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世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版](連載第28回)

2024-05-19 | 世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版]

四 汎アフリカ‐南大西洋域圏

(5)内陸南部アフリカ合同 

(ア)成立経緯
アフリカ南部の内陸諸国ボツワナ、ザンビア、ジンバブウェ、マラウィが合同して形成される合同領域圏南部アフリカ領域圏が招聘領域圏として参加する。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の4圏である。いずれも統合領域圏である。

○ザンビア
主権国家ザンビアを継承する領域圏。

○ボツワナ
主権国家ボツワナを継承する領域圏。

○ジンバブウェ
主権国家ジンバブウェを継承する領域圏。

○マラウィ
主権国家マラウィを継承する領域圏。

(ウ)社会経済状況
持続可能的農業を軸とした共通経済計画に基づいて経済協力がなされる。また野生動物保護に関する共通計画が実行される。ジンバブウェにおける白人所有土地の強制収用によって発生した農業危機も共産主義的な土地の無主物化と計画的な農地管理システムにより解消する。また、主権国家時代のジンバブウェにおけるハイパーインフレーションも、貨幣経済の廃止により終息する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会は、ボツワナのハボローネに置かれる。全領域圏が旧英国植民地のため、英語を合同公用語とする。

(オ)特記
招聘領域圏の南部アフリカ領域圏との間では、経済、社会サービス分野での相互協力協定が締結され、密接な関係となる。

☆別の可能性
可能性は高くないが、全体が英語圏のため、合同を超えて連合領域圏にまとまる可能性もなくはない。

 

(6)モザンビーク

(ア)成立経緯
主権国家モザンビークを継承する統合領域圏

(イ)社会経済状況
主産業となっていた鉱業が世界共同体の管理下に移行し、潜在的なポテンシャルを秘めていた持続可能的農業が発展する。課題であった衛生的な水へのアクセスは世界水資源機関との連携による給水システムの確立により実現する。

(ウ)政治制度
統合型領域圏として、民衆会議制度が導入される。独立戦争の中心を担った主権国家時代の支配政党・モザンビーク解放戦線は会議外でなお影響力を持つ。東アフリカ合同領域圏の招聘領域圏ともなる。

(エ)特記
旧版ではモザンビークを東アフリカ合同領域圏に包摂していたが、ポルトガル語圏で独自色も強いモザンビークは単立の領域圏とした。

☆別の可能性
モザンビークが東アフリカ合同領域圏に加入する可能性もなおなくはない。

 

(7)東アフリカ合同

(ア)成立経緯
主権国家自体に東アフリカ共同体を構成していた諸国のうち6か国が合同して成立する合同領域圏。ただし、旧ブルンディと旧ルワンダは統合して、ブルワンディとなる。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の5圏である。

○タンザニア
主権国家タンザニアを継承する連合領域圏。大陸部タンガニーカと島嶼部ザンジバルから成る連合領域圏である。

○ブルワンディ
民族構成が近い主権国家ブルンディとルワンダが統合して成立する連合領域圏

○ウガンダ
主権国家ウガンダを継承する統合領域圏

○南スーダン
主権国家南スーダンを継承する統合領域圏

○ケニア
主権国家ケニアを継承する統合領域圏

(ウ)社会経済状況
資本主義的発展を見せていたケニアと、内戦終結後にIT産業などで成長を見せていた旧ブルンディ(ブルワンディ)を中心に工業化も進展するが、持続可能的農業を軸とした共通経済計画に基づいて経済協力がなされる。野生動物保護に関する共通計画が実行される。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会は、ブルワンディのキガリに置かれる。多言語のため、合同公用語はエスペラント語。

(オ)特記
主権国家時代には激しい内戦や残酷な独裁を経験した領域圏が多いことから、世界共同体平和理事会と連携する合同紛争調停機関を常設し、紛争の未然防止と早期解決を図るほか、合同人権監視機関を常設し、人権侵害への迅速な対応を図る。

☆別の可能性
ブルンディとルワンダが連合せず、それぞれ単立の領域圏となる可能性もある。また、モザンビークが合同に参加する可能性もなくはない。


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