草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 夏霧 (九分九厘)

2008-06-30 | Weblog

ながながし神の名唱ふ鵜戸の梅雨
高千穂の神代然りなむ夏の霧
夏霧の漱ぎゐるたるさざれ巌

志布志上陸後日南海岸を北上。最初に鵜戸神社を参詣。このお宮には神武天皇(神日本磐余彦尊/かむやまといわれひこのみこと)の父である鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)が祭られている。母親の豊玉姫が産屋の屋根を葺き終わらないうちに、産気づき八尋鰐の姿になっているのを夫君の彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)にのぞき見されて、恥じ怒って海に去って行ったと伝えられる。このときに生まれた子が鸕鷀草葺不合尊という。写真の鵜戸神社は岸壁の岩の大きな洞の中にある。屋根がなくても不便がないようだ。そのあと、青島と鬼の洗濯岩を見学して、高千穂の霧島神社に参詣して近くの温泉で一泊した。

蔓荊の深紫の花のやさしみて
洗濯の鬼の居ぬ間の梅雨の晴

青島の砂浜に紫色の小さな花がびっしりと咲いていた、土地の人に花の名を聞くと
蔓荊(はまごう)という名だそうだ。初めてみる花である。
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8 コメント

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夏の霧 (やまもも)
2008-06-30 17:01:52
高千穂の神代然りなむ夏の霧
神々の降臨が伝えられる高千穂の地に湧く夏の霧に、神代への思いをはせられたのでしょうか。夏の霧には、人を引きこむ力がありますね。「然りなむ」という言葉が魅力的でした。

蔓荊の深紫の花のやさしみて
夏に紫の花をつけるはまごうの花をまだみたことがありませんが、御句より、やさしい花のむらさきを思いました。以前、茨木和生の「西の季物語」に、はまぼうとはまごうの話があり、少しメモしていました。はまごうは、三好達治によって「馬鹿の花」という詩が書かれているとか、南方熊楠にも「ハマボウとハマゴウ」の著述があるそうです。ハマゴウをハマボウと言う所もあるとか。この二つの花は、季語に無く、それを茨木和生は、新宮の鮑海士で俳人の田本十鮑のために残念に思い次の一句を作ったそうです。
  十鮑に入れたれはまぼうの花も
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御礼 (九分九厘)
2008-06-30 21:50:51
やまもも様
 草若葉へのお立ち寄りに御礼を申し上げます。「神代然りなむ」で一字余ってしまいます。この種の言葉はなかなか難しいですね。南九州は神話の国です。その昔、南から黒潮に乗って流れてきた人がまずは日向の国に上陸し一旦ここに住み着き、次の段階で再び大和近畿の方に向って漕ぎ出た由。豊後水道で太平洋側と瀬戸内海側の二つの方向に、舟の流れが別れたそうです。それほどの大昔の話でもないようですね。

はまごうの話はとても興味深いものです。「はまごう」が手持ちの数冊の歳時記に入っていなく、季語に採用されていないのは分かっていたのですが、夏に咲くのは事実のことだし、えい!と書いてしまいましたが、茨木和生の話でほっと安心した次第です。いい話ですね!コメント有難うございました。

近所の道路に大きなやまももの木が並んでいます。今、ぎっしりと赤い実を実らせています。
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九厘さま、やまももさんへ。 (フェニックス)
2008-07-01 13:03:21
”高千穂の神代然りなむ夏の霧”

 「夏の霧」が神秘的で、神代を想わせ、また、旅をされた時期の記録としてとてもいいですね。
 
高千穂と言えば、昔、高千穂の峰に友人と登ったことがあり、頂上で天孫降臨の地を示すと言われる天の逆鉾なるものに出逢い、一緒に写真に納まったことがあります。山自身は霧島連山の一部で、火山溶岩でできた赤土でなかなか登りにくいですが、遠くからの姿はすばらしく美しい山です。また、高千穂峡は皆様ご存知のように秋が最も美しいところです。 収穫の終わった秋には高千穂の町のあちこちで夜神楽が催されるようですが、これはまだ観たことがありません。

鵜土神宮、霧島神宮、青島の鬼の洗濯板、どれも青春時代を思い出させていただく懐かしい地名ばかりです。

ついつい個人的な話と南九州の旅の宣伝のようなコメントになってしまいましたことをお許し下さい。

やまももさんの書き込みからいろいろ学ばせていただきました。ありがとうございます。茨木和生という俳人、NHK俳壇でよくお見かけしていました。





 
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう)
2008-07-01 20:50:45
☆ながながし神の名唱ふ鵜戸の梅雨
筑紫の日向の・・と始まる神社の祝詞は、名前が沢山出て来ますが、この梅雨の時季に雨も緑も滴る九州の
鵜戸神社の周辺は神話の宝庫でもあり、天孫族の降った天つ神のことでも有名ですね。九州も此処まではいれば、すっかり人里を離れ、神話の世界の浮世ばなれした非日常の景を満喫出来ますね。歴史大好き人間の小生にとっては、何とも羨ましい思いです。

☆高千穂の神代然りなむ夏の霧
九州の高千穂峡一帯は、天孫降臨で名高い所、従って神社神道の祝詞には必ず、「つくしのひゅうがのたかちほのとの地名が出てきますね。霧深い高千穂峡の景に望んで、荘重なる雰囲気に浸っておられる情景が目に浮かぶようです。

九分九厘様
神話の宝庫、九州の秘境と言われる高千穂峡など歴史大好きで特に、邪馬台国論争なども含め、古代史に興味深々の小生に取りましては、なんとも垂涎のまとのような旅行でしたね。何故、九州?何故高千穂峡でなければならないのか?など、天の鳥船に乗ってやってきて、降臨したとの神話は興味がつきません。吉野ヶ里遺跡も含め一度は訪れて見たい場所です。


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御礼 (九分九厘)
2008-07-01 21:51:46
フェニックス様
 高千穂は秋がいいのですか? もう一度秋に訪れつ必要があります。ちょっと遠いのが問題ですね。日本の再発見に今一度挑戦をしております。コメントを有難うございました。次の俳句投稿に「はまごう」の写真を入れます。
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御礼 (九分九厘)
2008-07-01 22:00:46
かつたたろう様
 鵜戸神社は今でこそ近くまで車で行くことが出来ますが、かつては七浦七峠を越えてようやくたどり着く安産願いお宮です。洞窟の奥に乳岩なるものがあってここに地下水がしみ出ていました。今回の九州行きで、日本の神話の世界をにわか勉強を致しました。西欧の神話に結構興味を持っているのですが、今まで日本のこの種の話にあまり積極的に興味を示してこなかった自分にその訳を問いかけている始末です。
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高千穂の句 (百鬼)
2008-07-02 07:32:39
 高千穂の神代然りなむ夏の霧
あの渓谷に下りていくにはかなりの健脚が必要ですね。霧にしっとり濡れた岩や木々の中を下へ下りてゆく。自然に「神代然りなむ」と出てきたのでしょうね。実景を前にした句の強みを感じさせられ、よき句と思いました。
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御礼 (九分九厘)
2008-07-02 21:43:16
百鬼様
 霧島は名の示す通り、霧が深いところでした。霧の過ぎ去る速さが思いのほか早く、一瞬にして今まで見えていた光景が真っ白になります。木々の他に余分なものはなく、これぞ神代と変わらぬ光景と思いました。コメントありがとうございました
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