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熊本熊的日常

日常生活についての雑記

民芸

2011年07月07日 | Weblog
日本民藝館の友の会の更新に出かけてきた。郵便振替でもできるのだが、せっかくの機会なので足を運んだ。開催中の企画展は「芹沢介と柳悦孝 染と織のしごと」である。一月ほど前に静岡の芹沢介美術館を訪れたばかりなので、なんとなく親しい印象を受けた。

「民芸」というのは民衆的工芸品の略である。日本民藝館を構想し創設した柳宗悦が濱田庄司、河井寛次郎、富本憲吉と共に1926年に発表した「日本民藝美術館設立趣意書」にもその言葉が使われているそうだ。今、「日本民藝館は美術館です」と言われて、違和感を覚える人は少ないのではないだろうか。それは「民芸」が「美術」の一ジャンルとして社会的に認知されているということでもある。しかし、美術として「認知」されているのは濱田や河井や富本らの仕事であって、「民衆的工芸品」のなかに一緒くたにされる無名の作家や職人の仕事ではないように思う。「美術」とは何か、「美」とは何かということについての考えが無いままに、単なる知名度の高さを盲目的に有り難がる一般的風潮のなかで、「民芸」は柳らが考えた姿とはかけ離れたものになってしまっている。言葉だとか数字といった記号は、ひとたび生まれると、その創造や成り立ちとは無関係に独り歩きを始めるものなので、言葉の意味が変容したり内実を失ったりすることはよくあることだ。しかし、自分の生活圏にかかわるところのものは、やはり気になるものである。大学で履修している科目のなかに関係するところもあるので、今年の下半期は民芸について考え、それをなにかの形にまとめるということをテーマのひとつにするつもりでいる。

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