熊本熊的日常

日常生活についての雑記

義民の里

2019年07月21日 | Weblog

信州青木村にやって来た。地方に出かけて驚くのは、経済が維持できていることだ。もちろん、行政の財政は補助金頼りだろうし、日ごとに状況は悪化しているかもしれない。結局、付加価値を生む産業しか村おこしとか町おこしができない。今日訪れた場所はどこも静かだった。上田駅前、青木村の美術館、道の駅、修那羅峠、前山寺、無言館。日曜日でこれほど静かなら、平日はどうなのだろう。

大法寺では桑の実と御守を買った。ここのかつての産業は養蚕だ。米の取れない多くの地域で養蚕が経済を支えた。桑を植え、蚕を飼い、糸を取り、糸の終わった蚕は鯉の餌になった。鯉は食用にも観賞用にもなり、地域の収入となった。桑の実や蚕が食べ残した葉を人間が食べた。無駄がない。

道の駅の看板メニューが蕎麦だ。信州の蕎麦は有名だ。最近できたタチアカネという新種の蕎麦がイチオシなのだそうだ。せっかくなので、その蕎麦をいただく。普通に美味しい。

修那羅峠の石仏は一時話題になったそうだ。今はブームが去って静かになったが、ブームのときに山道が舗装されて歩きやすくなった。ブームというとあまり良い印象は受けないが、悪い事ばかりではない。石仏を筆頭に、ここの仏様ははっきりとした笑顔が多い。仏が笑顔というのは何を意味しているのだろうか。せめて仏様のお顔くらいは笑っていただこうということだろうか。はっきりした笑顔の陰には、はっきりした泣き顔があるということか。豊かな土地というのは本来、穏やかで、なにかがはっきりしているということはないものだ。

無言館については何も言うことはない。笑顔の仏様と同じような悲しみが感じられた。

夜は別所温泉に宿をとった。古いけれどよく手入れの行き届いた立派な宿だ。ここの従業員の笑顔も少し怖い感じがした。


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