30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(1)

2013-08-20 | 登山

笊ケ岳の山頂。南アルプス全山が一望千里。体力と気力を振り絞った厳しい歩きのご褒美だ


山行日 2013年8月17日(土)から8月19日(月) テント2泊3日
天気 17日晴れ、18日晴れ、19日晴れ
山域 南アルプス
メンバー 単独
コース&タイム
8月17日(土)我孫子駅=静岡駅9:50(南アルプス登山線)=13:15畑薙第一ダム手前・東海フォレストバス停14:30=15:30椹島ロッヂ-登山口下見-椹島ロッヂ・テント場(泊)
8月18日(日)椹島ロッヂ・テント場4:30-4:45登山口-5:10鉄塔-6:52標柱7:00-7:12一ノ沢-7:43三ノ沢-8:23五ノ沢-8:59上倉沢右岸-9:03上倉沢左岸-9:13涸れ沢出合い-9:29涸れ沢から樹林帯へ-10:16椹島下降点10:25-10:58山頂11:35-11:50椹島下降点-12:35上倉沢左岸12:40-13:45三ノ沢-14:20一ノ沢-14:35標柱14:55-16:25鉄塔-16:45登山口-17:00椹島ロッヂ・登山小屋(泊)
8月19日(月)椹島ロッヂ・テント場7:25-8:50鳥森山山頂9:20ー10:10椹島ロッヂ13:00=14:00畑薙第一ダム14:25=17:50静岡駅=我孫子駅


意を決して南アルプスの笊ケ岳を歩いてきた。椹島からの日帰りで歩行時間は12.5時間になった。よたよたじいさんの体力はもう限界だった。時間を気にしながら気力を振り絞った。ご褒美は山頂からの展望だった。山容はシブイが展望は豪奢の極みだ。これを期待して登ってきた。重量感のある南アルプスの山々が行列して迎えてくれた。指呼の間で迫ってくる。疲れがいちどに吹っ飛んで、笑みが広がった。

ことしの夏は、笊ケ岳を歩こうと決めていた。この2年ほど前から左ひざに痛みを感じるようになってから、山に対して弱気になっている。小心で臆病だからこうなる。それがいやだった。そこでハードな山に挑戦することで弱虫を追いだすことにした。無謀かなと心配で逡巡があった。準備として1週間前に北八ツをテントを背負って縦走した。よたよたながらも長い時間を歩けた。「これなら行けるかな」という自信につながった。

笊ケ岳は南アルプスを歩いていると、双耳峰だからすぐに同定できる。歩きたいと思うようになったのは何年前になるのだろう。このときのコースは身延側からテント持参の野宿とある。やっかいだ。しばらくして椹島からの日帰りコースがあることを知った。このコースの山行記を読んでみて、歩行時間は12時間から13時間が多かった。これなら歩ける。というのも、これまで一日に12時間歩いたいうのはなんども経験している。そこで椹島からの日帰りに決めた。いまの敵はわが心の弱虫だけだ。

このコースは、2万5千図に登山道の記載はない。登山道が不整備で道標はほどんどなく、赤テープだけが頼りだという。しかし踏みあとははっきりして山慣れた人なら迷うことはないという山行記を読んで意を強くした。

計画では4時30分に出発して、下山は17時とした。結果的にそうなった。途中までは16時30分には下山できるかなと思ったが、後半にやっぱりばてた。体力、気力、たえずコース取りを注意しなければならないタフなコースだった。道に迷うことはなかった。なんどもコースのシミュレーションをしていたおかげである。

下山して、登山者からも、椹島ロッヂのスタッフからも、「健脚ですね」と褒められた。もちろん口には出さないが「年のわりには」という言葉が頭につくことは承知している。細身でスタイルがよく、やや気の強そうでいて愛嬌のある、要はわたし好みの山ガールからも祝福された。いい気分だった。

弱虫とたたかいながら、このタフなコースを“この年”できちんと歩き通せた。それがなによりもうれしい。この調子だとまだまだ?山を楽しめそうか。


山行詳報
1日目
コース&タイム
8月17日(土) 我孫子駅=静岡駅9:50(南アルプス登山線)=13:15畑薙第一ダム手前・東海フォレストバス停14:30=15:30椹島ロッヂ・テント場(泊)
  

 

 笊ケ岳の姿を近くから眺める機会はない。それが実現した。椹島に向かう
東海フォレストのバスの運転手さんが、3つ並んだ右側の山がそうだという

この夏は「南アルプス登山線」が運行する。昨年は土砂崩れなどで運行中止になった。そのため毎日アルペン号が畑薙第一ダムまでバスを出すようになった。夜行だからこの笊ケ岳を日帰りするには日程的に無駄が出る。しずてつジャストラインは?と注視していた。

1週間前の北八ツテント縦走のときと同じく、テントを詰めた大型ザックで家を出る。重量は18キロ。基本装備は変わらないからいつも大体これくらいの重さになってしまう。

この日、静岡駅北口8番乗り場に集まったのは20人ぐらい。畑薙第一ダムからの帰りの登山者が多いというので、2台の大型バスで出発。1台に10人ずつ分乗した。

 途中でトイレ休憩。アプト式鉄道・井川線の井川駅。

畑薙第一ダム手前の駐車場。
ここで東海フォレストのバスに乗り換える。駐車場は1週間前がピークで、満杯になって道路まではみ出したと、入山届け受け付けの人が言っていた。きょうはだいぶ空きがある。

入山届けの用紙には、椹島から笊ケ岳へのルートが載っていない(下の写真)。それだけまだ認知度が低い道なんだと知った。それを言うと、新しい届け用紙を出してきた。こちらには載っていた。



近くに水場。ありがたい。



東海フォレストのバスを待つ。左のテントが入下山届けの受付。



東海フォレストのバスがきた。椹島まで1時間。畑薙第一ダムを通過。

 畑薙大吊橋。つり橋が苦手なわたしは、こんなところを渡る人の気が知れない。



東海フォレストのバスの運転手さんがいろいろ案内してくれる。
西に笊ケ岳(右端)。あしたはあそこか。

東に赤石岳。山は見る角度で姿が変わる。この赤石岳はなかなかの鋭峰に見える。



椹島ロッヂに着いて、テント場の申し込み。ここのテント場は最高だ。前からここにテントを張りたいと願っていた。左手前がわたしのいつものアライテント。

 フシグロセンノウ。オレンジの花。南アルプスではよく見かける。

テントを張り終えた。夕飯を作る前に登山口を下見することにした。というのもあしたは4時30分出発だ。ヘッドランプで暗闇の道を歩く。用心に越したことはない。
滝見橋手前で千枚小屋への道を左に分け、橋を渡る。



すぐ右手に、笊ケ岳の登山口。



登山道に足を踏み入れた。赤テープがあり、道形ははっきりしている。

しかし、翌朝の暗闇の中では、やっぱりというか、ルートがよくわからす、2度ほど「さあどっちに行くんだ」と迷った。



いよいよ明日が本番。夕食を済ますと早々に寝た。新しく買った耳栓をして。

⇒笊ケ岳ー椹島から激歩12.5時間(2)に続く


   


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