草花探訪

季節の草花苗づくり

去華就実の頃

2014年10月22日 | 花の写真

気が付けばご近所のお寺に植わっている柿の実が赤みをまし、かりんも黄色がかっています。

最低気温が一桁になるなど季節の深まりを感じる一週間でした。

日の出の時刻が6時を過ぎ薄明るくなる頃、歩き始めている私の楽しみはいろんな木の実に

出会うことです。

まずは自宅横の観音寺の境内の渋柿とかりんです。

   

続いてお土居の青紅葉の中に椎の古木、平野神社の近くにはザクロが。

     

小粒で黒っぽい椎の実を老婦人が拾ってベンチに集めておられるのを写させてもらいました。

今の子たちは椎の実が食べられるということを知らないと思うのですが、昭和20年代に子供

だった私には、当時縁日で一合升で量り売りしていた思い出の木の実です。

   

等持院山門の近くに栗の木があり、青々した棘に包まれたイガの中に、色づいて実が落ちかけて

いるいがを見つけ、シャッターをパチリと。最後に立命大の西端にあるとある喫茶店の壁面のアケビ

の実を探しウオーキングは帰路につきます。(アケビは一昨年の写真)

栗とアケビを見ると遠い昔、中学生の頃を思い出します。戦後間もない物資の乏しい時代でした。

衣笠山から左大文字山一帯を遊び場にして、まだ青色の残ってる芝栗のいがを落として割り実を集

め持ち帰ってた、懐かしいというよりせつなさを感じます。野生のアケビは宝物でした。

前段が長くなりましたが、今週の花、先週に引き続き「コスモス」です。亀岡夢コスモス園で写した

いろんな種類の花を紹介します。

まず、コスモスの花では珍しい「黄色・オレンジ系」の花。 イエローガーデンとオレンジキャンパス。 

   

下左、白地に紅色のふちどりのあるのがピコティ、下右の花の中心部が濃くリング状になってるのが

ハッピーリングです。

   

下左、花弁が筒状になってるのがシーシェル、下右の八重咲がダブルクリックです。

   

先週にも書きましたが、メキシコの高原地帯が原産地というコスモス、日本に伝わったのが江戸末期

といわれる歴史の浅い花です。それがたちまち日本全国に広がり日本の秋を代表する花に なった

説の一つが教師だった私に関係深いので最後に書いておきます。

その説とは「明治42年に当時の文部省が全国の小学校に栽培法を記したプリントと種を配布した」

という説です。ご承知のように明治2年に全国に先駆けて京都に「番組小学校」を設立し、それを受け

明治5年、国は小「学校令」を発布、日本の義務教育(4年)が始まりました。でもその多くは神社仏閣

の建物や寺子屋を改築した教室だけの学校でした。校庭・運動場はありませんでした。

明治41年に小学校令が改正され、義務教育が6年に延期されました。児童の数に対応した教室・

運動場の広さ、机椅子や教具など細部にわたって基準が示されました。つまり今日の学校の基礎が

築かれたわけです。

明治42年とはそのような時代だから文部省が花の種を配ったという説もうなずけるのです。