5-3-4-2. 食べ始めて食欲と正面対決
立派な計画をたてても、現に食べる場面で抑制できるのでなくては、節制は実現しない。食をすすめる中心には美味しさがある。この快楽を満たさないと食は満足できない。おいしいから過食する。そのおいしいものを過食しないようにするのが節制である。ゆっくり噛んで食べるとか、美味しいものは、一口分を小さくして多くの口数食べられるようにと細工もする。心構えや工夫で満足感は高めることができる。
腹八分にとどめることが大切で、節制する意志が一番苦労するのは、ここであろう。八分で済むようになると節制自体がやがて不要となる。
5-3-4-3. 食材選択に多くのダイエット法が言われるが、基本は、粗食であろう
ダイエットの方法ということでは、バナナダイエット、りんごダイエットなどそれこそ万と方法が言われている。カロリーの低い美味の食材や、お腹の持ちのいいものを挙げるのが普通である。内容が奇抜で、追随者においては、うまくいかないことが多い。
摂取カロリー量を小さくというのなら、粗食が基本であろう。美味のものはカロリーの高いのが普通で、粗食になるものは多くがカロリーは低い。栄養バランスの点でも粗食の方が偏りがなくてすむ。何といっても、美味の少ない粗食は、過食しない。
5-3-4-4. 手間・ひまをかける、手間かけダイエット
快楽享受に手間をかけ面倒なことにする手もある。鶏肉を食べるのに、鶏の羽根を毟ることからはじめて手間をかけるやり方をとれば、「作る(=食べる)のは面倒!」、となろう。食べる間も、手間なように殻つきのままのシャコ・蟹や、種子の多いざくろやアケビのような果物を用意すれば、頬が落ちるほど美味しくても、馬食するのは簡単ではない。たくさん食べても、くたびれて過食まではいかない。終わったら必ず片付け・歯磨きするようにすれば、食べることへのブレーキとなる。
5-3-4-5. 最後は、これで終わりという儀式
美味しい楽しい食事は、いつまでもつづけていたい。だらだらと食べることで過食は進む。早めに終了できる工夫が求められる。食事の終わりを明確にし、「終わりだ」という気にすることがいる。少しずつ料理を出すときは、これが頂点で、これで終わりだという食の出し方も考えている。デザートは、終わりの駄目押しである。あるいは、お茶やコーヒーをいれて、口をすすげば、食後の始末・口内清掃ということになる。