僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

紙の月(角田光代)

2015年01月11日 | よむ

乙女心は難しい。

心のバランスが崩れた時にわかりやすく表れるのが

財布のヒモ

であることはわかっている。

しかしここまで見事に崩れる人の気持ちはわからないなぁ。

途中途中にも主人公のリカですらわからないという描写を多用して

よけいにわからない。

タイトルも受け止め手によって解釈の異なる

抽象的な『紙の月』だし。

月に照らされた夜ってとても綺麗だけど

月自身は自ら輝くことはできず

しかも紙だから真っ暗な道を照らそうにも

偽の光でしか照らせない。

その渇望と葛藤の中で

無意識に本当の光を求めるリカを表した題に感じた。

ネットではpaper moon

の寓意という意見が多数を占めるみたいだけど

真意はどこにあるんだろう。