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朝倉 かすみ /田村はまだか

2011年04月09日 | 小説

朝倉 かすみ 著 田村はまだかを読みました。



3月4週の金曜日深夜、札幌ススキノ、小さなスナック・バー「チャオ!」の店内。

小学校のクラス会の3次会。

5人の40才になる男女が大雪で列車が遅れ、クラス会に間に合わなかった「田村」を待つ。

待ちながら各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たち。

今の自分がこうなったのは、誰の影響なのだろう―。

それにつけても田村はまだか?  


小学校の同窓会の3次会のスナックで最後まで残った5人の中年男女とスナックのマスターの花輪春彦も加えた6人が、遅れて到着する予定の「田村」を待ち続けると云う 設定が面白い。

まるで舞台演劇を見ているような感覚で読み始めました。

しかもスナックの外の風景はHさんの故郷の札幌・ススキノの街並み・・・。

そう云えばこんな看板があったよな~、なんて懐かしく思い出しながら読み進めました。

6人それぞれが、過去にあった”痛い出来事”を思い出す。

それらは仕事であったり、不倫であったり、離婚であったり、ほのかな恋心であったりする。

40才という年齢に達した彼らの、彼らなりの心象風景が、あくまでさらりと描かれてゆく。

そして、果たして田村は来るのか・・・。

早く来いよ、田村。

2009年吉川英治文学新人賞受賞作。

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