熊本熊的日常

日常生活についての雑記

2009年02月04日 | Weblog
来週、所用で鳩ヶ谷へ行くので、経路の下見に出かけてきた。埼玉高速鉄道の南鳩ヶ谷駅から30分ほど歩いて目的地までの目印を確認しておく。そのまま第二の経路として、日暮里舎人ライナーの見沼代親水公園駅まで20分ほど歩く。

埼玉高速鉄道にしても日暮里舎人ライナーにしても、建設に至った経緯は知らないが、民間事業としては経営がかなり難しい路線だと思う。片や第三セクターであり、片や都営であるからこそ運行できているのだろう。どちらかと言えば、舎人ライナーのほうが乗降客が多い印象を受けた。埼玉と東京の差があるということかも知れない。

日暮里舎人ライナーの軌道は全線高架上を走っている。見沼代親水公園から隅田川を渡るあたりまでは、街並を見下ろすような恰好で走っているのだが、そこから日暮里寄りは立ち並ぶマンションの間を縫うように走る。部分的にしか見たことはないが映画「メトロポリス」を彷彿させる景色だ。

日暮里に着いて、まずは駅前の甘味処でしるこをいただく。先日、子供と一緒に竹むらで食べたものとは違って、素朴な感じがする。これはこれでよいと思う。ここから歩いて東博へ行くつもりだったのだが、途中あちこちで引っ掛かっているうちに出勤の時間になってしまった。

この谷中界隈には工芸品を扱っている店が点在している。それこそ商売として成り立っているのか疑問を感じないわけにはいかないほど、寂然とした佇まいの店ばかりである。尤も、店売りだけで商売しているわけではないのだろう。なかには単価の高い商品ばかり扱っているところもあり、客の多寡で商売の様子を語るわけにもいかない。朝倉彫塑館の前の通りを上野方面へ歩いていくと鼈甲を扱う店がある。ここのショーケースに並ぶ商品は、例えば眼鏡フレームがン十万円だったりする。そこからさらに上野寄りにある江戸指物の店には5万円近い箸入れがあった。どれもこれも私には手の届かないものばかりだが、普段はあまり物を欲しいとは思わないのに、このときばかりはひとつふたつ手元において使ってみたいと感じる。

そうした工芸品の展示販売もしながら喫茶もあるという店がいくつかあり、そのひとつに入って、他に客もいなかったので、コーヒーをいただきながら、スタッフの方にいろいろお話をうかがってみた。その店の喫茶に使われているテーブルや椅子は松岡信夫の作品だが、それも売り物なのだそうだ。今までいろいろな飲食店にお邪魔したが、テーブルや椅子に値札の貼ってあるのはここが初めてだ。テーブルも椅子も鉄の造形と天然木の天板や座面の組み合わせになっている。古木の持つ重量感と鍛造された鉄の重量感とがうまく調和していておもしろいと思う。

前回、谷中を訪れたときは珈琲専門店で店主とコーヒー談義に花を咲かせた。今回はギャラリーで、展示品を眺めながら楽しいおしゃべりに興じた。どちらも初対面なのに、なにかしら共通の取っ掛かりがあれば、そこから湧き出すように会話の世界が広がる。こういうのも縁というのだろうか。

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