してしまい、いささかショックをうけた。
別にトリビューンに特別の忠誠心などがあるわけではないが、それでもアメリカ5本の指にはいる新聞社として長年の伝統を培ってきたこの会社が、こんなひとりの拝金主義の男のために崩れ去っていくのを見るのは寂しいものがある。
これは僕らにとっては大事件だ。
もちろん、これは新オーナーであるサム・ゼルの拝金主義のえげつない経営方針に対する彼女なりの回答であることは容易に察しがつく。
不動産業で成り上がってきたゼルは、これまで新聞業やジャーナリズムとは全く縁のなかった人間だ。こういう人だから、新聞社とはいえまるで不動産の一部としか考えていないし、報道の質など二の次でとにかく利益をあげることしか頭にはない。先月は本社の建物であるトリビューン・タワーまで売りに出すといいだした。
彼はウェブサイトのクリック数ばかりに記事の価値を置き、国際ニュースも激減させた。公の場で「読者はイラクの情勢よりも、地元の子犬のニュースの方に興味があるんだ」とまでのたまったのだ。
こんな経営方針に嫌気がさして、今年に入ってからもかなりの数のベテランの記者達が早期退職していった。彼らにとっては、いまが辞め時、といった感もあったのだろう。
しかし、「利益をあげる」ためにはこれでもまだ足りず、先週会社は8月末までに60人の首切りをすることを発表。これはニュース・ルームの14パーセントにあたる頭数で、実施されれば報道の質にも大きく影響がでるのは必至だ。
アン・マリーの辞任のニュースを聞いて、僕はなんだかトリビューン・タワーががらがらと音を立てて崩れていくような場面を想像してしまい、いささかショックをうけた。
別にトリビューンに特別の忠誠心などがあるわけではないが、それでもアメリカ5本の指にはいる新聞社として長年の伝統を培ってきたこの会社が、こんなひとりの拝金主義の男のために崩れ去っていくのを見るのは寂しいものがある。
拝金主義でなくても、人の傲慢さはいつも時も想いもなにもかもを奪おうとしますよね。権力好きの人はよく働いて、自分のチカラを誇示したくなるのでしょうが。あまりに愚かです。
「読者はイラクの情勢よりも、地元の子犬のニュースの方に興味があるんだ」は、
そのヘンにいるおっちゃんだったなら名台詞になったかもしれません(心あるそのヘンのおっちゃんごめんなさい)。
それが目先の動向にばかりとらわれて、記事の質を落としては、ブランド失墜になり、結果的には読者も離れて行ってしまうことをわかっていないのでしょうか?
それとも、その時にはまた会社ごと手放すつもりなのでしょうか?
いづれにしても、品格の微塵も感じられないオーナーですね。
高橋さんがダウン気味になるのが分かる気がします。