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御坊市南塩屋「観音山ふれあいの森」を整備 〈2017年5月21日〉

2017年05月22日 08時30分00秒 | 記事

避難路沿いに植栽し「ふれあいの森」を整備


 御坊市塩屋町の南塩屋区(楠本文郎区長)は、県の平成29年度紀の国森づくり基金活用事業で「観音山ふれあいの森」を整備する。南海トラフ巨大地震の津波対策で28年度に観音山に整備した一時避難場所、避難路の周辺にヤマザクラなどを植栽、紀州材のベンチを手作りし、大規模災害時は命を守る避難場所、日常的には四季折々に区民らが集える憩いの場、子どもが森とふれあえる自然学習の場として活用する。

 南塩屋区で最も高いのが観音山。東海・東南海・南海三連動地震では標高11メートルの関電社宅などが一時避難場所になっているが、最大津波高16メートルと予想される南海トラフ巨大地震に対応できるのは「観音山しかない」ため、28年度に市と県の補助金計400万円を活用して標高58・5メートルの場所(区有地)に一時避難場所、避難路を整備して太陽光発電の街路灯を設置。避難路は立木を伐採して延長120メートル、幅1・5メートルを新設し、救援物資が運ばれる御坊総合運動公園へ安全に行き来できるようにした。
 あわせて標高50・5メートルの場所を一時避難場所として周辺の立木を伐採。登り口には案内看板、標高33・3メートルの場所には街路灯などを設置した。今後、避難訓練を重ねて周知徹底していくが、楠本区長は「年1回の訓練では、それだけで終わってしまう。日常的に観音山に慣れ親しんで認知してもらえる取り組みが大事」とし、森づくり基金を活用して「ふれあいの森」を整備することにした。
 観音山の区有地は関西電力が鉄塔管理のため管理道の下草などを除去しているが、山林は手入れされずに放置された状態。避難場所、避難路を整備したのにあわせ、周辺を整備し、日常的に手入れすることで四季折々に住民が集い、子ども達が森の大切さや自然学習に取り組める憩いの場として再生する。標高58・5メートルの避難場所周辺や避難路沿いと、標高50・5メートルの避難場所周辺にヤマザクラ40本をはじめ、ヒラドツツジ20本、キンモクセイ10本、イロハモミジ20本を植え、ヒノキの紀州材で作る木製ベンチ15台を設置する。
 6月3日午前9時から現地で子どもクラブ主催の木工教室を開き、区や自主防災会も協力して木製ベンチを手作りする。10月に植栽作業を行い、11月に完成披露を兼ねた森とのふれあい教室を開く予定。将来的にはヤマザクラを増やし、桜の名所を目指すほか、県朝日夕陽百選に選ばれ、モニュメントが設置されている頂上付近の祓井戸観音のほこら前の整備について祓井戸区と協議し、熊野古道を散策する人らに観音山の良さをアピールすることも考えている。


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