くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

キーンvs崋山

2007年09月03日 | Weblog
■コロンビア大学のドナルド・キーンの対談を聞いていた。彼の見た渡辺崋山像というのがおもしろい。

日本画家として初めて西洋画法を取り入れた、つまり陰影による3次元画像をアートにした渡辺崋山。浮世絵が西洋美術に及ぼしたことの反対の事情は日本では彼の政敵によって葬り去られてしまった。蘭学やキリスト教は敵を攻撃する材料とされたのだ。

家老職にあった彼は保守権力の中枢にいながら国外情報に深くかかわったアーティストだったんだ。簡単に自殺に追い込まれてしまったがとても幅の広い考えを持った人物だったようだ。悪人でも彼と一緒にいると善人になってしまうといわれたそうだから相当厚い人望をえていたらしいし、かなりユ-モアを解する大男だそうだ。

キーンは戦時中敵国日本の情報解読担当者として日本の古文書に接したことがきっかけとなり85歳の現在まで毎年半年以上を日本で過ごしていて毎日が新発見の連続だそうだ。

外の文化に対するあくなき興味と好奇心、キーンは崋山のそんなところに自分との共通点を見ていたようだ。いままで画家という淡い印象しかない人物が急に色濃く浮かび上がり重要なキーパーソンになった。

これもキーンと言う異文化人の目で見た日本人観だからこそ面白く生き生きとした人生に生まれ変わるのだろう。
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