5-3-1-1. 節制は、当人の本気度次第である
節制は、ごく簡単で、要は、やる気になるのかどうか、本気になるのかどうかである。節食を決意した者は、日々これを何よりも優先し、これをどこまでも持続させる気構えを持ち続けねばならない。おのれ(の貪欲)に手加減することをやめ、真剣になり、英知を傾けて、戦略・戦術をしっかりとねり、こころの底からことに対処する姿勢をもち続ける必要がある。その意志を堅くもって、障害や誘惑にふらつかず、辛抱して諦めず、頑なに初志を貫くことである。
5-3-1-2. 簡単な節制が、なぜ簡単に出来ないのか
節制できないのは、自身の自由にあまえ切っているからである(自由のない刑務所や病院では皆節制できている)。感性の求めるがままの享受をやめ、己の理性的尊厳をとりもどして、適正な制限、節制へと自身を向けていくことが求められる。過度の快楽享受への甘い態度を改め、厳格に自制を心がけることである。「自分は水を飲んでも太る」というが、間違いなく過食しているのである。好き勝手・わがままの自由を卒業し、自律・自制の自由に自身を高める必要がある。