くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

一瞬の人間関係

2013年04月03日 | Weblog

■サイドビジネスの統計調査の話:今、総務省の労働力調査をしている。実地調査で抽出世帯に調査票を配布し回収する仕事だが、問題は不在がちのお宅に何度も足を運ばないといけないことと、非協力的な世帯をどう説得するかだ。特に後者は気持ち的に重要だ。もう最初から「協力したくない。帰ってくれ」的なお宅が必ず1件や2件はあるもので、特に若い人に話も聞かないうちから一方的に言われるとこちらも「なんだ、こいつ!」と思って1日中気分が悪い。きっと調査員の調査で一番の障害ではないかと考えている。

僕は本職が統計調査の指導員でもあるので、こういう 調査員の不満も聞いてやらないといけないというジレンマがあり、自分で調査をしてみて対策を講ずるという必要もあるわけだ。調査員は普通年配の退職者などが多いので金銭的な問題ではなくこういう心理的感情的問題でやる気をなくす場合が大部分だ。いや、こんなことは必ず1件や2件あるんですよ。そんな人から無理に協力してもらわなくていいんですよ。といいながらも、半分かそれ以上も拒否者がいる調査員がたまにいると、いったいこの調査員は何をしているんだろうかと頭をかかえるはめになる。

先月調査票配布の時、こんなことがあった。マンションのインターフォンでお願いすると若い男の声で「どうしても書かなあかんのか!」といきなり来たから「法律できめられていることで、、」と言ったとたんプツンときられてしまった。しまった!確かに国の統計調査は皆法律で順守義務が定められており拒否には罰則があるということを普通の人は知らない。僕も最初は知らなかった。これを言うとこういう風に皆拒否されてしまうから言ってはいけないのだ。変人やヤクザ系からは何を言われても別にどうともないが、なにも内容を言わないうちから特に若者にこうした対応をうけるとカチンとくるものだ。「いまどきのやつ、どうなってるんだ!」

次のマンションのある部屋でまたおなじような返事が、、。若い女性だ。そこで今度は「もし、ご面倒でしたら白紙のままで、できれば電話番号だけでも書いて封をしてそのまま戻される方もいらっしゃいますが、、、」「そんなんでいいんですか」、、と、わざわざ戸をあけて配布用紙をとってくれた。対応とは裏腹に可愛い風な若い女子だ。やった、、いけるぞ。顔を合わせる、ってことが大きいんだ。、、と、その時は思った。

そして回収のために再度訪問。若い男子の場合は前回無理やり調査票をポストにいれたこともあって、うるさいなあ!という感じで「そんなのまだ書いてないよ」と来たので、「それじゃあ、また後で来ますがいつごろ、、」と言おうとする瞬間プツン!あーぁ、やっぱりここはダメか。後で再訪問の予定のメモを入れておくか、、と一旦帰る。若い女子のマンションは不在なので明日再訪問のメモをいれた。

翌日の今日、日程はないが若い男子のマンションでしばし考え込む。うるさい、しつこい、と思われるともうだめだし、ここはまず絶望的だが、、、不在みたいだし、、でも、ダメモトで行ってみるか!と、インターフォンに相手がいきなり出てきた。一瞬、しどろもどろ 、、ようやく立て直して「白紙で戻していただいていいですから」「いや、書いたんだけどあんたは信用できん、、」(えっ、こいつ、なにいってんだろ、、でも書いてるゾー、、)「それは封入提出というちゃんとした方法がありまして、、」「んなら、取りに来い!」プツン!、、(たしか「取りに来い」って言ったような、、あっドア開けてくれてるぞ、やったぁ)ドアを開けて出てきたのは普通の人。ヤクザでも暴走族でもない。だまって封入した封筒を手渡してペコリと頭をさげた。(どうなってるのかな?)、、、今月もありますのでよろしく、と言いそびれてしまったが、今度は普通に回収できるかもしれない、、。

次のマンションの女性の部屋は明かりが見える。これはいけるぞ!インターフォンを鳴らす、、が応答なし。もう一度!もしいるならメモを見て目的がわかっているはずだ。意識的に出ないこともあるだろう。3度目を鳴らすことはせずに次の訪問予定メモをはさんでマンションをあとにした。3度目のチャイムがくせものなのだ。3度もならしてしつこい調査員がいるというクレームが県に寄せられたことがある。本人が居留守を使っていながらクレームすることはないだろ、、と思うんだが、、、、何度も来てもらって申し訳ない、と思わせるためには微妙な心理作戦が必要。それがどれだけ効果あるものかはわからないのだが、、、。

先般、不在でメモを残してきた世帯の人から電話があった。「メッセージ見てくれてないんですか!連絡用ポストに朝から入れてあるんですよ!」「えーっメッセージですかぁ?」そうだ、携帯にメッセージを送ったと言ってるのだ、と始めて気づいた。こちらは連絡用電話番号を残したから電話がかかってくるものとばかり思い込んでいた。今どきの携帯メールはキャリアが違う相手にも普通に送れる、、メールの他にメッセージやらLINEやら、、ややこしい時代になったもんだ。確かにメッセージにポストを開ける暗証番号も書いてあって回収できた。領収したメッセージを送ると丁寧な挨拶が戻ってきて、、気分はルンルン。どんな人なんだろうか?

この仕事の醍醐味を聞かれれば、きっと相手との、この一瞬の対応、一瞬の人間関係の妙ってか、、、ま、難しいっちゃ難しいんだが、、、。 

 

 

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