草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 立春/龍峰

2023-02-12 | Weblog

           深田池の釣り人

世の中が如何ようなりとも時が移れば季節は巡ってきます。万象に畏怖を抱かざるを得ません。

立春を迎えると常連の釣り人が日ごと増えてきます。

今月末で本草若葉は休刊になります。長年お付き合い頂いた諸兄姉の皆様に厚くお礼申し上げます。

有難うございました。

 

      立春や釣り人もどる深田池

      三日置きの襲いくるなり余寒かな

      雪囲い解きてみなぎる光かな

      草餅や祖母のこね鉢出番なり

 

      久方の妻の育むヒヤシンス

      進級試験準備不足の夢今も

      細腕のビルの狭間の蜆汁

      日本海は春怒涛なりこの時も

 

      見覚えの岬の山や春の航

      段々の梅真白なり杉襖

      紅白の盆梅や組み咲き難し

      春の日の句友の交(か)いの月日かな

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8 コメント

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お礼 (葉有路)
2023-02-13 15:01:51
龍峰様

 龍峰様には、この三年間投句を通じて色な世界へ導いていただきました。お礼申し上げます。

 次の三句を頂きます。
 ・立春や釣り人もどる深田池
 懐かしい風景です。小生も、小学生から中学生にかけ、ここで釣りをしたものです。余り釣れませんでしたが。

 ・三日置きの襲いくるなり余寒かな
 律儀なほどの法則性は、何処から来るのでしょう。人間の英知を凌いでいます。

 ・春の日の句友の交いの月日かな
 「草若葉」の最終を飾り、感慨に満ちた記念句になりました。
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お礼 (龍峰)
2023-02-13 16:14:03
葉有露様

早々に3句をお取り上げ頂き、思いでも絡めたご感想を頂き有難うございます。

葉有露さんは八十路を超えて俳句に取り組まれ、真摯な姿勢と元々の深い素養をもって、わずかの間に高いレベルまで達せられました。頭の下がる思いです。その間、小生は如何ほどのお役にも立てず、恥かしい限りです。この先の一層のご発展をお祈りします。

立春の句、思い出の詰まった深田池、昔も今も変わらないようです。

三日置きの句、この時期寒さが定期的にやって来ます。人知の及ばない事の一つですね。

春の日の句、思えば15年の歳月は長いです。俳句を通じての自然との会話、先輩諸氏との句友としての交わりを頂けたことが大きな収穫でした。
返信する
好きな句鑑賞、他 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2023-02-14 16:05:02
龍峰様
今日は!!。
この草若葉の会も時には、「枯草」のような状態の事もありましたが、「15年も経過していたとは」今更ながらのように驚いております!!。年年歳歳月日を重ねながら、春夏秋冬に感ずる季節は同じ季節が巡って来ても、感じ方が変わるから不思議であります。
龍峰 様の御句はいつも足で裏付けられた素晴らしい御句ばかりであり、大変刺激を受けて来ました。とても感謝致して居ります。
さて2月で終わりの秀句ばかりの御句の中より、下記の句を選び鑑賞させて頂きました。    

     ☆立春や釣り人もどる深田池
googleにて調べましたが、「深田池」とは東灘区にある市民の憩いとなっている池のようですね?公園もあり、ヘラブナ釣りでも有名なようですね?小生も嘗てヘラブナ釣りに凝った事があり、「水溜り」を見ても竿を出したい程でした。立春以降日々に日差しに力が漲り、釣り客も戻ってきやようですね!!。
      
     ☆三日置きの襲いくるなり余寒かな
冬の終わりから立春後の今の時季は、「三寒四温」と云われながらも、余りにも寒暖差が激しく身に堪えますね?当地の昨日は18度まで上がりながら、今日は上が6℃程であり朝方は春の雪でした。
      
     ☆雪囲い解きてみなぎる光かな
2月の今頃の時季ともなれば、田舎鳥取の雪囲いを解く情景を想い出します。日本海からの北風が強く、何処の家でも雪囲いと風よけを行っておりました。
      
     ☆草餅や祖母のこね鉢出番なり
草餅とは、柔らかい蓬を摘み餅に搗いたものですね?子供の頃は暖かい日には田圃や畦に出て、小さな籠を持って蓬摘みに興じたものでした。我が家でも祖母が蓬を茹でて捏ね、餅を撞いてくれました。

     ☆久方の妻の育むヒヤシンス
我が家でもその昔、長男、次男とも1月生まれであり秋口にはヒヤシンスの水耕栽培を行ったものでした。水の中の白い根が伸びるにつれ、お腹の中の赤ん坊の成長に想いを馳せたものでした。
奥様の久しぶりにヒヤシンスを育てられたのよですね!!。
      
     ☆進級試験準備不足の夢今も
2月の今頃であれば、そろそろ期末考査の時季ですね?小生も数学はかなり苦手であり、幾何と代数の融合の頃はもうあお手上げでした。又英語も長文の問いが3問題程であり、一行の中に分からない単語が2個もあれば冷や汗ものでした。卒業後数年を経ても全く分からない夢を良く見て、唸っていました。
     
     ☆日本海は春怒涛なりこの時も
我が田舎の鳥取の実家も冬は海鳴りの日本海が近く、春となっても風の強い日は白波が坂巻き、怒涛の日本海でした。こうやって実家を離れていても、時々思い出しております。コロナ禍の為3年も帰省して居らず、望郷の念が募るばかりです。

     ☆春の日の句友の交(か)いの月日かな
龍峰様との俳句を通しての、長い交わりが想い出されます。趣味で知り合った仲間の特に句友とは、大切にしたいものですね!!。

最後に存問の拙句を!!。
☆春なれや余熱を使う目玉焼き
☆うすらひの片方(かたえ)に寄りぬにはたづみ
☆橡の芽のぬめり角ぐむ日差しかな
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好きな句 (九分九厘)
2023-02-14 17:53:43
龍峰さま
 下記の四句を頂戴します。
 
   立春や釣り人もどる深田池 

 冬の最後の日は節分、鬼を追い払ったあとの次の日は立春。地域の人達は春が来たきたと馴染の深田池に釣りに出かける。戦争もインフレもない、当たり前の日常生活です。こころ落ち着く佳作だと思います。
    
    雪囲い解きてみなぎる光かな 

 この美しい光の感覚は私には実際感じた経験はありません。しかし、御句は「雪囲いを解いて」とその光の美しさを言葉で表現さています。俳句に使う言葉の良さになるほどと感心いたしました。
  
   日本海は春怒涛なりこの時も
 
 この句の解釈は下五「この時も」が何を意味するかによって解釈が複数出てきます。本来、春と言うものは穏やかなものであるはずのものが、日本海ではそうではない。これが当たり前で、たびたび故郷に帰るが今回もやはり荒れていた。二つ目は、「この時」を世界の不安なご時世を意味していると解釈する。三つ目は「この時を」を私的な感情で捉えてみる。例えば失恋とか死別など。私の解釈は二番目になります。
       
  春の日の句友の交(か)いの月日かな

 今年もどうかよろしくお願いいたします。「新若葉」で仕切り直しといたしましょう。
                  以上

                 
返信する
お礼 (龍峰)
2023-02-14 21:26:11
たらう 様

早々に8句も取り上げ、丁寧で古里の思いも絡めてのご感想有難うございます。
草若葉での、15年の長き御付き合い、いろいろ貴重なご教示有難うございます。気づかされることが多かったです。

立春の句、この池は釣り人の人気の高い池のようです。雨さえ降っていなければ、いつも人が、絶えない。立春が過ぎれば日ごとに釣り人は増えます。

三日置きの句、三寒四温かと分かっていても、余寒の繰り返しには、冬と春の狭間を否応なしに感じさせられる。これもまた良しです。

雪囲いの句、貴兄は実感できるでしょう。春先に家の周りの雪囲いをとり払った時の、光がドッと降り注ぐ感じ。一瞬に春の到来を感じる瞬間ですね。

草餅やの句、貴兄のご感想の通りです。

久方の句、子供の小さい頃に観察を兼ねて窓際に並べられていたように思います。久々に懐かしい限りです。

進級試験の句、今でも夢を見て焦る、冷汗3斗のこの瞬間は昔も今も変わらないです。

日本海はの句、この句も貴兄のご感想の通りです。ぽかぽか陽気でも、海に行けば、怒涛砕ける波浪、まだまだ本当の春ではないなあと感じます。

春の日の句、草若葉の15年間を1句で詠むには多くの事があり過ぎて詠み切れない。ただ一つと言われれば、それはやはり句友の交わり。そのことは句を詠む人、読んでくださる人との見えない繋がりかと思います。

長年のお付き合い有難うございました。
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お礼 (龍峰)
2023-02-14 22:00:56
九分九厘様

早々に4句を取り上げ、個々の句に洞察深く想像豊かなご感想有難うございます。
立春を迎える頃の季題には、まだ浅い春の到来にホッとする気持ちを強く感じます。一方、自分の生まれの日本海側は立春が過ぎても冬の厳しさが残る。
無意識のうちに、自分が詠む句に両方が混在していることに気づかされます。

立春の句、天気の良い日には朝早くから釣り人は並びます。ご指摘のように、世相を超越した、素の雰囲気が漂っています。別世界です。

雪囲いの句、日本海側は4か月近く家は雪囲いで覆われる。暗く寒い冬の日々でした。(現在は変わっているでしょう。)春が来て、この囲いが取れると、一挙に明るさが戻ってきました。春の来たことを実感します。

日本海はの句、ご指摘の一つ目と二つ目です。たろうさんへのお礼でも述べましたが、春の陽気で溢れていても海は荒れていることが多々ありました。陸上と海上では季節のずれがあるのでしょう。それを今でも感じます。
また、ロシアの侵略など、あまりにも現在、怒涛が溢れています。やりきれない気持ちになります。

春の日の句、「新若葉」を盛り上げていきましょう。こちらこそよろしくお願いします。
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好きな句 (紘子)
2023-02-15 22:08:32
龍峰様  次の句を頂きます。
  
  段々の梅真白なり杉襖

 白梅の咲く段丘と、震撼とした杉木立に、軽やかな春の足音を聞く思いがいたしました。
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Unknown (ksk364)
2023-02-16 09:07:28
紘子様

ご無沙汰しております。
拙句の中から選句頂き有り難うございます。
句意は読んで頂いた通りです。

来月から[新若葉]が始まり、そこで色々と投句し会えることを楽しみにしております。
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