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本、高慢と偏見、ジェイン・オースティン (続)

 NHKのEテレ番組「100分で名著」のテキスト、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」を読み、その後図書館で借りてきた「高慢と偏見」を読み始めた。



 集中力の続かない昨今、文庫本で660ページあるこの本を読みきれるかなと心配した。実際200ページ読むのに一週間かかってしまったのだ。ところが残りの400ページ余りを一日で読み切ってしまった。

 この本は200年前英国の女流作家によって書かれた中流階級の家族の日常を描いた恋愛小説である。賢いが皮肉屋の父親と馬鹿な母親の間に生まれた5人姉妹。その長女と次女の話が中心になる。

 定石通り、出会い、別れと大円団の構成になっている。こんな単純なプロットで660ページ、情景描写が延々と続くのだろうと思っていたら、余計な文章は無い。逆に短い文章が読者の想像力を刺激する。

 この物語では次女エリザベスとその相手ダーシーの心の動きを会話を中心に表現されている。ところがテキストによると、この本の中でもうひとりの主人公、長女のジェインとビングリーの会話はただの一つも書かれていないというのだ。これには驚いた。彼らの会話は読者が無意識に頭の中で組み立てたものということになる。

 会話による状況説明、地文による会話の表現などいろいろな技術を駆使し本文の何倍もの情報を提供してくるこの本、翻訳も素晴らしいのだろう読みやすい。おすすめの本だ。



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