草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/ドイツ・オーストリア旅行(其の四)・白鳥城 / 九分九厘

2008-10-24 | Weblog
10月10日、ロマンティック街道の終わりに近いガルミッシュの街に入り宿をとる(二泊)。ここを拠点にノイシュヴァンシュタイン城(白鳥城)とアルペンのドイツ側最高峰のツークシュピッツェを観光しました。

ノイシュヴァンシュタイン城は今回の旅で、行きたかったもう一つの場所です。ルートヴィッヒ2世がワーグナーの楽劇に心酔しての、趣味が目的の居城であると知っていたからです。城の上から見るとルートヴィッヒ2世が選んだだけに、はたせるかな見事な絶景の場所に建っています。その昔、麓から城の門までは馬車で行くとしても、門から居住区のはるか城の上の方に行くには階段を歩く以外に方法はなく、神秘的な風景の中で趣味の世界に耽る為には、ルートヴィッヒ2世もかなりの健脚を持ていなくてはならないと思いました。広い厨房から食堂までに行くにも細い螺旋階段をかなり登る必要があり、料理も冷めてしまうし給仕の仕事も大変だったのではないかといらぬ心配もしました。住むために作った城ではないのです。結局彼はこの城で100日くらいしか住んでいなく、城も内部の半分以上は未完成のままです。彼は禁治産者に宣告されて、そのあとすぐに41歳の若さで湖に謎の投身自殺をしてしまいます。生前彼はワーグナの最大の庇護者であって、この城はワーグナの楽劇の題材を数多く部屋毎に描き、中にはタンホイザーを題材とした模擬洞窟の部屋まであります。趣味もここまで徹底すると生き方そのものまで変わってくるのでしょう。私はワーグナの作品はあまり好きでもないし、長時間の曲を全部聞き続けたことはありません。あの耽美的かつポリシンフォニックな、そしてこれでもかこれでもかの繰り返しの音に、何故にルートヴィッヒ2世が、そしてヒトラーも含めたドイツ人が、いたく心酔するその背景を是非とも知りたいと、今なお思っております。そのためにもこの城を訪問した理由がありました。次回にその問題に触れてみたいと思っています。


 只今外装工事中の白鳥城


 白鳥城の上から見る光景

 白鳥の動かざる湖冬近し
 白鳥の城高く秋澄みにけり
 高楼の石壁白く冷まじや
 ワグネルの耳底痛し暮の秋

翌日、ドイツの最高峰ツークシュピッツェ(2964m)に登りました。行きは登山電車で一時間半、帰りはロープウエイで20分の楽な登山です。上は零下5度Cくらいでしたが、天気は最高で、360度見渡せました。展望台で飲んだコーヒがおいしかったです。驚いたことにドイツ人はみんなビールを飲んでいました。


 ツークシュピッツェの上から

 アルペンの月はとっても青いのだ
 アルペンの嶺は銀色十三夜
 酸っぱくて秋はこれまでザワークラウト

登山当日の晩は十三夜にあたり、雲ひとつない月夜の晩になりました。

ドイツ旅行記も次はオーストリアのザルツブルグに入ります。次回で最終とさせていただきます。

 
コメント (11)
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