夏祭ビルの谷間に谺あり
地車の坂にかかりて児等ばてる
地車の若衆見上ぐる嫗達
夏つばめ自由自在の三次元
遠来の客を労ふ新樹かな
句会の兼題に「祭」が出されていた。たまたま東灘を通りかかったとき幸運にも住吉神社の夏祭に遭遇した。だんじりの屋根で幣を振り回す若者を見ているとこちらも元気になったような気がした。
地車の坂にかかりて児等ばてる
地車の若衆見上ぐる嫗達
夏つばめ自由自在の三次元
遠来の客を労ふ新樹かな
句会の兼題に「祭」が出されていた。たまたま東灘を通りかかったとき幸運にも住吉神社の夏祭に遭遇した。だんじりの屋根で幣を振り回す若者を見ているとこちらも元気になったような気がした。
”労う”なんて、なかなか出てこない言葉です。客を迎えるにもってして、新樹。嬉しくなります。
嬉しさついでに、新樹の写真をつけさせて頂きます。
作者が旅行をして山の新樹に感激したのか、あるいは遠来の客を作者が新樹のような気持で接待したのか、いずれにせよ。「遠来」と「新樹」が響き合っていて、好きな句です。ゆらぎさんの写真がまたいいですね。
地車の若衆見上ぐる嫗達
ちょっぴり色気があって、汗の匂いがします。
素敵な写真ならびにコメントを有難うございました。この写真を見ていると遠来の客でなくても労われそうです。平凡な句も生き生きとしてくるから不思議です。
いろいろと解釈して下さり有難うございます。ちょっと意味が不鮮明なところがありますが、種々想像していただくのもよいかもしれません。
言葉の響き合いまで考察されるとは、すごいですね。
私がその領域に達するには相当年数がかかるでことしょう。
なんとも微笑ましい祭りの一こまです。今頃は大の大人がつきっきりですから地車を引くのも大騒動です。
いつもの鋭い観察で一瞬を捕らえ、句にされておられるところはさすがです。
偶然に出遭った祭を素直に詠まれた佳句だと思います。 若者のかけ声、その他のざわめきがビルの谷間に谺する。都会の祭の様子が伝わります。
☆夏つばめ自由自在の三次元
燕の滑空はほんとに面白いですね。数羽の燕の飛来が異次元を作っている。「自由自在の三次元」にそれがよく表れされていると思います。
村の鎮守の森で行われる祭りは秋祭りが多いいようですが、全国にある住吉さんの祭りは夏まつりが多いいようですね。日本の三大祭り祇園祭、神田明神祭、浅草の三社祭りも夏祭りですが、五穀豊穣と海の大漁を願って、神祀るには季節も今の時季がぴったりのようです。都会の真ん中だからこそ、祭り囃しとお神輿が郷愁を誘って賑わうのですね。
「だんじり」の句を採り上げて下さり有難うございました。子どもたちがだんじりに長い綱をつけて引いていたのですが、坂道ではさすがに重く、とうとう解散してしまいました。こどものうちから、地域の行事に参加するのはよいことと思います。
「夏祭」と「夏燕」の句を評価して下さり有難うございました。ビルの上層階にいますと、だんじりの出す音が道路の反対側のビルの壁に反射してよく聞こえるのです。そこで谺という字を使ってみたくなったのです。
ツバメが飛んでいるのを見るのが大好きです。
あのように自由に空を飛んでみたいといつも思います。
「夏祭」の句を採り上げて下さり有難うございました。都会の祭は田舎の祭に比べるとスマートですが、やはり心を浮き立たせるものがあります。地元のお年寄りが子供たちに伝統を伝えていくのを見ると安心感も湧いてきます。