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GIGAスクール先進の山野小(日高川町)で授業公開 〈2021年7月9日〉

2021年07月09日 08時30分00秒 | 記事


議会総務文教常任委や教育委員が見学する中、
タブレット端末で授業を受ける児童 


 日高川町立山野小学校で7日、「GIGAスクール事業」に伴うタブレット端末を活用した授業が公開された。5、6年生8人の複式学級で行われた国語の授業では、児童1人が1台のタブレット端末を使い、電子教科書で読書した作品の感想を発表し合うなど、黒板を使わずに児童の発表内容がモニターに映し出される授業が行われた。町教育委員会は「各校で徐々に授業への活用が進んでおり、研修などで課題を解決しながら取り組んでいきたい」と話した。

 令和元年12月に文科省が打ち出し、新型コロナ禍で加速した、児童生徒が1人1台のタブレット端末と通信ネットワークを使ったICT教育を実現する「GIGAスクール構想」。同町では昨年度、端末導入などに約4160万円、保守業務やセキュリティ費を含む維持管理費約470万円(年間)を投じて、町立小中学校13校の638人に1台のタブレット端末が導入され、今年度から本格的に授業への活用が始まった。
 各校で授業導入への準備が進む中、すでに高学年では全教科を対象に1日1時間程度のタブレット端末を用いた授業を行うなど、先進的に取り組む山野小の授業を公開。和佐公生教育長はじめ町教育委員や町議会総務文教常任委員会(小畑貞夫委員長)が視察した。 石上将之教諭が担任する授業では、5年生3人が電子教科書を使って重松清作の「カレーライス」を視聴し、チームズというソフトで意見をまとめたり、6年生5人は、モニターを使って児童一人ひとりが自分の好きな本の魅力などを紹介し、発表を聴いた残りの児童がタブレット端末で感想などを打ち込むと、リアルタイムで黒板脇に置かれたモニターに映し出された。教諭は黒板をまったく使わず、児童もほとんどノートを使わずに端末のキーボードで文字を打ち込んだ。
 授業を見学した和佐教育長は「複式という特異な環境の中で、タブレットを活用して授業を進める教諭にも指導力が求められる。他校でも、研究と研修を重ねて徐々に授業への活用に向けて進んでおり、研修などで課題を解決しながら取り組みたい」と話し、視察した議会総務文教常任委員らに意見を求めた。小畑委員長は「アナログの授業にはない価値があり、導入したタブレット端末を他校でも有効に活用してもらいたい。その一方で、コミュニティーが薄らぐ心配もあり、あくまで端末は文房具と同じような1つの道具として使うことが大切。子どもたちの眼に対する悪影響にも配慮する必要があると感じた」と話した。


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