節電対策に努めるも3年連続で目標達成ならず
御坊市は、第2次地球温暖化対策実行計画(平成23年度~令和2年度)の平成30年度実績をまとめた。22年度実績を基準とした温室効果ガス総排出量(二酸化炭素換算)の削減目標を「7%削減」に設定し、27年度まで5年連続で目標をクリアしたが、28年度から発電実態に即した算定基準に改訂したことから一転して3年連続増となり、目標達成は難しいのが実状。老朽化した現庁舎での対策は限界にきており、省エネ対策が格段にレベルアップする新庁舎が対象になる次期計画で取り組みを一層促進させる考え。
実行計画は市役所や教育委員会、水道事務所、消防本部の各公共施設で地球温暖化の要因となる二酸化炭素の主な排出原因である電気や燃料使用量の削減に向けた課題や対策をまとめている。第2次計画は平成22年度の温室効果ガス総排出量2303トンを基準に「7%削減」を目標に定め、電気やガソリン、灯油、水道使用料など9項目で節減に努めている。
23年度から5年間は目標の7%削減を達成していたが、28年度から排出量算定に用いる排出係数を関電の発電実態に即した係数に改訂。これまでは基準年度の平成22年度の係数で固定していたが、原発がフル稼動していた時の係数のため、福島第一原発事故以降の実態に即しておらず、国や県に準じ前年度の発電実績に基づいて算出される係数に変えた。
この係数で算出すると28年度は7・2%増、29年度は猛暑や寒冷の影響で21・1%の大幅増となり、目標に遠く及ばなかった。30年度は温室効果ガス排出量は2338トンで、基準の22年度に対して35トン増、1・5%増に抑えたが、3年連続で7%減の目標はクリアできなかった。市環境衛生課は「目標は達成できなかったが、電気使用量は大幅に削減でき、職員の意識は高まっている」とした。
蛍光灯の本数を減らしたり、昼休みなど不要の電気消灯、学校教育施設や社会教育施設の照明をLED化など節電対策を続けているが、老朽化した現庁舎での取り組みは限界、学校施設に空調が整備されたことで電気使用量が増えると予想されるため、今後も目標達成は厳しい模様。令和3年度に改定し、4年度からスタートする第3次計画は、さまざまな省エネ対策を取り入れる新庁舎が対象になるため、同課は取り組みが促進できると期待している。
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