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朝日新聞デジタルが発表した「吉田調書」は衝撃! 全国民が読むべきだ。

2014年05月21日 17時02分52秒 | 日記
 鼻血騒動でグタグタ言っている時に、朝日新聞デジタルが衝撃的なドキュメントを発表した。

 東日本大震災発生時の東京電力福島第一原子力発電所所長、吉田昌郎氏が政府事故調の調べに対して答えた「聴取結果書」を朝日新聞が入手し、朝日新聞デジタル版で発表された。(会員登録すれば無料で全て読めます)

 これぞメディアの出来る、優秀な調査報道と言えるだろうと筆者は思う。

 筆者も、早速、現在発表されている第1章を、一気に読みました。

 3月11日の地震、津波の発生後、次々と危険な状況に陥っていく福島第一原発の原子炉を前にして、責任者の吉田昌郎所長は、自分自身の死をも覚悟したであろう、過酷事故が発生していく中で、当時作業に従事していた協力会社も含めた、多くの従業員の退避を真剣に考えざるを得なかった。

 今思えば、全員退避してしまえば、恐らく福島第一原発は、次々と大爆発を起こし、高濃度放射能粉塵が、日本の半分を覆い、関東地区などは総非難をしなければならなかったであろうと、戦慄を覚えてしまう。

 安全神話で固められてきた原発は、決して絶対安全な装置ではないのだ。

 このドキュメントでも、電源喪失で近くの自動車販売店にまで、バッテリーを買い集めに走り、直列に繋いで既定の電圧にまで昇圧するが、ベントがうんともすんとも動かないという、バタバタぶりも出てくる(しかし現場は必死であったろうと言うのが伝わってくる)

 このドキュメントは是非日本人の全てに読んで欲しいと思う。

 原発はあくまでも再稼働したいと考えている人々は、この吉田調書を読んでも、方針が変わらないと言うのであれば、よっぽど凝り固まった人格の持ち主と言えるだろう。

 詳細は、是非各人で読んで欲しいので、内容は細かく説明しませんが、朝日新聞デジタルの編集部も大変意欲的で、文章のレイアウトや大きな写真が各章間に入っており、緊迫の電話交信の音声も聞けるように配慮されており、まさにデジタル時代の作りになっているところも、筆者は賞賛したいところです。

(以下に朝日新聞デジタルよりプロローグ部分だけ貼り付けます。)

「吉田調書」
福島原発事故、吉田所長が語ったもの

プロローグ

 朝日新聞は、東日本大震災発生時の東京電力福島第一原子力発電所所長、吉田昌郎氏が政府事故調の調べに対して答えた「聴取結果書」を入手した。レベル7の大災害を起こした福島第一原発の最高責任者であり、事故収束作業の指揮官であった吉田氏の唯一無二の公式な調書である。吉田氏は事故について報道機関にほとんど語らないまま2013年7月に死去した。調書も非公開とされ、政府内にひっそり埋もれていた。

28時間、400ページ

 吉田調書は全7編で構成されている。総文字数はおよそ50万字。A4判で四百数十ページに上る分量になる。吉田氏への聴き取りは13回中11回が福島第一原発から南へ20km離れたサッカー施設 J-VILLAGE JFAアカデミーのミーティングルームで、残る2回が吉田氏の仕事場である福島第一原発免震重要棟でおこなわれた。

 政府事故調は772人から計1479時間にわたって聴き取りをおこなった。吉田調書はその一環で作成された。対象1人当たりの平均聴取時間は2時間弱。吉田氏への聴取時間は28時間あまりで、あの瞬間、どう行動し、何を考えていたかまで聴き取った。畑村洋太郎・政府事故調委員長は、ほかに吉田氏の公式の調書がないことから「貴重な歴史的資料」と呼んだ。

怒り、苦悩、分別

 吉田調書の特徴は「吉田氏の言いっぱなしになっていない」点にある。政府事故調は聴き取りを始めるにあたり、「後々の人たちがこの経験を生かすことができるような、そういう知識をつくりたいと思って、それを目標にしてやろうとしています」「責任追及とか、そういうことは目的にしていません」と趣旨説明をした。だが、聴取は決して生ぬるいものではなかった。それは吉田氏への聴取が政府事故調事務局に出向した検事主導でおこなわれたからである。調書は微妙な言い回しも細かく書き起こされている。

 一方、吉田氏のほうも、聴き取りに真剣に応じている様子が調書の文面からうかがえる。調書には、吉田氏が「ここだけは一番思い出したくない」と苦しい胸の内を明かすように話す場面がある。震災当時の社長の清水正孝氏を「あの人」と呼んだり、菅直人氏や原子力安全委員長の班目春樹氏を「おっさん」呼ばわりしたりして、怒りをぶちまけながら話をする場面もある。全編を通して感情を包み隠さず答えていることから、全体として本音で語っていると感じられる。
 吉田氏は、事実と心情や思いとは分けて話そうと努めている。また、事故発生時の認識と、その後に得た情報を加味した自身の考えは分けて話すよう努める様子もうかがえる。
未曽有の多重災害

 福島原発事故は、複数の原発が同時にやられるという人類が経験したことがない多重災害だった。最初に、注水が止まっているのを見逃された1号機が大地震発生の翌日の12日午後に水素爆発。続いて3号機が注水に失敗し14日午前に爆発。その影響で2号機が格納容器の圧力を抑えられない事態に陥り、15日に今回の事故で最高濃度の放射性物質を陸上部分にまき散らした。同日は4号機も爆発。核燃料プールの水が抜けることが懸念された。もしそうなっていればさらに多くの放射性物質がまき散らされるところだった。

過ちは生かされたか

 政府事故調の最終報告の欠点は、原発の暴走を止めるのは人であり、原発被害から住民を救うのも人であるのに、当時のそれぞれの組織の長、首相、経済産業大臣、原子力安全・保安院長、原子力安全委員会委員長、東電社長、そして福島第一原発の所長の行動・判断を一つひとつ検証しなかったことだ。772人もの関係者から聴き取りをおこなったのに、「個人の責任を追及しない」との方針を掲げたため、事故の本質に深く切りこめなかった。政府や電力会社がいま、再稼働に向け、防潮堤のかさ上げやフィルターベントの取り付けなど設備の増強に走るのは、政府事故調が分析・検証を現象面にとどめたからと言っても過言でない。

 未曽有の原子力事故に立ち向かった人間の声は、歴史に刻まなければならない。歴史は人類共通の財産である。第1回の聴取の際、政府事故調は「お話しいただいた言葉がほぼそのままの形で公にされる可能性があるということをお含みいただいて、それでこのヒアリングに応じていただきたいと思います」と説明した。吉田氏は「結構でございます」と即答したことをここに記す。(宮崎知己)

全9回で報告

 朝日新聞デジタルでは20日から、今回入手した調書を分析・検証した特集企画「吉田調書 福島第一原発事故、吉田昌郎所長の語ったもの」を配信していきます。政府事故調が吉田氏から聴取しながら報告書ではほとんど言及しなかった「人の行動、判断」の部分に焦点をあて、「原発は誰が止めるか」「住民は避難できるか」「ヒトが止められるか」を考えます。調書の分析・検証にあたっては、東電テレビ会議録、時系列表、および別途入手した東電の内部資料を読み込み、各方面を取材しました。朝日新聞では、吉田調書でわかった新事実を報道します。

今後のラインアップ(予定)

第1章 原発は誰が止めるか

1. フクシマ・フィフティーの真相
「非常事態だと私は判断して、一回退避しろと」

2. ここだけは思い出したくない
「チャイナシンドローム…ああいう状況になってしまう」

3. 誰も助けに来なかった
「ものすごい恨みつらみが残っていますから」

第2章 住民は避難できるか

1. 広報などは知りません
「プレスをするか、しないか、勝手にやってくれ」

2. 真水か海水か
「あの、もう、水がさ、なくなったからさ」

第3章 ヒトが止められるか

エピローグ水面が見えた

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(貼り付け終わり)