30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(2)

2013-08-21 | 登山

 

 笊ケ岳からの大観。南北に連なる南アルプス全山を東側から眺める。当然ながら際涯のない大展望。
なかでも聖岳(左)、赤石岳(中央)、荒川三山(右)が圧巻だ。自分のあしあとを感慨深く眺める。


←笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(1)

椹島から山頂までの標高差は1500㍍ある。振り返ってみると、このコースを次の3つに分けて考えるとメリハリのある歩きができるのではないかと思う。
1、登山口から2020メートルのコルの標柱まで=急な登りが続く。ここで900㍍の高度をかせぐ。
2、標柱から6つの沢を横切って上倉沢まで=繰り返し小さな登り下りが続くが、水平道を歩いているようなもので標高は変わらない。
3、上倉沢から山頂まで=ここで残りの標高差600㍍をかせぐ。

1で頑張り、2の細いトラバース道を注意して歩き、上倉沢まで来ると、これで山頂に立てるなと安心する。3は疲れが出てくるので意外とつらい。体力を配分しながら、時間を気にしながら歩くことになる。


山行詳報
2日目

コース&タイム
8月18日(日) 椹島ロッヂ・テント場4:30-4:45登山口-5:10鉄塔-6:52標柱7:00-7:12一ノ沢-7:43三ノ沢-8:23五ノ沢-8:59上倉沢右岸-9:03上倉沢左岸-9:13涸れ沢出合い-9:29涸れ沢から樹林帯へ-10:16椹島下降点10:25-10:58山頂11:35-11:50椹島下降点-12:35上倉沢左岸12:40-13:45三ノ沢-14:20一ノ沢-14:35標柱14:55-16:25鉄塔-16:45登山口-17:00椹島ロッヂ・登山小屋(泊)

[今回は往路編]

いよいよ登山当日。よく眠れた。3時50分に目が覚めた。テントから夜空を仰ぐと星空だ。なんかいい予感。
日帰り用のザックを持ってきた。できるだけ荷を軽くした。
水は途中に沢が6本もあるというから、補給はたやすい。それでも1リットルを入れた。
テントはそのままにして、ヘッドランプを点けて出る。まもなく日の出が近いが真っ暗だ。

 登山口。きのう下見した。すぐに登り始める。

道標は赤布、赤テープ、、赤・黄色のペンキ、それに下の写真のようなものまでいろいろある。それを追って行けばいいのだが、暗いうえに目が悪いからなかなか見つけにくい。まごつく場面もあった。



鉄塔だ。ここでヘッドランプを消す。1858メートルまでは急な登りが続く。ひたすら登る。つらい。歩きやすい道ではない。



鉄塔を過ぎてもテープ類の目印はあちこちにあり、明るくなったこともあり、迷うことはない。踏みあとははっきりしている。
ただ下ばかり見て歩くとテープを見失うから、顔を上げてはテープ類を見つけながら進む。
やっと緩やかになった。高度計を見てこのあたりが1857メートル地点かと。



2020㍍のピークを左にまいて鞍部に出る。



ここに立派な標柱があった。ここまで赤テープの類ばかりの道標を見てきたから、その格差に思わず戸惑ってしまう。黄色いテントがひと張りあった。きのうここまで担いで登ってきたのだろう。声をかけたがすでに出発していた。ここまでだれとも会っていない。この先、少なくとも一人と会うはずだ。
ここで腰をおろしてひと休み。単独で歩くとたいがい立ったまま休む。今回は先が長いから用心して体を休める。われながら慎重である。ここまでが冒頭書いたようにこのコースの3分の1歩いた。あと3分の2だ。



ここから6本の沢を横切るトラバース道に入る。約2時間だ。このトラバース道がどんな様子なのか山行記録を読んでも想像できなかった。右手をトラバースしていく。左が山側、右が谷側になる。



最初の沢



一本目の沢を横切って、ようやくこのトラバース道がどんなものかわかった。沢音が近ずくと沢まで下り、それを横切ると尾根まで登り返してトラバース道を行く。この繰り返しだ。道は細い。足を滑らすと谷底まで落下する。思っていたよりも注意しなければならない。神経の集中が必要だ。急な登りと下り。危ないところにはロープがある。とにかく慎重に歩く。ここで滑落すれば、まあ見つからないだろうな。

6本ある沢を、1本通過、2本通過と数えていく。沢に下りてはまた登る。この繰り返しが意外と疲れる。

四ノ沢を横切って尾根に出ると樹間から姿のいい山が見えた。笊ケ岳かと思ったが、地図で確認すると笊ケ岳はもっと南側になる。

六ノ沢。これで終わりだ。同じような沢が続くので何本横切ったかあやしくなった。これで無事にトラバース道を抜けることができてほっとした、そんな感じだ。緊張しっぱなしだった。

そして、上倉沢の右岸に出た。とうとうここまできた。体力はまだある。時計を見ると予定通りにきている。「これで山頂に立てるな」。そんな思いになった。うれしい。

約2時間かけてトラバース道を登っては下りるという繰り返しをしてきたのに、高度はまったく変わっていない。トラバースの道に入ったときと、この上倉沢の標高はまったく変わっていない。この2時間なにをしていたんだと思いたくなる。

上流部に目をやると、これまた姿のいい山が見えた。これが笊ケ岳か。方向はそうだ。ヤマケイアルペンガイドを見るとこれを笊ケ岳だとしている。しかしネットで見た山行記ではこれは笊ケ岳ではないという。どちらが本当なのか。これは調べなければいけない。

ここから涸れた河床を通って左岸に渡る。向こう岸に大きな岩とはっきりした道形、それに赤い布が見える。真横に行くのではなく、斜め下流に行く感じだ。これはなんどもシミュレーションしている。



左岸の登り口には赤布が巻かれていた。そこから問題なく左岸に上がった。その左岸から右岸を見る。帰りの道を目に焼き付けておかなければならない。



左岸からはハイマツ尾のガレ場が見える。ここから残りは3分の1になった。さあいよいよだ。



道なりに行くとすぐに樹林帯に入る。赤布がある。

10分ほど行くと涸れ沢にぶつかる。ここを左折する。右折しないよう倒木で柵がある。



この涸れ沢を登る。あちこちに赤布が目立つ。

花は少ない。目立つのはトリカブトばかりだ。



涸れ沢を行くこと20分弱。右手から土砂崩れが涸れ沢は入り込むところに、ここは左に行くんだよと「笊ケ岳」の道標。



すぐのところにまた道標。ここから涸れ沢を離れて左の樹林帯に入っていく。



この樹林帯を登り詰めると「椹島下降点」の稜線に出る。一人の男性が下りてきた。2020メートルの鞍部にテントを張っていた人だ。このコースではじめて人に会う。すぐあとにもう一人下りてきた。仲間だという。
「山頂からは南アルプス全山が見渡せ、富士も見えた。しかし東からガスが出て富士が見えなくなって下山を開始した」
朝早くでないと富士は見えないというのは本当らしい。残念だがあきらめるしかない。
「頂上にいた伝付峠から来た3人組も下山して行って山頂にはだれもいない」
これはまずい。写真を撮ってもらえない。セルフタイマーで撮るしかないか。
そんなことを考えながら、一刻も早く展望を見たと急くのだが、速度が鈍くなった。

そんなとき、樹木の間から大きな山が見えてきた。もしや。、見えてきたぞ。
赤石岳(左)と荒川三山(右)だ。西の方はこの青空だ。さあ急ごう。



アップ。



椹島下降点。稜線に飛び出した。ここから山頂まで20分だというが、気ばかり焦って足が動かない。



稜線の向こうに笊ケ岳の山頂が見える。稜線からはますます展望がよくなる。よかった。本当によかった。

ようやく山頂。11時前に着いた。出発して6時間半。予定通りだ。富士は確かにいまはガスの中だが、西には期待の絶景が待っていた。これは次回にする。
だれもいないと思っていた山頂に一人の若者がいた。南アルプスを眺めていた。身延側から登って10分ほど前に着いたという。山登りははじめたばかり。厳しい笊ケ岳に登れたら、ここから見える山々にも登れるのではないかと挑戦したという。なかなかいいことをいう。目の前にずらり並んだ山の名前を教えてほしい、という。北から南までの南アルプスの山々を、自分が歩いたあしあとを思い出しながら順に確認しながら名前を挙げていく。いい時間だね。
笊ケ岳は山梨と静岡の県境にある。山頂標柱も静岡と山梨の2本があった。若者に写真を頼んだ。さきほどまでの疲れ果てた気分はどこかに吹き飛んでしまった。よたよたじいさんはルンルンじいさんになっていた。

 

次回は山頂からの展望と復路の報告になる。

⇒笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(3)へ続く


   

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