草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/茅葺の里(光芒子)

2009-12-24 | Weblog
  美山なる茅葺の里冬支度
  里山や真赤に色ずく檀(まゆみ)の実
  赤ポスト辻の地蔵や実南天
  茅葺の軒連なりて里恋し
  山陰で寄り添う屋根や藁仕事

 もう先月の事になりますが京都、南丹市の美山へ行ってきました。
今なお茅葺の集落が残る町、子供時代には何処にでもあった田舎の風景ですが今や観光客が押し寄せる観光地で、地元の人はたまらんやろなと思いながらも原風景を楽しみながら街中、村中を散策し終日を過ごしました。
私自身は町家で育ったので囲炉裏に対してもそんなに郷愁はないつもりでしたが、大きなお釜が乗っかったおくどさんのある土間や囲炉裏端にはやはり去りがたい郷愁を抱きました。 親の代からのDNAが引き継がれているのでしょうか? 裏山の竹やぶや小川の流れ段々畑、神社さんの大きな木などまさに日本人の原風景ですね。
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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
好きな句とコメント (さゆり)
2009-12-24 18:01:19
☆美山なる茅葺の里冬支度
 美山には一度訪ねたことがありますが、茅葺屋根の家の集落があり、正に日本の原風景ですね。先日の寒波では、寒さのため家々では冬支度をしっかり始めていることでしょう。

☆山陰で寄り添う屋根や藁仕事
 これからは、山陰地方は、雪などで、外の仕事より、家の中での藁仕事などが多いのでしょうか。美山地方の生活ぶりが句に良く表れて素敵な句、この二句を選ばせて頂きました。

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好きな句 (ゆらぎ)
2009-12-25 13:56:53
山陰で寄り添う屋根や藁仕事
ー美山には、二度・三度と足を運びましたが、たしかに郷愁をさそうものがありますね。でも維持していくのは大変なものでしょうね。お互いに協力し合って、支えてゆく景が浮かんできます。
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すきな句 (九分九厘)
2009-12-25 21:02:25
赤ポスト辻の地蔵や実南天
この赤いポストを思いだいました。美山の入口に愛嬌のある風情で、意外と唯一の近代を感じせしめる代物と拝見したものです。実南天とポストの赤が仲良く里の風景を表しています。
昨日まで4日間中国の成都に行っておりました。やはり日本の風土が一番のようです!
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好きな句 (龍峰)
2009-12-25 22:05:20
 *美山なる茅葺の里冬支度

残念ながらまだ美山に行ったことはありませんが、山里に茅葺きの連なる光景は日本の原風景。その家々が冬支度に入っている。これからの長い冬の下で息を潜めて暮らす人々が目に浮かんできます。言外に多くを語らせている句と思います。良い句です。

 *山陰で寄り添う屋根や藁仕事

山陰と聞いただけでこれからの長い冬の生活に思い至ります。外に出られない、一冬の間に一年分の農作業に必要な藁細工を行う。日本のこれまた原風景。エコの精神からこの藁仕事を見直してはどうかと思います。身につまされる句です。

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好きな句ほかコメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-12-26 00:28:10
☆美山なる萱葺の里冬支度
未だ訪れていませんが、美山の萱葺の里は、京都府の景観保全地区に指定されているようですね!。外人作家のJ・Cニコルさんが奥様共々、住まいしておられると伺いました。そして、萱葺きの保全資金も得る為、萱葺き屋根コンサートも行われているようです。お写真と御句に、季語の「冬支度」がぴったり合い、郷愁が募ります。

☆赤ポスト辻の地蔵や実南天
美山の萱葺き屋根の村に、赤いポスト、お地蔵さんの赤い布、南天の赤い実、と赤で繋がり、嘗て田舎では何処にでもあった、懐かしい日本の原風景ですね!。御句の詠みのリズムも良く、秀句ですね!!。

☆山陰で寄り添う屋根や藁仕事
高くて勾配の急な美山の萱葺き屋根に、雪もかなり積もるようですね!。「寄り添う屋根」とはまったく言い得て妙です。そして、厳しい冬の農閑期には、次年度の農作業に備えて藁仕事に余念がないようです。「藁仕事」の季語が良く効いていますね!。

光芒子様
体調は宜しいようで良かったですね!。
小生の鳥取の実家も子供の頃までは、藁屋根、萱葺きでしたので、とても懐かしく郷愁に駆られました。藁屋根は、意外に夏涼しく冬は暖かいものですが、如何せん維持が大変です。嘗て田舎の村では、役目と称して「道役目」「井出役目」「堤役目」「葬式役目」などあらゆる共同作業がありました。この萱葺き屋根も、葺き替えが大変な作業で屋根屋さんの指導のもと、村中総出の仕事でした。「結い」の文化ですね!。現在は田舎では殆ど専業農家はおらず、何かの勤め仕事をしていますので、日中は村にも人がいません。そのため共同作業にならず、必然的に助け合いの良い習慣も無くなってしまったようです。田舎の生活で相互の助け合いが無くなれば、これほど不便な生活はありませんね!。
まだまだ寒さが厳しくなる折柄、ご自愛頂きまして、来年もどうぞ宜しくお願い致します。

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お礼(茅葺の里) (光芒子)
2009-12-26 09:18:47
さゆり様
 「茅葺の里」の拙句に2句お選びくださり有難うございます。
萱葺の屋根・藁仕事、冬の時季が一番似合いますね。長いうっとうしい日々を囲炉裏端に家族が集まり内職をしながら過ごす生活などはもう見られない景でしょうね。 
高校時代、若狭の山奥「名田の荘」の友人宅で過ごした冬の日々を懐かしく思い出しました。将棋も碁もマージャンも彼の親父さんから教わりました。三橋美智也の「山の吊り橋」をいつも唄っていた兄貴のような養子の親父さんでした。
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お礼(茅葺の里) (光芒子)
2009-12-26 09:31:18
ゆらぎ様
 「藁仕事」の句にコメントを頂き有難うございます。
日本人にとっては懐かしの原風景ですが、現に生活実態のある中で、あれだけの集落を維持するのは大変なようですね。
気楽な観光客は天気の良い日にカメラをぶら下げズカズカと日常生活を覗きにやってくるわけですからたまらんことでしょう。
外国で原住民の生活環境を見世物的に見せる観光地がありますが、ああーなってはいけませんね。

 
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お礼(茅葺の里) (光芒子)
2009-12-26 09:51:34
九分九厘様
 拙句にコメントを有難うございます。
あの村であの赤ポストはほんとに目立ちました。実南天の赤に加え、お地蔵様の赤い前掛けも印象的でした。
中国/成都は知りませんが中国ではチョット町を離れるとまだまだ昔の原風景が残っている事でしょう。 
何年か前中国某工場に滞在時、田舎へ採用のための面接について行ったことがあります。
臭いドロドロのクリークの周辺での豚やアヒルなどとの大家族の共同生活。
勿論我々日本人には不潔なだけで、何の感慨も湧きませんが同行の通訳嬢が随分懐かしげにしていた事が印象的でした。 彼女はその村出身の才媛でした。

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お礼(茅葺の里) (光芒子)
2009-12-26 10:02:42
龍峰様
 「冬支度」の句にコメントを頂き有難うございます。
龍峰様は北陸のどちらかと言うと漁村が原風景やったと存じますが、山里の冬の景色にはまた独特の風情がありますね。
是非一度訪ねられる事をお薦めします。 長い冬から開放され、土筆が顔出す頃も又良いでしょうね。蕗の薹など摘みにいきたいと思っています。

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お礼(萱葺の里) (光芒子)
2009-12-26 10:55:37
かつらたろう(桑本栄太郎)様
 拙い萱葺の里の句三句にもコメントいただき有難うございます。 又病後のお気遣いを戴き有難うございます。 医者は何等心配はないと太鼓判ですが自分自身の気分としてはまだなんとなく自信が無くてこわごわです。釣りもゴルフもドライブ散策もALL OKEYですが。
残しておきたい日本の原風景100選に「美山萱葺の里」も選ばれているようですが保存には大変な苦労があるようですね。茅葺の屋根コンサートなどいろんな工夫も行われているようですが、単にその建物を残すだけの資金面での援助でなくその屋根の下での生活も残るような環境が残って欲しいものと勝手な期待をするところです。 これもその屋根の下で過ごした自分自身の体験があるからかもしれません。
たとえばピラミッドをみて人類の英知の凄さに感動はするもののエジプト人の生活に対する感慨は沸きません。ルクソールの遺跡では数千年年前によくぞと思いつつ、その遺跡のそばのクリークと畑をみて、故郷の小さな畑を想いだし随分親しみを感じました。
胸打つ感動や感慨は自分自身の体験の延長線上でしか感じられないのは生長の止まった高齢者の域なのでしょうね。

 
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