@ kill time

見た!聞いた!読んだ!行った!食べた!
スポーツ観戦、映画鑑賞、旅行紀、読書、食べ歩き等の身近な話題を紹介します。

高橋 義夫/狼奉行

2009年10月26日 | 小説

高橋 義夫 著 狼奉行を読みました。



羽州(うしゅう)上山藩の若き武士・祝靱負(いわい ゆきえ)はお家騒動の余波で山代官の下役に配される。

雪深い山奥で、藩の中央とは離れつつも、藩の政争に巻き込まれてしまう祝靱負

その祝靱負も、みつ古沢十兵衛ら土地に根付いた者と生活していくうちに、次第に心が変化していく。

家格に合わぬ役目に力を尽す寡黙な若者に襲いかかる自然の脅威。

狼の来襲、かせぎ病(狂犬病)の流行…。

風雪は人を磨き、いつしか青年は大きく成長を遂げていた―


雪深い羽州の山奥、狼奉行と呼ばれた若き武士祝靱負の清冽な生きざまが、在地の役人や村役人などの地についた生態と共に描かれた作品。

祝靱負
の心の変化の過程に読み応えがある。

厳しい自然の中で生活する人間の逞しさも読みどころ。

自然と人間ってやっぱり関係が深いのだと思います

第106回直木賞受賞作品

ほかに「厦門心中」「小姓町の噂」を収める。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする