ヘリポートの造成工事が着々と進む(吹井地内)
近い将来発生するとされる巨大地震や津波に備え、由良町吹井地内で行われているヘリポート設置工事は順調に進み、進ちょく率が80%に達した。災害など緊急時に防災ヘリやドクターヘリが離着陸できるよう整備。町有地の山林などを伐採して造成工事を行っており、3月の完成を目指す。平成29年度には備蓄倉庫も設置する計画で、津波などによる甚大な被害を想定した防災対策が着々と進んでいる。
海に囲まれる同町では地震による津波被害が想定されることから、災害時に国道42号など幹線道路が寸断された場合に備え、空からの輸送手段を検討してきた。これまで町民グラウンド、海上自衛隊由良基地分遣隊を臨時の離着陸場として利用していたが、着陸する際に関係者の許可が必要。しかし、場外離着陸場は事前に関係機関に申請しているため、許可なく着陸できる。
町としても災害時に資機材や救援物資を運ぶ防災ヘリ、ドクターヘリが少しでも早く現場に到着できるようにとヘリポートの新設を決め整備に動き出した。
町内初となるヘリポートは「場外離着陸場」と呼ばれるもので、吹井地内の由良斎場から北200メートルの町道沿いにある山林を整備して設置。由良、衣奈両地区と行き来しやすい場所にあり、海抜約60メートルと津波被害の恐れがないことから同所への設置が決まった。
昨年10月下旬に着工し、造成工事を実施中。面積は5570平方メートルで、このうち一部(1560平方メートル)をアスファルト舗装、残りは採石を敷き、ヘリポートのマーク部分はコンクリート、周囲をアスファルトで舗装する。周辺では水路工事も実施している。工期は3月14日まで、3月中に完成する見通し。総工事費は4644万円。施工は(株)池本組=池本栄太郎代表・由良町里=。
このほか、ハード面では長年にわたり減災対策として県などに要望してきた由良港の防波堤設置工事が動き出し、ソフト面でもいち早く町内19区で自主防災会を組織するとともに県主催の避難訓練や防災関連の講座に参加、防災会独自の訓練や学習会を開くなど全町あげて取り組んでいる。
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