若楓新面目を探す旅
天上の色を湛えて湖涼し
青芒風の音しか聞こえぬ日
句を詠みて三尺寝する山の宿
星の湯と名付けし湯宿青田風
曽爾原よ風の色さえ青芒
今回の吟行で出会ったもの。静まりかえった湖の碧、青蓮寺川の清流、曽爾高原の青芒、そこに舞う雪加、しきりに鳴く時鳥、ヤマボウシの大木、葉裏を白く染めたまたたびの木、漆黒の闇の芒原、天の魚(あめのうお)との出会い、霧雨の青田などなど。そんな情景を楽しみ、友と時間を共有できたことは限りない喜びであった。この年になって趣味をおなじくする友がいること、しかもそれが気心の知れた友であることは限りないよろこびである。
天上の色を湛えて湖涼し
青芒風の音しか聞こえぬ日
句を詠みて三尺寝する山の宿
星の湯と名付けし湯宿青田風
曽爾原よ風の色さえ青芒
今回の吟行で出会ったもの。静まりかえった湖の碧、青蓮寺川の清流、曽爾高原の青芒、そこに舞う雪加、しきりに鳴く時鳥、ヤマボウシの大木、葉裏を白く染めたまたたびの木、漆黒の闇の芒原、天の魚(あめのうお)との出会い、霧雨の青田などなど。そんな情景を楽しみ、友と時間を共有できたことは限りない喜びであった。この年になって趣味をおなじくする友がいること、しかもそれが気心の知れた友であることは限りないよろこびである。
いずれの句も甲乙つけがたい句なので、あえて曽爾原にもしいかなかったとして、第三者の目で選ぶとするなれば、三尺寝の句になりました。悠々自適の生活の様がうかがえて、羨ましがられる生活を表しています
文句なしに清々しい句ですね。「青田風」という季語が効果的だと思います。湯宿の名前はその土地の自然(花や木の名前など)を取り入れたものが多いですが、「星の湯」という名前から露天の湯に入りながら頭上には星座でも眺められるお宿を想像しました。露天風呂大好き人間ですから。
☆天上の色を湛えて湖涼し
この句からはむしろ深い青を湛えた秋の湖を想像しましたが、作者は夏の今、そんな湖を観られたのですね。「天上の色」とされ、「天上の青」とされなかった所には意図があるのでしょうか?
後書きにもあるように、今回の旅はほんとに詩心を喚起されるいい旅だったようですね。観られたものの中に、「そこに舞う雪加」、というのがありますが、この鳥は飛ぶのが素早くて、現れたかと思うとすぐに空のどこかに消えてしまったりします。前の投稿でのお写真、楽しみました。有難うございました。
”あえて曽爾原にもしいかなかったとして、第三者の目で選ぶとするなれば、三尺寝の句になりました”
なるほど、なるほど! 実は、三尺寝の間も呻吟していたのですが・・・。今度は、秋に黄金色に染まる芒の原をみたいものです。コメントありがとうございました。
いつも丁寧にコメントを頂き、感謝しております。
「青田風」の句は、まさに露天の湯です。今回は梅雨時でしたが、晴天ならば夜空に満点の星を望むことができます。「湖涼し」は、青でもいいのですが、ここは”天上の色”がセールス・ポイントなのです(笑)すみません。
雪加は、初めてみました。おっしゃるように、いそが
しく動いていました。撮るのが大変です。
自然が一杯残る曽爾高原は句の材料が又豊富でしたですね。そこに吹いている風さえ季節に染まっている由。大いに充電されたことが伺われますいい句です。
「青芒」の句をお選びいただき、嬉しく思いました。ありがとうございます。ご一緒できなくて、留守番をさせて申し訳ございません。次回は是非、ご一緒に参りましょう!
「よ」が「は」であれば、とも愚考しますが、好きな句です。これをいただきます。これらの句を読ませていただいていると、小生も吟行に行かないとマンネリ打破は無理かな、なんて思えてきます。紀行文を期待いたします。
「ここの所、暫らく俳句の投句から遠ざかっていたので、同じ趣味を持っている友人の家族と一緒に吟行を兼ねた旅行に来たが、やはり来てみて大変良かったな~」とのゆらぎ様の述懐の呟きが聞こえてくるようです。
☆星の湯と名付けし湯宿青田風
夜の露天風呂しかり、昼は昼で周りが鄙びた青滴る光景の中にある、爽やかな湯宿の情景が目に見えるようです。星の湯と「青田風」との季語の効果が絶妙で、素晴らしい秀句ですね。
☆曽爾原よ風の色さえ青芒
以前、末黒野の頃に訪れられ、「末黒」の句で最優秀賞を取られた事がありましたね。青芒の頃再度来て、又、この場所に立ちたいとの想いが叶った感動が「曽爾原よ」の語句に溢れ、中七から下五「風の色さえ青芒」と、風のように流麗に流れ、感動の一句となりましたね!このような詠み方は好きな一句です。
ゆらぎ様
やはり、同じ趣味を持つ友人家族と、まさに万緑、緑滴る、しかも温泉場や自然溢れる光景に浸り、心身とも緑でリフレッシュをすればかくのように、佳吟の連発可能という事のようですね!これからもご健吟のほどを、心から期待しております。
おいそがしい中、のぞいて頂きありがとうございます。「青芒」ですが、いささか自己陶酔気味で、
”曽爾原よ”と呼びかけてしまいました。ご指摘のように、”曽爾原は”がいいかもしれません。
今回の吟行では、俳句モード低調気味の小生にとって、いいリフレッシュの旅となりました。旅の様子は、別ブログに2本続けてかいています。お目通し頂ければ嬉しいです。
句意を的確に読み解いていただき、ありがとうございます。今回の旅は、いい意味でリフレッシュしました。最近俳句だけでなく、なにかこれまでの流れを変えたいとの思いが強く、「新面目」の句になりました。
訪れた宿は、緑に囲まれて森林浴の様子を呈しています。ことに露天の湯は、上をみあげると星がまたたき心をいやしてくれます。曽爾原の句では、一年前の事をお心に留めていただいていて恐縮です。すこし思いこみの強すぎる句ですが、自分では気に入っています。
いつか機会があれば、吟行をご一緒したいものです。ありがとうございました。