草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / ドイツ・オーストリア旅行(其の一)・ライン河/ 九分九厘

2008-10-19 | Weblog


13日間のドイツとオーストリアの旅に行ってきました。ちょうど黄葉の最盛期に遭遇したのが真に幸運でした。ドイツはどこに行っても、赤色の紅葉は数が少なく、一面黄色と赤褐色の彩です。 第一日目の午前中の小雨を除いて、あとは快晴の旅を続けることができラッキーな旅でした。最初の逗留地は<リューデスハイム>という小さな町でした。フランクフルトのすぐ近くです。この町は白ワインの産地であるとともに、ラインクルーズの出発点となります。葡萄畑が丘一面に広がり、ドイツ人の気性なのか、定規で引いたような真っ直ぐな畦の列が印象的でした。夜は<ツグミ横丁>という細い路地で、観光客がひしめきあいながら、ワインを飲むのです。日頃の赤ワイン党の私は、旅行の間最後の日まで白ワインで通しました。

 天翔るジェットで小水弦の月
 オランダの背高のっぽや暮れの秋
 
日本は真夜中の時刻でしたが、アムステルダム乗り継ぎのラウンジで会うオランダ人の殆どが、男女ともにとてつもなくでっかいのには唖然としました。江戸時代、長崎の出島でさぞや日本人は驚いたものと思います。たしか海賊ヴァイキングの子孫のはずと記憶しております。

 はるばるとラインに臨み冬支度
 行く秋の雨に色落つライン城
 錦秋の城に隠れしローレライ
 秋深し古城伝説知らずとや
 めぐらしてラインに筋違ふ葡萄畑

ケルンの方向に向ってラインを北に下り、二時間ほどのクルーズの後下船。バスで宿に戻って、近くの葡萄園を散策。夕食後はワインを飲みながらライブの音楽を楽しみました。





写真: 上)つぐみ横丁(Drosselgasse)で酔っ払って仰向けに写真を撮ったものです。
      つぐみは鳥のことですが、酔っぱらいがよたよたと梯子酒をする様子からきたそうです。
    中)リューデスハイムのメイン通り
    下)ぶどう園の丘からリューデスハイムの町とライン河を見下ろす

 
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11 コメント

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好きな句とコメント (かつらたろう)
2008-10-19 23:29:57
☆天翔るジェットで小水弦の月
地球の裏側のヨーロッパまで行くのですから、当たり前の自然現象と言えばそれまでですが、いきなり「ジェットで小水(ゆばり)」との語句に度肝を抜かれた思いがしました。いや、あらためて九厘様の柔軟な思考には驚き入りました。

☆行く秋の雨に色落つライン城
☆錦秋の城に隠れしローレライ
ドイツ、オーストリアを流れるライン川河畔には、古城が沢山あるそうですね。日本の秋と又一味違う景が、意外に日本の季語とマッチしていて巧みな海外吟と思います。やはり、海外といえど古い歴史のある所には日本国内と同じよ
うに、風雅な趣があるようですね!

☆めぐらしてラインに筋違ふ葡萄畑
お写真でもご紹介頂いていますように、日本であれば季語として葡萄棚、葡萄園となる所でしょうが、一目で海外のそれと分かる葡萄畑の景ですね!ライン川が葡萄畑の下手となっている見事な光景を「筋違ふ」との語句で素晴らしく詠まれていると思いました。

九分九厘様
ご夫婦で、クラシック音楽と歌もご趣味とされていれば是非ともクラシック音楽発祥のドイツ、オーストリアを訪ねたくなるのは当たり前ですね。健やかで良い旅行を楽しまれた様子が
どの句からもとても良く伝わってきます。
何時も赤ワイン党の九厘様が、今回は13日間、白ワインで通したそうですね。ローレライの歌ではありませんが、「ラインの流れ」ではなく「ワインの流れ」とでも言う事ですね!
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錦秋のドイツ旅 (フェニックス)
2008-10-20 07:40:44
九厘様

おはようございます。 今朝、九厘様の「ドイツ・オーストリア旅行」のご報告に書き込みをしましたが、誤って消してしまいましたので、また、今日の夜にでも書き込ませていただきたいと思います。いつも進化しないフェニックスで、とても残念です。
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良き旅をされましたね! (ゆらぎ)
2008-10-20 11:24:19
ご夫婦おそろいで、元気に旅を楽しまれた由、よろこばしき限りです。写真も好調ですね。酔っぱらって、地べたから写真を撮るなぞ、面目躍如たるところがあって大兄の楽しい一面がでてました。楽しく拝見しました。

天翔るジェットで小水弦の月
ー天上1万メートルに上昇して想像力も飛翔したのでしょうか、気宇壮大な句に感心しました。

めぐらしてラインに筋違ふ葡萄畑
 ー観察眼を働かせての一句。旅吟としてなかなかの味わいかと。江国滋を越えているかもしれません。この句をいただきます。

つぐみ横丁とは、楽しい名前です。ご一緒していたら、ふたりで、酔っぱらって、やはり地面に寝ころんだかもしれません。

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すきな句 (龍峰)
2008-10-20 11:38:42
行く秋の雨に色落つライン城

ドイツの如何にもしっぽりした落ち着いた色合いの光景がまず浮かんできます。その中で更に古城の古びた岩の色が一層くすんでいる。文学的にも美術的にも静かなる刺激がしばし作者を虜にしたように感じられます。

錦秋の城に隠れしローレライ
ライン川と言えばローレライ、中学1年の音楽で習った歌のことがいつでもすっと思い出されます。黄葉の中の河畔の古城と岩、役者の揃った光景をすぱりと切り取って読まれているのが印象的です。
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錦秋のドイツ旅行 (フェニックス)
2008-10-20 20:24:28
九厘様

錦秋のドイツの旅行記とお写真と俳句を楽しませていただき有難うございました。どのお句にも九厘様が奥様とご一緒に秋のドイツを堪能されたご様子が窺えます。
 
 行く秋の雨に色落つライン城
 錦秋の城に隠れしローレライ
 めぐらしてラインに筋違ふ葡萄畑

1句目は「雨に色落つ」という表現に古城ライン城の雰囲気がよく表れていると思います。実は私も随分昔に夏でしたが、南ドイツだけを1週間ほど旅し、ライン川下りもしましたので、その情景を懐かしく思い起こしました。ローレライも岩だけ見て、人魚像は見なかったように覚えています。
また、最後のお句、葡萄畑がライン川に筋違いながら、その畝の整然としているところが、ドイツ人気質を表していると九厘様が感じられたのにも同感です。

九厘様はドイツの旅行中、ワインはずっと白ワインで通されたそうですね。ドイツの白ワインは酸味が少し強いように思いますが、色々な味のものがあるのでしょうね。私が旅行したのはまだ、ワインの味など分らない年でしたので、ドイツといえばビールと思って、無理して大ジョッキを飲み干したりしたことも懐かしい思い出です。でも、やはり秋にはワインの方が合いますね。美味しいワインをいただきながらのライブコンサートなんて最高ですね。

次回のご報告も楽しみにしています。


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お礼 (九分九厘)
2008-10-20 21:37:50
たろう様
 ジェット機に11時間以上閉じ込められると他にすることがありません。ごうごうと音はするのですが静かな孤独な時間です。窓から月が綺麗に見えました。
ドイツのどこの葡萄畑も定規で測ったように真っ直ぐに植えてあります。はじめは気がつかなかったのですが、見れば見るほど驚きます。ワインはちょっと辛めで実によかったです。
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お礼 (九分九厘)
2008-10-20 21:43:21
ゆらぎ様
 コメントありがとうございます。最初の句はちょっと反省をしておりますが、選をいただき恐縮至極です。ツグミ横丁とはいい名前を付けたものです。ビールとワインでドイツ人は大きな声で騒ぎます。こちらも負けずに賑やかに飲み騒ぎました。
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お礼 (九分九厘)
2008-10-20 21:47:17
龍峰 様
 コメントありがとうございます。季語と観光の地名を入れると、あとは5か7文字しか残りません。二つ三つくらい作るとあとはアイデアが出てきません。役者の使いきりです。今度はスペインの句を期待しております。
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お礼 (九分九厘)
2008-10-20 21:55:52
フェニックス様
 ライン川の乙女の像も写真に撮っているのですが、ちょっと通俗的すぎるきらいがありました。ローレライの岩もそれほど大きなものでなく、頂上に美人が立っていてもなんとか顔が識別できるくらいかな?!と思ったりして、船から眺めていました。ドイツの料理は殆どが肉とジャガイモ料理で、とても塩辛いものでした。ビールと白ワインのあてに丁度合っているのでしょう。昼はビール、夜はワインと、まさに昼夜飲ませて頂きました。目下、急速なダイエット中の状況下であります。コメントをありがうございました。
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好きな句 (四捨五入)
2008-10-21 11:31:12
 行く秋の雨に色落つライン城
 錦秋の城に隠れしローレライ
 秋深し古城伝説知らずとや
錦秋のドイツを心ゆくまで堪能されたことと思います。約40年前、出張先の会社の社内旅行に同行してラインクルーズを経験しましたが、御句を読ませていただくと、ラインの風景が昨日のように思い出されます。次々と現れては消えてゆく古城にはロマンを掻き立てられます。
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