30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

北八ツよたよた彷徨(3)

2013-08-13 | 登山

根石岳から見る西天狗岳(左)と東天狗岳(右)。高山の雰囲気になってきた


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山行詳報
2日目
コース&タイム
 8月9日(金) 赤岳鉱泉5:35-7:30硫黄岳7:50-8:28夏沢峠8:35-9:25根石山荘9:40-9:50根石山-10:25東天狗岳11:00-12:06中山峠12:25-13:00中山展望台13:30-14:33高見石小屋-14:42高見石-15:45青苔荘・白駒池キャンプ場(泊)

2日目のきょうはがんばらなくちゃいけない。3日間の中で一番の長丁場になる。赤岳鉱泉から白駒池のキャンプ場まで歩く予定だ。目的地までは登っては下り、下っては登るの繰り返し。水は1リットルを用意した。根石山荘に水場があるからそこで補給する。八ツは小屋が多く水の補給には困らない。

まずは硫黄岳を目指す。赤岳鉱泉から2時間の予定。きのうでザックの重さに少しは体が慣れた。1時間半ほどで稜線が見えてきた。まだガスが晴れない。当然ながら青空を期待している。 

硫黄岳山荘に泊まった登山者がつぎつぎと下山してくる。朝はガスでなにも見えなかったいう。わたしは登山者によく声をかけて情報を仕入れる。 というよりひとり旅だから、よく話しかける。山ガールで若くきれいな子には必ずといっていいほど声をかける。よたよたじいさんはそれだけで元気になる。他意はない。



様子がどうもおかしい。青空が消えて、ガスがどんどん広がってきた。なんかまずいぞ。



コースタイム通りに硫黄岳山頂に着いたのだが、ガス、ガスである。硫黄岳からの展望を楽しむはずだったのにこのガスだ。なんともいまいましい。山頂標識近くの石室の前に座って20分ほどガスがはれるのを待ったがとうとうだめだ。これ以上ゆっくりもできないので腰を上げる。

ここからいよいよ北八ツの縦走だ。

硫黄岳の稜線は広い。ガスが出ると迷いやすい。そのためにケルンがあちこちにある。2人連れが右往左往している。このガスで夏沢峠への下山口が分からないでいるようだ。大きなケルンが目の前にあるのに、まったく見ようとはしない。山慣れしていないのは見ていてすぐにわかる。わたしも夏沢峠に向かう。2人連れに声をかけて、下山口はこちらですよと教えてあげた。



硫黄岳を下山していると北方面のガスが取れてきた。あれれと声をあげる間もなく天狗岳、真下には夏沢峠の山小屋が見えてきた。振り返ってみると南方面はあいかわらずガスの中だが、気分ががらりと変わる。だれだってそうなる。



硫黄岳から40分で下って夏沢峠。ここは東西南北の道が出会う十字路で登山者が多い。



夏沢峠からはまた箕冠山への登りになる。急坂が続くわけではないのだが、この登りがこたえた。木の間から東西の天狗岳に挟まれたかっこうの根石岳が見えてきた。


やっと箕冠山。見通しのない山頂だ。やたら道標がある。八ツは分岐になると標識が多い。



ここがら下って根石岳との鞍部。そこに根石山荘がある。周囲はコマクサの群生地。盛りは過ぎてそろそろ終わりだ。



根石山荘。ここで水を補給する。ありがたい。

根石岳への登り。振り返ると南八ツはいまだガスの中。硫黄岳の爆裂火口がよく見える。

根石山荘から根石岳への登りは短い。ここからの展望がよかった。

目の前に西天狗岳(左)と東天狗岳(右)がそびえる。あそこまで登るのか。大変だ・・・と思ったら。 

根石岳と天狗岳の鞍部に下り、天狗岳の登りになる。登るにつれて、振り返ると南八ツの山山が姿を現した。やっとだ。左から硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳。見慣れた風景でも、やはりこうして見らるのはうれしい。



東天狗岳の山頂直下は急なガレ場だ。よろけて落ちないように、ここは気をつけて通過。

東天狗岳の山頂。
根石岳からは思いのほか近かった。すぐに着いてしまったといった感じだ。この青空。がんばってきたかいがあった。さすがに眺めがいい。頂上にはトンボがたくさんいた。この写真にもトンボが写っている。



南には、南八ツの山々。

北にはこれから向かう北八ツの山々。



そして隣りの西天狗岳が大きい。西天狗岳はパスした。この東天狗でゆっくりしよう。先が長い。体力温存である。30分ほど展望を楽しんだ。じつに気分がいい。

下山にかっかる。東天狗岳の北側も急だ。ここは慎重に。下るほどに大きな石がごろごろ。歩きにくい道ったらなかった。足元を見ながら注意して下っていく。八ツは北も南も石がごろごろして歩きにくい、つまずきそうで苦手だ。



こんな道だから中山峠までは長く感じた。さすがに疲れた。ここでザックを放り出して大休止だ。ここまでは、重荷でよたよた歩きながらも、コースタイム通りにきたのだから、たいしたものだ。しかし疲れた。きょうはここでやめて、すぐ近くの黒百合ヒュッテのテント場にしようかと弱気になった。それでもいい。明日の予定コースは短いのだから。さあどうするか。やっぱりこの稜線を先へ進もう。高見石、ニュウ、白駒池への道を取る。



ここからも石がごろごろしたいやな道だ。いいかげんにしろといいたくなる。すぐに展望が広がった。天狗岳をこんどは北からら眺めることができる。左は硫黄岳。



中山展望台。中山峠から45分。広々とした空間だ。大きな石が重なって平らな場所だ。展望台というだけあってさすがにのびやかな風景が広がる。きょうは遠望が利かない。見えるのは先程からの八ツの峰々ばかりだ。ここでも大休止。

 



高見石小屋までは中山展望台から約一時間。すぐにうしろの高見石に登る。



高見石から白駒池を俯瞰する。ボートが浮かんでいる。

白駒池まで下りてきた。池のほとりに立つ。やはりボート乗り場があった。とてもいい感じのたたずまい。わたしも無性にボートに乗りたくなった。しかし一人だ。いくら一人が好きだって、ボートだけは好きなひとを前に座らせて漕ぎたい。きっといいだろうな。そんなシーンを思い浮かべながら、ぼんやりと湖面を眺めていた。



目的地の青苔荘の白駒池キャンプ場に着いた。がんばりました。5時35分出発で15時45分着。予定ではもっと早く着くはずであったが、後半は疲れ果てて休憩が長くなった。この年になっても10時間も重荷を背負って歩けた。ヘタヘタになって倒れ込んでしまうのではと思ったりもしていたのに。

小屋の隣りがキャンプ場。水場は近いが、トイレは遠い。いい場所を見つけた。隣りに大きなテントがすでに張ってあった。ある心配があったが、ここでいいかとテントを張っていたら、その人たちが山から下りてきた。男性1人に女性が9人ぐらい。すべてわたしより年長の人ばかり。じっちゃんとばっちゃんばかりで、埼玉の山の会の仲間だという。山歩きに慣れてようだ。

心配が現実になった。なにがっておしゃべりだ。うるさい。いつまでたってもしゃべっている。ご飯を食べたら眠ってくれよといいたい。周りは静寂に包まれているのに、このテントの声だけが広いキャンプ場に響く。これじゃたまったものではない。注意した。30分ほどたったらやっと静かになった。やれ安心とおもいきや、こんどはいびきが鳴り響く。さらにテントの出入り口を開けたり閉めたりするファスナーの音が続く。年寄りはトイレが近いから頻繁に出入りする。わたしはいびきに弱い。だから山小屋は避けてテントにしているのだが、さいきんはこういったケースによくぶつかる。

今晩も寝る前に丹念にストレッチ。きょうのコースは長く、それにアップダウンが多くて厳しかった。夜中に脚が攣って飛び起きるのではないかと心配したが、まったくなかった。疲れ果てたとはいえ、どこかふだんより調子がいい。まだまだできるかなと思ってしまう。これだからいけない。 

 →北八ツよたよた彷徨(4)に続く


   

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