くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

友人の死

2007年02月10日 | Weblog
■昔、吉川という親友がいた。損保のアジャスターという事故調査のプロで高給取りだった。弁護士の手伝いをしていたころ、ある奇怪な事件の事故解明にずいぶん助けてもらったことがある。

彼は片町で飲みつぶれていて轢き逃げされた。若くて美人の奥さんは3人の子供をかかえ、死亡保険金をめぐって舅、姑さんと対立し姻族関係取消の訴訟に発展した。僕が舅さんからいろいろ相談されていたと疑われてか、奥さんから「もう相談に来ません」といわれて以後会ってない。もう15年以上前の話だ。

吉川には和田という親友がいた。子供のころの吉川の複雑な親子関係のトラウマを共感できる関係だったことはずいぶん後で知った。中学時代時代から飛びぬけ優秀だった和田は京大だか阪大だかを卒業し某大学の教授としてフランス語と経済を教えていると聞いた。

アメリカから帰国して、行きつけの「アリスバー」のe-メールを通じて和田と連絡がつくようになった。マスターとは同級生だったからだ。和田は大学時代に過激な紛争に関与してから以後、一切過去の経緯を語らない男だったので、吉川からチラッと耳にしたこと以外は知らない。

彼は僕の就職や仕事についても心配してくれたし、一緒にいちど吉川の墓参りに行きたいと言っていた。我々の多感な少年時代の心の情景と学園闘争に終始した青春時代の影の部分を共有できる時間のミッシングリンクが繋がったような気がしていた。

「アリスバー」で、彼が癌で死んだと聞いた。今年の年賀状メールは来ていなかった。

昔、仕事仲間だった前田君や松原君の訃報を聞いたときと同様なショックに襲われる。

どうして、どうでもいいやつばかり生き残ってるんだ!

コメント (1)
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