草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/冬に入る(ゆらぎ)

2017-11-10 | Weblog
長のご無沙汰、お許し下さい。下手な鉄砲、数打ちゃ当たる、とばかりに駄句をならべたてました。季節がすこしずれますが、秋の句も入っております。


 世の中のことはさておきあられ酒

 冬安居オンアロリキャソワカ聖観音

 マキシンのショーウインドウや冬に入る


 
 かたわらに月愛づる友十三夜
 
 意に染まぬこともある夜のレモンティー

 珈琲の湯気立ちのぼる秋じめり


 行く秋や気球とともに天空へ

 秋小寒雀色時死語となり

 夕紅葉亡びしものは美しく

 
 昭和史を振り返りゐる夜長かな


 
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8 コメント

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好きな句 (九分九厘)
2017-11-12 17:56:30
 世の中のことはさておきあられ酒
 
 私の毎晩の様子を詠まれたと思いきや、見慣れぬ「あられ酒」を調べると手の込んだ酒と分かりました。餅を薄切りにして何度も焼酎に漬けては乾かし、これを細かく霰状にして味醂に入れて熟成させたものとある。或いは霰を酒に浮かべることでも良いらしい。酒のオンザロックと解釈したい。

 冬安居オンアロリキャソワカ聖観音

 観音様のマントラを俳句に入れたものは初見です。このマントラを早口で調子をつけると中七で流暢な俳句になります。地蔵さんマントラで小生も一句詠ませてもらいます。

 意に染まぬこともある夜のレモンティー

 初老の失恋感情を詠んだものと理解します。リアリティーがあります。

 秋小寒雀色時死語となり

 「すずめいろどき」は辞書で調べて初めて知りました。まさに死語ですね。雀を擬人化して深読みしようと試みました。なにか悲しい句になります。
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好きな句 (龍峰)
2017-11-13 14:15:35
ゆらぎ 様

暦の上ではもう冬に入っていますが、秋闌、紅葉が山の上から降りて来つつあります。
いずれの句も含蓄のある言葉と背後の意味合いを考えつつ、迷った挙句以下の句を頂きました。

  世の中のことはさておきあられ酒
あられ酒なるもの初めて知りました。奈良の古くからの酒とか、作り方を読んでいると古代人の名残や思いが込められているように感じました。そのようなことを句に読み込むのは流石です。

  マキシンのショーウインドウや冬に入る

三ノ宮のマキシン本店には早々と冬が飾られており、季節を先取りされていたのでしょう。作者は目ざとく見つけ句をものにする、その若さとセンスを匂わすその瞬間がいいですね。

  秋小寒雀色時死語となり
恥ずかしながら雀色時なる言葉も初めて知りました。手元の本を見れば「通説では雀の羽根のような灰色がかった茶褐色。名残の色、名残りの影と言う表現もあると。柳田国男は日本人でなければ思いつかない言葉と。」しかし、かようななる言葉が死語となりつつあるのは作者と同様、日本人として薄っぺらくなっていくようでさみしいですね。

  珈琲の湯気立ちのぼる秋じめり
今年の秋は殊の外雨多く正しく秋じめりの日々が続きました。しかし、作者はその憂鬱さをコーヒを点てて楽しむ、いいですね。

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好きな句と鑑賞 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2017-11-14 20:03:11
ゆらぎ様

立冬を過ぎ、日毎に寒さが募ますね?この冬は例年より早く寒さが訪れるとか言われています。カメムシが良く居て、触るととても臭いものですから、家内は血相を変えて叩きだしています。
田舎育ちの彼女は、カメムシの良く出る年は「冬に雪が良く降る」などと、言っています。

さて、遅くなりましたが沢山の佳句に中から下記の句を厳選の上、鑑賞させて頂きます。

☆世の中のことはさておきあられ酒
「あられ酒」とは小生も初めて聞くお酒の名前です。春の白酒同様かなり手の込んだ製法のようですね?みりんと同じような色と味の甘美酒ですとか?いちど舐めてみたいものです。世の中の憂き事は忘れて、酔いしれたいものですね!!。

☆マキシンのショーウインドウや冬に入る
マキシンとは「マキシム」ではなく、店の名前なのですね?冬のカラフルな帽子、手袋、マフラーが鮮やかです。現役の百貨店の頃紳士服飾雑貨も担当していて、ウインドーディスプレイに血道を上げていた事があり、懐かしさが一杯です。

☆かたわらに月愛づる友十三夜
後の月に「雨降り無し」と言われることもあってか、今年の十三夜は快晴の夜であり、恥ずかしいほどの月明かりでしたね?傍らの友とは、見目麗しき女性(にょしょう)では?何とも羨ましい限りです。少しも寒くなかったでしょう!!

☆意に染まぬこともある夜のレモンティー
人の世は思い通りに行かぬものですね?仕方なく、心の奥に留め置くとしても、今宵のレモンティーは少し酸っぱいですね!!。

☆夕紅葉亡びしものは美しく
紅葉は夕日に照り映える頃が一番美しく、風情のあるものです。人も春の桜の花同様、今一度色鮮やかによみがえり、美しく滅びたいものですね!!。季語の夕紅葉が効いています。
小生の嘗ての句に
「この道を辿れば故郷夕紅葉」と言うものがあります。
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お礼 (ゆらぎ)
2017-11-16 20:34:57
九分九厘様
 早々にコメントを頂き、そのうえ4句もとって頂き恐縮です。

 「あられ酒」は、奈良のお酒で、すこし甘めです。語呂がいいので、組み合わせました。他意はありません。このところ奈良市内に遊ぶことが多く、いろいろ覚えます。

 「冬安居」の句ですが、マントラを詠み込んだのは初めてです。薬師寺の東院堂にゆくと、いつも聖観音の前に長い間座っています。冬安居との組み合わせは、他意はありません。言葉の遊びのようなものです。”流暢な句”、と云って頂き、嬉しくなりました!

 「レモンティ・・・」は、失恋の句ではなくてすみません。いろんな人間関係の中で、良かれと思ってしてあげても、理解されないのは度々で、多少ほろ苦いですね、。

 「雀色時」という言葉は、ごく最近短歌に出ていてしりました。死語になった日本語はたくさんありますね。
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お礼 (ゆらぎ)
2017-11-16 21:20:22
龍峰さま
 4句もお取り上げ頂き、ありがとうございました。頂いたコメントの中で、「マキシンの・・・」についてのものは、過分なお言葉で恐縮ですが、とても嬉しくなりました。その他のくについても、的確に句意を読み取っていただき、嬉しく思います。とくに、「秋じめり」の句について・・。ありがとうございました。
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お礼 (ゆらぎ)
2017-11-17 08:31:51
たろう様
 いつも丁寧なコメントをありがとうございます。”カメムシのよく出る年は冬に雪がよく降る”とのことですが、そうなら嬉しいですね。雪景色を見るのが今から楽しみです。
 「十三夜・・・」の句ですが、おっしゃるように十三夜に曇りなしですね。中秋の名月を京都で堪能しましたので、片見月にならぬように再び京都へでかけました。ことの他、よく晴れた名残りの月を楽しむことができました。

 「冬紅葉」の句に共感を頂き、嬉しく思いました。たろうさんのお句”この道を辿れば故郷夕紅葉”は、懐かしささへ覚ます。リズミカルなので、いつまでも口ずさみたくなります。
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好きな句 (四捨五入)
2017-11-18 13:48:35
ゆらぎ 様

いつも遅いコメントで申し訳ありません。貴兄の句からはいろいろと学ばせてもらいました。
まず、あられ酒。聞いたことがないのでインターネットで調べてみました。こんな伝統的な酒が奈良にあるとは驚きです。わが家の正月の屠蘇は味醂だけなのですが、あられ酒に変えたくなりました。
次に聖観音。句会で話していた薬師寺東院堂の聖観音のことですね。超有名とは知りませんでした。今度いったときにはゆっくり拝ませてもらいます。
もうひとつ、雀色時。古い言葉を大切にしたいものです。ということで次の3句を頂きます。
  世の中のことはさておきあられ酒
  冬安居オンアロリキャソワカ聖観音
  秋小寒雀色時死語となり

  意に染まぬこともある夜のレモンティー
レモンの爽やかな酸味から、意に染まぬといっても大きな問題ではなさそうですね。

 昭和史を振り返りゐる夜長かな
いろいろと問題のあった昭和ですが、あの当時の活力をもう一度取り戻したいものです。
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お礼 (ゆらぎ)
2017-11-19 10:18:08
四捨五入さま
 言葉遊びのような駄句に、丁寧なコメントをいただきありがとうございます。薬師寺の聖観音ですが、私自身が惚れ込んでいるのであって、ものすごく有名かどうか。見過ごす人も多いとおもいます。知る人ぞ知るです。この観音さまの前に座って、じーっと拝んでみてください。

 作家半藤一利さんの著作に『昭和史」という本があります。少し分厚い文庫本です。これを読んでいると、なぜ日本が戦争に突き進んでいったか、またそれをマスコミが煽っていったかが、よくわかります。一読すべきかと。そして、戦後。おっしゃるように活力が溢れていました。自由な社会がいいのですね。やりかた次第では、また活気はとりもどせますよ!
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