熊本熊的日常

日常生活についての雑記

確定申告

2010年02月11日 | Weblog
休日は人出が多いので、なるべく外に出ないようにしている。今日はとうとう一歩も外へ出なかった。

家庭を持っていた頃は、家に居るのが苦痛だったが、独り身となった今は、家に篭っていることが快適だ。このまま何日でも家の中で過ごしていたいほどである。基本的に暇なので、本を読んだり落語のDVDを観たり、このブログの原稿を書いたりして過ごしている。ただ、今日は生憎と確定申告の書類を作らなければならなかった。早く申告すれば、その分早く還付金を受け取ることができるので、懐具合が怪しい身としては、一刻も早く現金収入を得るべく、ここが奮起のしどころなのである。

社会人になって25年になるが、ほぼ一貫して給与生活者である。勤め人というのは気楽なもので、税金だの健康保険だのという面倒なことは全て勤務先の企業が計算をして納めてくれる。だから、おそらく給与生活者の多くは、生活費のなかで税金がいかに大きな割合を占めているかということに気づいていないと思う。勿論、生活費の構成には世帯差がある。しかし、おそらく絶対金額として最も大きいのは食費で、それに次ぐのが所得税と住民税と消費税を合わせた税金だろう。持ち家の人ならば固定資産税と都市計画税もこれに加わる。給与生活者にとってありあがたいことに、必要な書類を勤務先に提出すれば、年末に所得と納税額とを計算して余計に納めた税金を年末調整として戻してもらえる。

しかし、そうした煩雑な事務を丸々他人任せにせず、自分で少しでもかじってみれば、さらに戻すことができる。その機会が毎年2月15日から3月15日までの1ヶ月間限定で受け付けてもらえる確定申告だ。広く知られているのは年間10万円を超える医療費に対するものなのだが、他にもいろいろあるので、あらゆる可能性を探る価値はあると思う。

国税庁のほうも、以前に比べれば懇切丁寧に様々な手段を講じて確定申告をしやすい環境を整えている。少し使い勝手に難があったり、わかりにくいことがあったりする部分もあるが、ネットで所定の数字を入力していくだけで還付の有無がわかるシステムがある。ついでにそのままネットで確定申告書を送付することもできる。但し、これにはそれなりの用意がなければならない。

この電子申告システムが、何年か前から稼動しているe-Taxと呼ばれるものだが、これを利用するにはカードリーダーを用意しなければならない。昔と違って本人確認というのがやたらと面倒な時代になってしまったが、カードリーダーを買い、本人確認のためのカードを申請してまでe-Taxを利用しようという人がどれほどいるものなのだろうか。なるべく利用者に負担をかけさせずに物事の普及を図る、というのは民間では当たり前の発想なのだが、役所はなんだかんだ言っても上から目線で国民に対する習慣があるので、利用してもらいたいのかもらいたくないのか、わけのわからないシステムを、おそらく何十億円もかけて作ってみたりするのだろう。その開発費は税金で賄われているという意識は、たぶん無い。あれば、もっと考えるはずだ。どうしたら、費用対効果の大きなことができるだろうか、と。

ちなみに、ロンドンで暮らしているときは、年末調整というものが無かったので、自分で年末に税金の調整をすることになっていた。この制度を”Tax Return”と言うのだが、誰にとっての”Return”かということを明示していないところがミソである。英国でも企業が従業員に代わって所得税を給与から天引きして納税するが、そもそも「年末調整」という発想がないので、毎月可能な限り過不足なく徴収するというのが基本である。住民税については各自が自分で納税する。日本でも「普通徴収」を選択すれば自分で納税するので、これも同じといえばいえなくもない。さて、年末の”Return”だが、カードリーダーなど無くともネットで申告が可能である。そして私の場合、わずかな金額ではあったが、追加で納税することになってしまった。納税の場合、その金額が5ポンド以下なら翌年に繰り越して、翌年分と合算して支払うこともできるが、帰国が決まっていたので、きちんと納めてきた。ちなみに、その金額は1.8ポンドだった。

私にとっては英文というハンディがあるにもかかわらず、日本の確定申告のサイトよりは英国のもののほうが使いやすかった。それでも、ネット上で確定申告に必要な各種書類を作成できるようになったのは有り難いことだ。もう少し使い勝手のよいインターフェースなら申し分ないのだが、日本の役所にそんなことまで期待できまい。

結局、今日は確定申告の書類を作成し、明日、それを税務署に郵送すれば、受付開始日の15日に受領されるだろう。還付はいつになるだろう?

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