浮き桟橋を整備した塩屋小型船舶係留施設
紀中・紀南地方の港湾や漁港など公共水域等に放置されているプレジャーボート対策で、県はプレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例に基づき、日高地方の重点調整区域内4カ所で総事業費4億3000万円を投じ、浮き桟橋や係留施設など施設整備を行っており、4月から6月にかけて供用を始める。条例の規制で閉め出されるプレジャーボートを収容するための係留保管施設で、供用開始後は有料で収容して適正な係留保管に努める。
県は平成20年度に条例を制定し、県内全域で規制強化や係留保管場所の確保などの対策を推進。紀北エリア(和歌山~有田)に続き、21年度から日高地方を含む紀中エリアと紀南エリアでの対策に着手。22年度に放置等禁止区域、重点調整区域を設定し、規制で締め出されるプレジャーボートは有料の係留保管場所に誘導、収容する。係留保管場所は地元市町ら関係者の意見を聞きながら(1)県係留施設の整備(2)漁港や港湾の既存施設の活用-などを検討して必要な施設整備を行っている。
日高地方は由良港内の吹井、網代、阿戸、柏、小杭各地区。日高港内で塩屋地区の計6地区が重点調整区域に指定され、このうち、吹井、阿戸、西川、塩屋小型船舶係留施設の4カ所については新たな係留保管場所を整備。吹井は吹井第二護岸に総事業費2億円を投じ、浮き桟橋4基を整備している。3月末に工事が終わり、4月から供用を始め、プレジャーボート57隻を係留する。
阿戸は総事業費1500万円をかけて既存の係船岸を改良済み。4月から供用を始め、12隻を係留する。西川は河口(通称・金兵衛ふ頭)に総事業費1億5000万円をかけて係留施設を整備中。延長214メートルの護岸を補強し物揚場として整備するとともに、ほぼ水深ゼロの泊地(対象1ヘクタール)をしゅんせつし、水深2メートルを確保。5月末に完成し、6月から供用を始め、15隻を係留する。
塩屋小型船舶係留施設(北塩屋)は総事業費6500万円を投じ、浮き桟橋1基を整備。工事は終わり、4月から供用を始め、7隻を係留する。残りの網代(約20隻対象)小杭(8隻対象)は施設整備は行わず、既存施設内で配置換えする。柏は対象なし。また、河川法で係留が禁止されている日高川については区域指定の対象外だが、不法係留船を収容する係留保管施設を整備予定。
規制区域は放置等禁止区域と重点調整区域があり、港湾区域内は基本的に全域を放置等禁止区域に指定する。市町管理の漁港は指定を助言。禁止区域の中で重点調整区域を設け、係留保管場所が整備されるまで暫定的に届け出れば係留できるようにする。保管場所が完成し、供用開始した時点で重点調整区域を解除し、禁止区域に編入して法令に基づく規制を行う。利用料金は条例で定めている。
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